看護基準とタイムアウト
看護の統合と実践 / 医療安全と職業安全
解説
医療現場では、経験年数や知識量の異なる多くの看護師が患者ケアにあたります。どの看護師が担当しても一定水準以上のケアを受けられるようにするために整備されているのが看護基準であり、また手術室で患者誤認や部位間違いを防ぐ最後の砦となるのがタイムアウトです。どちらも医療安全と看護の質保証を支える重要な仕組みであり、国試でも看護管理・医療安全分野の頻出テーマとなっています。
看護基準とは何か
看護基準とは、施設において看護職が提供すべき看護内容や水準を文章として明文化したもので、看護実践の標準的な規範にあたります。多様な背景をもつ看護師が同じ場面で同じ質のケアを提供できるよう、「何を提供するか」を示した取り決めです。看護基準を整備することにより、看護師個人の経験や勘に頼ることなく、対象者へ提供する看護の質を保証することが可能になります。
これに対して、看護手順は「どのように実施するか」という具体的な手技や進め方を示したものです。たとえば「褥瘡予防の看護を行う」と定めるのが看護基準であり、「体位変換は2時間ごとに行う」のように手順を示すのが看護手順です。両者は車の両輪の関係にあります。
看護業務基準と見直し
日本看護協会は「看護業務基準」を公表し、看護職の責務と業務の標準を全国レベルで示しています。各施設の看護基準はこれを土台に作成され、医療の進歩や法改正、安全上の課題に応じて定期的に見直されることが原則です。
タイムアウトの目的と方法
タイムアウトとは、手術の皮膚切開直前にチーム全員が一斉に作業を中断し、患者情報や術式を声に出して確認するWHO推奨の安全手順です。執刀医、麻酔科医、看護師など関係者全員が手を止め、患者氏名、生年月日、手術部位、術式、同意書、アレルギー、抗菌薬投与、予想出血量などを読み合わせます。最大の目的は、患者取り違え・手術部位間違い・術式間違いといった誤認手術の防止にあります。
サインイン・タイムアウト・サインアウト
WHOの安全な手術のためのチェックリストは3段階で構成されます。麻酔導入前のサインイン、皮膚切開前のタイムアウト、閉創前のサインアウトです。タイムアウト時は必ず全員が作業を止め、目と耳を確認に向けることが原則であり、形式的に流さない姿勢が安全文化を支えます。
まとめ
看護基準は施設内で看護の質を均質に保つための標準であり、看護手順とともに医療安全の基盤を形づくります。一方、タイムアウトは手術直前にチーム全員で患者と術式を確認することで誤認手術を防ぐ仕組みです。いずれも「個人の注意」ではなく「組織の仕組み」によって安全と質を担保するという考え方に基づいており、看護師は基準を遵守し、タイムアウトに主体的に参加する責務をもちます。
確認問題(穴埋め)
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- 1.
看護基準の目的は、対象者に提供するを保証することである。
- 2.
看護基準は「何を」提供するかを示し、は「どのように」実施するかを示す。
- 3.
日本は「看護業務基準」を公表し、看護職の責務と業務の標準を示している。
- 4.
手術開始直前にチーム全員が作業を中断し、患者情報や術式を声に出して確認する手順をという。
- 5.
タイムアウトの主な目的は、患者取り違えや部位間違いなどのの防止である。
- 6.
WHOの安全な手術のためのチェックリストは、サインイン、タイムアウト、の3段階で構成される。
- 7.
タイムアウトはWHOの推奨に基づき、皮膚前に実施される。
