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周産期統計と出生動向

母性看護学 / 母性看護総論・その他

解説

今回は周産期統計と出生動向について解説します。

母子保健統計の意義

母子保健統計とは、妊娠・出産・新生児期・乳児期に関する人口動態を数値化したもので、その国の医療水準・公衆衛生水準を示す重要な指標です。人口動態統計は出生・死亡・死産・婚姻・離婚の届出に基づいて厚生労働省が集計しており、母子保健の現状把握や政策立案の基礎資料となります。看護師国家試験では、各指標の**定義(週数の区切り)**と計算式、近年の動向が頻出です。

用語定義と週数の区切り

母子保健統計を理解するうえで最も重要なのが、いつからいつまでをその指標に含めるかという週数・日数の区切りです。混同しやすいので一つずつ整理します。

死産

死産とは、妊娠満12週以後の死児の出産をいいます。妊娠12週未満は流産として扱われ、死産統計には含まれません。死産は自然死産と人工死産に区分され、死産届は戸籍法に基づき7日以内に提出します。

周産期死亡

周産期死亡とは、妊娠満22週以後の死産と早期新生児死亡を合わせたものをいいます。胎児期から新生児期への移行に伴うリスクを一体として捉える指標です。WHOの国際定義と日本の定義は週数の区切りが異なる点に注意が必要です。

早期新生児死亡と新生児死亡

早期新生児死亡は生後1週(7日)未満の死亡、新生児死亡は生後4週(28日)未満の死亡を指します。さらに生後1年未満の死亡を乳児死亡といいます。

妊産婦死亡

妊産婦死亡は、妊娠中または妊娠終了後満42日未満の女性の死亡をいいます。事故など妊娠と無関係の死因は除かれます。

周産期死亡率

周産期死亡率は、(妊娠満22週以後の死産数+早期新生児死亡数)を(出生数+妊娠満22週以後の死産数)で割り、1,000を掛けて算出します。単位は出産千対です。分母に死産数も含まれる点が、出生千対で計算する乳児死亡率との大きな違いです。 日本の周産期死亡率は戦後一貫して低下を続けており、2012年で約4.0、2023年は約3.3と世界最低水準にあります。背景には周産期医療ネットワークの整備、母体・新生児搬送システムの構築、NICU体制の充実があります。

妊産婦死亡率

妊産婦死亡率は、妊産婦死亡数を出産数(出生数+死産数)で割り、100,000を掛けて算出します。単位は出産10万対です。明治期には400を超えていましたが、近年は3〜5前後で推移しています。 死因は二つに分類されます。直接産科的死亡は産科危機的出血、産科的塞栓症、妊娠高血圧症候群など妊娠固有の合併症によるもので、例年こちらが多数を占めます。間接産科的死亡は既存の心疾患や妊娠中に発症した疾患など、産科以外の原因が妊娠により増悪して生じる死亡です。

出生動向

出生動向で最も重要な指標が合計特殊出生率で、一人の女性が生涯に産む子どもの数の推計値です。日本では2005年に1.26で過去最低を記録し、その後やや回復したものの近年再び低下傾向にあります。 母の年齢階級別出生率では、近年は30〜34歳が最も高く、続いて25〜29歳、35〜39歳、20〜24歳の順となっています。かつては20代後半が最も高かったことを考えると、晩婚化・晩産化が明確に反映されているといえます。第一子出産時の母の平均年齢は2020年で30.7歳と上昇を続けています。

看護への含意

晩産化はハイリスク妊娠の増加と直結します。35歳以上の高年初産では妊娠高血圧症候群・妊娠糖尿病・染色体異常などのリスクが上昇するため、地域周産期母子医療センターや総合周産期母子医療センターと連携した妊婦健診体制の充実が求められます。看護師には統計の数値を踏まえたリスク評価と保健指導が期待されます。

まとめ

母子保健統計では、死産は妊娠満12週以後、周産期死亡は妊娠満22週以後の死産+早期新生児死亡(生後7日未満)、新生児死亡は生後28日未満、妊産婦死亡は妊娠終了後42日未満と週数の区切りを正確に押さえることが重要です。周産期死亡率は出産千対で日本は世界最低水準、妊産婦死亡率は出産10万対で直接産科的死亡が多数を占めます。合計特殊出生率は2005年に1.26で最低、母の年齢階級別出生率は30〜34歳が最も高く、晩産化が進行しています。これらの定義と数値を正確に覚えることが国試対策の要となります。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    母子保健統計において、妊娠満12週以後の死児の出産をという。

  2. 2.

    妊娠満22週以後の死産と早期新生児死亡を合わせたものをという。

  3. 3.

    早期新生児死亡は生後の死亡を指す。

  4. 4.

    新生児死亡は生後の死亡を指す。

  5. 5.

    妊産婦死亡は、妊娠中または妊娠終了後の死亡をいう。

  6. 6.

    周産期死亡率の単位はであり、分母には出生数に加えて妊娠満22週以後の死産数が含まれる。

  7. 7.

    妊産婦死亡率は妊産婦死亡数を出産数で割り、を掛けて算出する。

  8. 8.

    妊産婦死亡のうち、産科危機的出血や妊娠高血圧症候群など妊娠固有の合併症による死亡をといい、近年も多数を占める。

  9. 9.

    日本の合計特殊出生率は2005年にで過去最低を記録した。

  10. 10.

    近年の母の年齢階級別出生率では、が最も高く、晩産化を反映している。

周産期統計と出生動向」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。