腰部脊柱管狭窄症と間欠性跛行を改善する姿勢
看護師国家試験 第115回 午前 第77問
国試問題にチャレンジ
腰部脊柱管狭窄症による間欠性跛行が改善する腰部の動きはどれか。
- 1.後屈
- 2.前屈
- 3.左回旋
- 4.左側屈
- 5.右側屈
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラPOINT
腰部脊柱管狭窄症では前屈で脊柱管が広がり神経圧迫が軽減して間欠性跛行が改善する一方、後屈では悪化するという姿勢依存性を理解しているかが問われています。
解答・解説
正解は2です
問題文:腰部脊柱管狭窄症による間欠性跛行が改善する腰部の動きはどれか。
解説:正解は2の前屈です。腰部脊柱管狭窄症は、加齢に伴う椎間板の膨隆、椎間関節の肥厚、黄色靱帯の肥厚などにより脊柱管が狭くなり、馬尾神経や神経根が圧迫されて生じる疾患です。歩行を続けると下肢のしびれや脱力、痛みが出現し休むと軽快する「間欠性跛行」が代表的な症状です。腰椎を前屈すると黄色靱帯の弛緩や椎間孔の拡大が起こり、脊柱管断面積が広がって神経圧迫が軽減するため、症状が改善します。患者がショッピングカートに寄りかかると長距離歩ける(カート徴候)、自転車には乗れるなどのエピソードもこの機序で説明できます。
選択肢考察
- ×1. 後屈
腰椎を後屈(伸展)させると黄色靱帯がたわんで脊柱管内に突出し、椎間孔も狭くなるため神経圧迫が増強され、しびれや痛みが悪化します。立位や下り坂で症状が出やすいのもこのためです。
- ○2. 前屈
腰椎を前屈すると脊柱管および椎間孔の断面積が拡大し、馬尾・神経根への圧迫が減弱するため、しびれや疼痛が和らぎ歩行を再開できます。これが間欠性跛行の典型的な改善動作です。
- ×3. 左回旋
回旋運動は脊柱管の前後径を有意に広げる方向の動きではなく、間欠性跛行を改善する典型的姿勢ではありません。むしろ椎間関節への負荷が増し症状を誘発することもあります。
- ×4. 左側屈
側屈では片側の椎間孔は広がる一方で反対側は狭くなるため、神経圧迫の総体的な軽減には結びつきません。間欠性跛行を一律に改善する動きではありません。
- ×5. 右側屈
左側屈と同様に、側屈は左右で椎間孔の広狭が逆方向に変化するため、馬尾全体への除圧効果は乏しく、間欠性跛行の改善動作としては不適切です。
腰部脊柱管狭窄症と腰椎椎間板ヘルニアは間違えやすいので注意が必要です。椎間板ヘルニアは前屈で髄核が後方に突出して神経根を圧迫するため、前屈で痛みが増悪し後屈で楽になる傾向があり、脊柱管狭窄症とは逆の関係になります。脊柱管狭窄症の典型像として、立位・歩行で症状増悪、前屈姿勢や座位・自転車こぎで改善、カート押し歩行が可能(カート徴候)、SLRテストは陰性のことが多い、といった臨床所見を押さえておくとよいでしょう。治療は保存療法(薬物療法、神経ブロック、運動療法)が中心ですが、進行例では椎弓切除術や除圧固定術が選択されます。看護では転倒予防、歩行時の休憩や前屈姿勢の指導、ADLの工夫が重要です。
腰部脊柱管狭窄症では前屈で脊柱管が広がり神経圧迫が軽減して間欠性跛行が改善する一方、後屈では悪化するという姿勢依存性を理解しているかが問われています。
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