子宮頸癌の診断と検査
成人看護学 / がん・緩和・終末期
解説
今回は子宮頸癌の診断と検査について解説します。
子宮頸癌と原因
子宮頸癌は子宮の出口にあたる頸部に発生する癌で、組織型は扁平上皮癌が約7割、腺癌が約2割を占めます。発生のほぼ全例でヒトパピローマウイルス(HPV)、特に16型・18型などのハイリスク型の持続感染が原因となっています。
HPV検査と子宮頸癌検診
HPV検査は、子宮頸部の細胞をブラシやヘラで擦り取り、HPVのDNAやRNAの有無、特にハイリスク型HPV感染の有無を調べる検査です。腟鏡診下で行う手技は従来の細胞診(パパニコロウ染色)とほぼ同じで、患者の負担は大きく変わりません。重要な点として、HPV陽性は感染があることを示すだけであり、がんの確定診断にはコルポスコピー下の組織診(生検)が必要となります。日本の子宮頸がん検診は20歳以上の女性を対象に2年ごとの受診が推奨されており、近年は細胞診とHPV検査の併用(コ・テスティング)の導入も進んでいます。
HPVワクチン
HPV感染そのものを予防するワクチンも実用化されており、現在は**9価ワクチン(シルガード9)**が定期接種の標準となっています。小学6年生〜高校1年生相当の女子が定期接種の対象で、過去に接種機会を逃した世代へのキャッチアップ接種も行われています。
進行期決定のための検査
子宮頸癌と診断された場合、治療方針を決めるために**進行期(FIGO分類)**を決定します。原発腫瘍の大きさ、骨盤壁・膀胱・直腸・傍結合組織への浸潤、所属リンパ節転移、遠隔転移の有無を評価するため、次のような検査が組み合わせて行われます。
主な検査
内診・直腸診で傍結合組織や直腸への浸潤を評価し、必要に応じて膀胱鏡・直腸鏡で粘膜浸潤を確認します。胸部X線とCTで所属リンパ節転移や遠隔転移を評価し、MRIで原発腫瘍の大きさや局所浸潤を把握します。さらに**腎盂尿管造影(IVP)**で尿管圧迫・水腎症の有無を確認します。腎盂尿管造影はⅢB期の診断に重要な検査です。
FIGO進行期分類の概要
Ⅰ期は子宮頸部に限局、Ⅱ期は頸部を超えるが骨盤壁・腟下1/3に達しない、Ⅲ期は骨盤壁到達・腟下1/3浸潤・水腎症または所属リンパ節転移、Ⅳ期は膀胱・直腸浸潤または遠隔転移を伴う段階です。
治療
早期では円錐切除や広汎子宮全摘術などの手術、進行期では放射線療法と化学療法を組み合わせた**同時化学放射線療法(CCRT)**が基本となります。
まとめ
子宮頸癌の原因はほぼHPVの持続感染であり、検診では細胞診とHPV検査を組み合わせて早期発見を図り、HPVワクチンで感染そのものを予防します。診断後は内診・CT・MRI・腎盂尿管造影などでFIGO進行期を決定し、早期は手術、進行期はCCRTで治療方針を選択します。
確認問題(穴埋め)
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- 1.
子宮頸癌の発生原因のほぼすべてを占めるのは、ハイリスク型のの持続感染である。
- 2.
HPV感染の予防として、現在定期接種の標準となっている9価HPVワクチンの製品名はである。
- 3.
子宮頸癌の進行期決定の際、尿管圧迫や水腎症の有無を確認する目的で行われる検査をという。
- 4.
子宮頸癌のFIGO進行期分類で、骨盤壁・膀胱・直腸への浸潤がなく遠隔転移を伴う段階を期という。
- 5.
HPV検査では子宮頸部の細胞からHPVのDNAやRNAを調べるが、陽性であっても確定診断にはが必要である。
- 6.
日本の子宮頸がん検診の対象は歳以上の女性で、2年ごとの受診が推奨されている。
