StudyNurse

Leopold触診とNST

母性看護学 / 妊娠期診断・健康管理

解説

今回はLeopold(レオポルド)触診法とノンストレステスト(NST)について解説します。どちらも妊娠後期に胎児の状態を把握するための基本的な検査であり、母性看護学の国試で頻出のテーマです。

Leopold触診法とは

Leopold触診法とは、妊婦の腹壁の上から子宮を4段階に分けて触診し、子宮内の胎児の位置や向き、先進部、骨盤への進入度を把握する古典的な手技です。超音波検査ほど精度は高くないものの、特別な器具を必要とせず、妊婦健診の場で迅速に胎児の状態を把握できる利点があります。 実施前には妊婦に排尿を済ませてもらい、仰臥位で両膝を軽く屈曲させてリラックスした姿勢をとってもらいます。これは腹壁の緊張を和らげ、触診をしやすくするためです。子宮収縮を誘発するおそれがあるため、切迫早産や前置胎盤などの症例では禁忌となります。

第1段法から第4段法

第1段法では、両手で子宮底を包むように触れ、子宮底の高さと、子宮底に触れている胎児の部分が頭か殿かを判別します。一般に頭は硬く丸く可動性があり、殿はやや軟らかく不規則な形をしています。 第2段法では、両手で子宮の側面を触診し、平坦で抵抗が強く触れる側を胎児の背側、小さな凹凸として手足が触れる側を腹側と判定します。これにより胎向(胎児の背中が母体のどちら側にあるか)が分かり、背中が母体の左側にあれば第1胎向、右側にあれば第2胎向と呼びます。 第3段法では、片手で恥骨上の先進部をつかむように触れ、先進部が頭か殿か、また可動性があるか(児頭の固定の有無)を確認します。 第4段法では、検者は妊婦の足側を向き、両手を恥骨上から骨盤入口へ滑り込ませるように当て、先進部が骨盤内にどの程度進入しているかを評価します。 これらをまとめると、Leopold触診法では胎位(縦位・横位など児の縦軸と母体縦軸の関係)、胎向、胎勢、先進部、骨盤への進入度を評価できる、と整理できます。

NST(ノンストレステスト)とは

NSTとは、子宮収縮や陣痛などのストレスが加わっていない安静時に、分娩監視装置を用いて胎児心拍数と子宮収縮を同時に記録し、胎児の健康状態(well-being)を評価する非侵襲的な検査です。妊娠32週以降から実施可能で、ハイリスク妊娠や胎動減少時にもよく用いられます。 検査は妊婦に半座位またはセミファウラー位をとってもらい、腹部に超音波トランスデューサと陣痛計を装着して20〜40分間記録します。仰臥位低血圧症候群を避けるため、完全な仰臥位は避けます。検査中の中断を避けるため事前に排尿を済ませます。

胎児心拍数陣痛図の判読

胎児心拍数陣痛図(CTG)は、胎児心拍数基線、基線細変動、一過性頻脈、一過性徐脈、子宮収縮の5項目から判読します。 胎児心拍数基線の正常範囲は110〜160bpmで、これを下回ると徐脈、上回ると頻脈と判定します。基線細変動は1分間の心拍の揺れ幅で、6〜25bpmが正常(中等度)です。 一過性頻脈は、基線から15bpm以上の心拍上昇が15秒以上2分未満持続するものを指し、胎児が元気であることを示す所見です。 一過性徐脈には、子宮収縮と同時に出現する早発一過性徐脈(児頭圧迫が原因)、収縮の頂点から遅れて出現する遅発一過性徐脈(胎盤機能不全を示唆)、収縮と無関係に急峻に出現する変動一過性徐脈(臍帯圧迫を示唆)、2分以上10分未満続く遷延一過性徐脈(急性低酸素を示唆)があります。

reactive判定の基準

NSTの結果は、reactive(反応性あり=正常)とnon-reactiveに分けられます。reactiveと判定するには、20分間の観察中に、15bpm以上かつ15秒以上持続する一過性頻脈が2回以上認められることが必要です。さらに基線が110〜160bpmで保たれ、細変動が6〜25bpmで遅発・遷延一過性徐脈がないことが揃えば、reassuring pattern(安心できる所見)として胎児の健康状態は良好と判断します。non-reactiveの場合は、振動音響刺激検査(VAS)やコントラクションストレステスト(CST)、バイオフィジカルプロファイル(BPP)など追加検査へ進みます。

まとめ

Leopold触診法は子宮を4段に分けて触診し、胎位・胎向・先進部・骨盤への進入度を把握する手技で、第2段法で胎向、第3段法で先進部と児頭固定の有無を判定する点が要点です。NSTは安静時に20分以上の胎児心拍数モニタリングを行い、胎児心拍数基線110〜160bpm、細変動6〜25bpm、一過性頻脈が20分間に2回以上でreactiveと判定します。一過性徐脈のうち遅発性は胎盤機能不全、変動性は臍帯圧迫を示唆する点も国試頻出の知識として押さえておきましょう。

確認問題(穴埋め)

空欄をタップすると答えが表示されます。

  1. 1.

    レオポルド触診法のうち、子宮の側面を触診して胎児の背中の位置すなわちを判定するのは第2段法である。

  2. 2.

    レオポルド触診法の第1段法では、子宮底の高さと、子宮底に触れる部分が頭かかを確認する。

  3. 3.

    レオポルド触診法の第4段法では、先進部のを評価する。

  4. 4.

    NST(ノンストレステスト)は、子宮収縮のない安静時に胎児心拍数と子宮収縮を同時記録し、胎児のを評価する非侵襲的検査である。

  5. 5.

    胎児心拍数陣痛図における胎児心拍数基線の正常範囲はである。

  6. 6.

    胎児心拍数基線細変動の正常(中等度)範囲はである。

  7. 7.

    NSTでreactiveと判定するためには、20分間の観察中に15bpm以上かつ15秒以上持続するが2回以上認められる必要がある。

  8. 8.

    胎児心拍数陣痛図で、子宮収縮の頂点から遅れて出現する遅発一過性徐脈はを示唆する所見である。

  9. 9.

    子宮収縮と無関係に急峻に出現する変動一過性徐脈はを示唆する所見である。

Leopold触診とNST」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。