骨に直接ピンを打ち込む?直達牽引と介達牽引の決定的な違い
看護師国家試験 第115回 午前 第55問
国試問題にチャレンジ
骨折時の直達牽引の説明で正しいのはどれか。
- 1.開放損傷には適さない。
- 2.介達牽引に比べ牽引力が弱い。
- 3.骨に鋼線を刺入して牽引する。
- 4.弾性包帯を巻き直す必要がある。
対話形式の解説
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サクラPOINT
直達牽引と介達牽引の違いを問う基礎問題。直達牽引の定義(骨に鋼線を刺入して牽引)を正確に押さえられるかがポイント。
解答・解説
正解は3です
問題文:骨折時の直達牽引の説明で正しいのはどれか。
解説:正解は 3 です。直達牽引(direct traction)とは、骨折部位より末梢の骨に専用のキルシュナー鋼線(Kワイヤー)やスタインマンピンを直接刺入し、そこに錘(おもり)を用いた牽引力をかけて整復・固定を行う方法である。骨に直接力が伝わるため、皮膚を介する介達牽引よりも強い牽引力を持続的にかけることができ、大腿骨頸部骨折・転子部骨折・大腿骨骨幹部骨折・脊椎損傷などで手術までの待機期間や、整復・固定の補助として用いられる。代表例として大腿骨に対する脛骨粗面牽引や、頸椎損傷に対するGardner-Wells(ガードナーウェルズ)鉗子・Crutchfield(クラッチフィールド)鉗子を用いた頭蓋直達牽引などがある。
選択肢考察
- ×1. 開放損傷には適さない。
開放骨折であっても直達牽引が一律に禁忌となるわけではない。むしろ開放骨折ではギプスや介達牽引が創部処置の妨げになるため、創を開放したまま管理できる直達牽引が選択されることもある。感染や軟部組織損傷の状態によって適応は個別に判断される。
- ×2. 介達牽引に比べ牽引力が弱い。
逆である。介達牽引は皮膚と絆創膏・スポンジを介して間接的に力をかけるため、皮膚障害を避ける観点から牽引重量が制限される(成人で概ね2〜5kg程度が上限)。直達牽引は骨に直接ピンを刺入して牽引するため、体重の1/7〜1/8程度(大腿で7〜10kg以上)といった大きな牽引力を持続的にかけられる。
- ○3. 骨に鋼線を刺入して牽引する。
正しい。直達牽引はキルシュナー鋼線やスタインマンピンを局所麻酔下で骨(脛骨粗面、踵骨、大腿骨遠位部、頭蓋骨など)に経皮的に刺入し、鋼線にトラクションボウ(牽引弓)を取り付け、滑車を介して錘で持続的に牽引する方法である。これが直達牽引の本質的な定義となる。
- ×4. 弾性包帯を巻き直す必要がある。
弾性包帯やスピード・トラクションキット(絆創膏とスポンジパッド)の使用は介達牽引(スピードトラクション・バックトラクションなど)の特徴である。直達牽引ではピン刺入部の消毒・観察は行うが、弾性包帯の巻き直しは本質的な看護ケアに含まれない。
牽引法の看護では、(1)持続的に牽引力がかかるよう錘を床に着けない・体位を保つ、(2)対側にかかる対抗牽引(カウンタートラクション)を維持するため頭側挙上を制限する、(3)ピン刺入部の感染(ピンサイト感染)の早期発見、(4)長期臥床に伴う合併症(褥瘡・深部静脈血栓症・廃用症候群・便秘・肺炎)への対策が重要である。覚え方は「直達=骨に直接ピン、介達=皮膚に絆創膏」とセットで暗記し、牽引力の強さ(直達>介達)と関連づけて整理するとよい。
直達牽引と介達牽引の違いを問う基礎問題。直達牽引の定義(骨に鋼線を刺入して牽引)を正確に押さえられるかがポイント。
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