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子宮口4cmでナースは何をする?分娩第1期を支える足浴の力

看護師国家試験 第115午前65

国試問題にチャレンジ

115午前65

Aさん(25歳、初産婦)は妊娠経過が順調であり、自然分娩を希望している。妊娠40週2日、陣痛発来し入院した。未破水、陣痛の間欠6分、発作20秒で産痛を訴えている。入院してから4時間経過しており、現在、子宮口4cm開大している。 Aさんへの援助で適切なのはどれか。

  1. 1.足浴を勧める。
  2. 2.安静に過ごすよう促す。
  3. 3.飲食は控えるように説明する。
  4. 4.陣痛にあわせて努責を開始させる。

対話形式の解説

博士博士
今回は妊娠40週2日で陣痛が来て、子宮口4cm開大の産婦さんへの援助を考えるのじゃ。
サクラサクラ
えっと、まず分娩って3つの時期に分かれてましたよね?
博士博士
その通りじゃ。陣痛開始から子宮口が全開大(10cm)になるまでが第1期(開口期)、全開大から赤ちゃんが生まれるまでが第2期(娩出期)、赤ちゃんが生まれてから胎盤が出るまでが第3期(後産期)じゃよ。
サクラサクラ
じゃあ、子宮口4cmはまだ第1期の途中ということですね。
博士博士
さらに第1期は潜伏期と活動期に分けられての、4cmはちょうど活動期に入ったあたり。フリードマン曲線でいうと、ここから子宮口がぐっと早く開いていく時期なんじゃ。
サクラサクラ
なるほど…。選択肢を見ると「努責を開始させる」とありますが、これはどうなんでしょう?
博士博士
努責、つまりいきむのは子宮口が全開大してからじゃ。4cmで力んでしまうと頸管が浮腫んだり裂けたりして、かえって分娩が遅れたり傷つけたりするのじゃよ。
サクラサクラ
早すぎる努責は危険なんですね。「安静に過ごす」というのは?
博士博士
これも実は適切ではない。ずっと寝ているとお産が進まなくなることがあっての、歩いたり座ったり、四つ這いになったり、自由な体位で過ごすほうが重力で赤ちゃんが下りやすくなるんじゃ。
サクラサクラ
「飲食を控える」も気になります。お産って体力勝負ですよね?
博士博士
鋭いの。正常分娩の第1期では水分や消化のよい食事をとってよいのが現代の主流じゃ。脱水や低血糖になると微弱陣痛の原因になるからの。絶飲食が必要なのは緊急帝王切開で全身麻酔が予定されるような特殊なケースだけじゃ。
サクラサクラ
じゃあ残るは「足浴」ですね。なぜ足浴がいいんですか?
博士博士
足を温めると末梢の血管が広がって全身の循環がよくなり、副交感神経が優位になってリラックスできるのじゃ。緊張が緩むと骨盤底筋もゆるみ、痛みも和らぐ。お産が怖くて交感神経が優位になるとカテコールアミンが出て子宮収縮が弱まってしまうから、リラックスはとても大切なんじゃよ。
サクラサクラ
心と体の両方をほぐすケアなんですね。他にも非薬物的な疼痛緩和ってありますか?
博士博士
腰背部の温罨法、マッサージ、呼吸法、アロマセラピー、夫や助産師の手を握るタッチング、シャワー浴やバランスボールの活用もよく使われるの。これらをノンファーマコロジカル・ペインリリーフと呼ぶのじゃ。
サクラサクラ
リラックスするとオキシトシンも出やすくなりそうですね。
博士博士
まさにその通り。安心と心地よさはオキシトシン分泌を促し、子宮収縮を効率化する。看護師・助産師の「そばに居る」「触れる」「温める」というケアは、薬を使わずに分娩を進める強力な援助なんじゃよ。
サクラサクラ
子宮口4cmという段階を見極めて、リラックス支援に重点を置くという発想がとても勉強になりました。

POINT

分娩第1期活動期(子宮口4 cm開大)にある産婦への適切なケアを問う問題。努責のタイミングは全開大後であること、第1期では安静・絶飲食ではなくリラクゼーションと産痛緩和が中心であることを押さえる。

