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気管支喘息(発作管理)

小児看護学 / 小児循環器・呼吸器・その他

解説

気管支喘息とは、気道の慢性炎症と気道過敏性の亢進を背景として、可逆性の気道狭窄を繰り返す疾患です。発作時には喘鳴、呼気延長、呼吸困難をきたし、適切な発作管理と長期的なコントロールの両輪が看護の要となります。本稿では小児を中心に病態、発作強度の評価、治療、看護のポイントを整理します。

病態と誘因

気管支喘息の本態は好酸球性の気道炎症であり、肥満細胞からのヒスタミン遊離、Th2型免疫応答の優位、IgEを介したI型アレルギー反応が関与します。ダニ、ハウスダスト、花粉などのアレルゲンに加え、ウイルス感染、運動、寒冷、煙草の煙、ストレスなどが発作の誘因となります。気道平滑筋の収縮、粘膜浮腫、粘液栓により気道が狭窄し、呼気時に笛声音(wheeze)を生じます。

発作強度の評価

小児の発作強度は日本小児アレルギー学会のガイドラインに基づき分類します。

小発作

SpO2は96%以上、喘鳴は軽度で会話は普通にでき、自宅で短時間作用型β2刺激薬(SABA)の吸入で対応可能です。

中発作

SpO2は92〜95%、喘鳴は明らかで会話は句単位(一文を話すのに途切れる)となり、陥没呼吸を伴うため医療機関を受診します。

大発作

SpO2は91%以下、喘鳴は著明で会話は単語のみ、起座呼吸となり陥没呼吸も強く、入院管理が必要です。

呼吸不全

SpO2は90%以下、意識障害、チアノーゼ、徐脈を呈し、silent chest(喘鳴が急に消失する所見)は重度の気道狭窄を示す危険徴候です。補助呼吸筋使用、鼻翼呼吸、起座呼吸も重症化のサインとして見逃しません。

治療

発作時の薬剤をリリーバーと呼び、SABA(サルブタモール)吸入、酸素投与、全身性ステロイドが中心です。長期管理薬をコントローラーと呼び、吸入ステロイド薬(ICS)が中核となります。ロイコトリエン受容体拮抗薬や長時間作用型β2刺激薬(LABA)も併用されます。ICSは症状がなくても継続することで気道の慢性炎症を抑え、発作頻度を減らします。吸入後は口腔カンジダ予防のためうがいを行います。アクションプラン、ピークフローモニタリング、喘息日誌により自己管理を支援します。

小児喘息の特徴

小児は気管支が細く、気管支平滑筋も発達途上で、咳嗽力が弱く、免疫が未熟なためウイルス感染を契機に発症しやすい特徴があります。粘液貯留により容易に閉塞を起こすため、早期介入が重要です。

回復期の看護

排痰を促すため十分な水分摂取と室内湿度50〜60%の加湿を保ち、体位ドレナージ、スクイージング、タッピング、ハッフィングを組み合わせます。安楽な体位(起座位やファウラー位)を保ち、呼吸状態と酸素飽和度を継続的に観察します。

セルフマネジメント

学童期では発作の前兆である咳嗽の持続を早期に報告するよう指導し、運動前のSABA予防吸入、学校生活管理指導表の提出、担任や養護教諭への情報共有を行います。思春期は第二次反抗期と重なりアドヒアランスが低下しやすいため、リリーバーとコントローラーの違いを本人が理解できるよう説明し、実行可能なスケジュールを本人と話し合って決定することが継続の鍵となります。

確認問題(穴埋め)

空欄をタップすると答えが表示されます。

  1. 1.

    気管支喘息は気道の慢性と気道過敏性の亢進を背景に、の気道狭窄を繰り返す疾患である。

  2. 2.

    気管支喘息のアレルギー反応にはが関与し、型免疫応答が優位となる。

  3. 3.

    小発作ではSpO2が%以上で会話可能であり、自宅で短時間作用型β2刺激薬であるの吸入で対応する。

  4. 4.

    中発作ではSpO2は%で喘鳴が明らかとなり、会話は単位となる。

  5. 5.

    大発作ではSpO2が%以下となり、会話は単語のみで呼吸を呈する。

  6. 6.

    呼吸不全では意識障害やチアノーゼを認め、喘鳴が急に消失するは重度狭窄の危険徴候である。

  7. 7.

    発作時の治療薬をと呼び、長期管理薬をと呼ぶ。

  8. 8.

    長期管理の中核薬はであり、吸入後は口腔カンジダ予防のためを行う。

  9. 9.

    回復期の排痰ケアでは室内湿度を%に保ち、体位ドレナージやを行う。

  10. 10.

    学童期の患児に対してはを提出し、思春期では低下に注意して本人と実行可能な計画を立てる。

気管支喘息(発作管理)」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。