解答・解説

正解は1です

問題文:Aさん(25歳、初産婦)は妊娠経過が順調であり、自然分娩を希望している。妊娠40週2日、陣痛発来し入院した。未破水、陣痛の間欠6分、発作20秒で産痛を訴えている。入院してから4時間経過しており、現在、子宮口4cm開大している。 Aさんへの援助で適切なのはどれか。

解説:正解は 1 です。本症例は妊娠40週2日(正期産は妊娠37週0日〜41週6日)で自然に陣痛が発来し、子宮口が4 cm開大している状況です。分娩は陣痛開始から子宮口全開大(10 cm)までを第1期(開口期)、全開大から児娩出までを第2期(娩出期)、児娩出から胎盤娩出までを第3期(後産期)に区分します。子宮口4 cmはフリードマン曲線でいう活動期に入った初期段階で、これから子宮口が急速に開大していく時期にあたります。この時期は陣痛の間隔が短くなり強さも増していくため、産婦は緊張し交感神経が優位になりやすく、これが分娩の進行を妨げる要因となります。足浴は下肢を温めることで末梢血管を拡張させ、全身循環を改善するとともに、温熱刺激と心地よさによって副交感神経を優位にしてリラックスを促します。さらに骨盤底筋群の緊張をやわらげ、子宮口の開大や児頭下降を妨げない環境づくりに寄与するため、第1期の援助として極めて適切です。

選択肢考察

  1. 1.  足浴を勧める。

    分娩第1期活動期にあたる産婦に対して、足浴は温熱による末梢血管拡張、副交感神経優位化、骨盤底筋のリラックス、心地よさによる疼痛緩和をもたらす非薬物的ケアとして有効である。リラックスが進むと分娩進行を妨げる過緊張が緩み、子宮収縮の効率も高まりやすい。

  2. ×2.  安静に過ごすよう促す。

    分娩第1期では過度な臥床安静はかえって陣痛を弱め、児頭の下降や子宮口開大を遅らせる可能性がある。歩行・座位・四つ這いなどの自由な体位や体位変換のほうが、重力を利用した児頭下降や産痛緩和に有効とされており、画一的な安静指示は適切ではない。

  3. ×3.  飲食は控えるように説明する。

    正常な経過の分娩第1期では、脱水・低血糖を防ぐために少量ずつの水分摂取や消化のよい食事摂取が推奨される。一律に絶飲食を指示する必要はなく、緊急帝王切開や全身麻酔の予定がある場合などに限り個別に制限を検討する。

  4. ×4.  陣痛にあわせて努責を開始させる。

    努責(いきみ)を開始するのは子宮口が全開大(10 cm)となり児頭が下降した分娩第2期である。子宮口4 cmの段階で努責を促すと、子宮頸管の浮腫や裂傷を招き、かえって分娩進行を妨げる危険がある。第1期では努責を逃すための呼吸法を指導する。

分娩第1期はさらに潜伏期(〜子宮口3〜4 cm)と活動期(4 cm〜全開大)に分けられ、活動期に入ると子宮口開大は急速に進む(初産婦で約1.2 cm/時、経産婦で約1.5 cm/時が目安)。この時期の非薬物的疼痛緩和(ノンファーマコロジカル・ペインリリーフ)としては、足浴・腰背部温罨法・マッサージ・タッチング・呼吸法(ラマーズ法など)・アロマセラピー・自由な体位変換などが用いられる。産婦のリラックスはオキシトシン分泌を促し、カテコールアミン分泌を抑えることで子宮収縮を効率化することが知られている。また第1期の水分・エネルギー補給は、長時間に及ぶ分娩での脱水・ケトーシス・微弱陣痛を予防する重要な看護援助である。

分娩第1期活動期(子宮口4 cm開大)にある産婦への適切なケアを問う問題。努責のタイミングは全開大後であること、第1期では安静・絶飲食ではなくリラクゼーションと産痛緩和が中心であることを押さえる。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。