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子宮頸癌で異常増殖する細胞はどれ?

看護師国家試験 第115午前78

国試問題にチャレンジ

115午前78

子宮頸癌で異常に増殖するのはどれか。

  1. 1.子宮筋細胞
  2. 2.神経芽細胞
  3. 3.線維芽細胞
  4. 4.平滑筋細胞
  5. 5.扁平上皮細胞

対話形式の解説

博士博士
今日は子宮頸癌の発生母地について勉強しよう。問題は『子宮頸癌で異常に増殖するのはどれか』だ。選択肢は子宮筋細胞、神経芽細胞、線維芽細胞、平滑筋細胞、扁平上皮細胞の5つだよ。
サクラサクラ
子宮頸癌って女性のがんでよく聞きます。子宮の入り口にできるんですよね?
博士博士
その通り。子宮は体部(上の広い部分)と頸部(下の細い入り口部分)に分かれていて、子宮頸癌は頸部にできる癌だ。ここで重要なのが、子宮頸部の上皮の構造なんだ。
サクラサクラ
上皮って細胞の覆いですよね。頸部にはどんな上皮があるんですか?
博士博士
外側の腟に近い側は『扁平上皮』、内側の体部寄りは『円柱上皮』で覆われている。その境目を扁平円柱上皮境界、略してSCJと呼ぶんだ。このSCJ付近は細胞分裂が活発で、ちょうど癌が発生しやすい場所なんだよ。
サクラサクラ
なるほど、境目が要注意なんですね。じゃあ答えは扁平上皮細胞ですか?
博士博士
正解は5の扁平上皮細胞だ。子宮頸癌の約7〜8割は扁平上皮癌で、扁平上皮細胞が異常増殖して癌化する。ちなみに残りは腺癌が多いよ。
サクラサクラ
どうして扁平上皮が癌になりやすいんですか?
博士博士
最大の原因はHPV、ヒトパピローマウイルスの持続感染だ。特に16型と18型が高リスク型と呼ばれていて、性交渉で感染し、SCJの扁平上皮細胞に潜伏して異形成を引き起こすんだ。
サクラサクラ
異形成って、いきなり癌になるんじゃないんですね。
博士博士
いい点に気づいたね。CIN(子宮頸部上皮内腫瘍)と呼ばれる段階があって、CIN1(軽度異形成)→CIN2(中等度)→CIN3(高度異形成・上皮内癌)→浸潤癌と進む。だから検診で早期に見つければ円錐切除術などで治せるんだよ。
サクラサクラ
だから子宮頸がん検診が大事なんですね!
博士博士
その通り。20歳以上の女性に2年に1回の細胞診(Pap smear)が推奨されている。さらに最近はHPVワクチンによる一次予防も普及していて、定期接種にもなっているんだ。
サクラサクラ
他の選択肢も整理しておきたいです。子宮筋細胞や平滑筋細胞はどこに関係しますか?
博士博士
子宮筋細胞・平滑筋細胞は子宮筋層の細胞で、ここから発生するのは子宮筋腫や平滑筋肉腫だ。神経芽細胞は小児の神経芽腫、線維芽細胞は線維腫や肉腫の母地で、いずれも子宮頸癌とは無関係だね。
サクラサクラ
ちなみに子宮体癌は何癌なんですか?
博士博士
子宮体癌は子宮内膜の腺細胞由来の『腺癌』が中心で、エストロゲン依存性が強く、肥満・未経産・閉経後出血などがリスクだ。頸癌(扁平上皮癌、HPV関連、若年〜中年)とは病態が全く違うから、セットで区別して覚えよう。

POINT

子宮頸癌の主たる組織型である扁平上皮癌について、異常増殖する細胞種を問う問題である。HPV感染→扁平上皮細胞の異形成→扁平上皮癌という発生機序を理解しているかが問われる。

解答・解説

正解は5です

問題文:子宮頸癌で異常に増殖するのはどれか。

解説:正解は5の扁平上皮細胞である。子宮頸癌は子宮の入り口(頸部)に発生する悪性腫瘍で、組織型としては扁平上皮癌が約7〜8割を占め最も多い。子宮頸部の外側(腟側)は扁平上皮で覆われ、内側(子宮体部側)は円柱上皮で覆われており、その境目である扁平円柱上皮境界(SCJ)は細胞分裂が活発で、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染と持続感染を契機に異形成(CIN: 子宮頸部上皮内腫瘍)を経て扁平上皮癌へと進展する。したがって、子宮頸癌で異常増殖する細胞は扁平上皮細胞である。なお近年は腺癌の比率も増加傾向にあるが、国試レベルでは『子宮頸癌=扁平上皮癌』が原則として押さえられる。

選択肢考察

  1. ×1.  子宮筋細胞

    子宮筋細胞は子宮の筋層を構成する細胞で、ここから発生するのは子宮筋腫(良性)や子宮肉腫(悪性、稀)であり、子宮頸癌の主体ではない。

  2. ×2.  神経芽細胞

    神経芽細胞は神経系の未熟細胞で、神経芽腫(小児の副腎髄質・交感神経節などに発生)の起源となる。子宮頸部の組織構成とは無関係である。

  3. ×3.  線維芽細胞

    線維芽細胞は結合組織を構成しコラーゲンを産生する細胞で、線維腫や線維肉腫の起源となるが、子宮頸癌の発生母地ではない。

  4. ×4.  平滑筋細胞

    平滑筋細胞は子宮筋層・消化管・血管壁などに分布する。子宮平滑筋腫や平滑筋肉腫の起源にはなるが、子宮頸癌では異常増殖する主体ではない。

  5. 5.  扁平上皮細胞

    子宮頸部の扁平円柱上皮境界(SCJ)付近の扁平上皮細胞がHPV感染を契機に異形成を経て癌化する。子宮頸癌の最も多い組織型は扁平上皮癌である。

子宮頸癌の最大のリスク因子はHPV(特に16型、18型などの高リスク型)の持続感染で、性交渉により感染するためHPVワクチンによる一次予防と、子宮頸部細胞診(Pap smear)による二次予防が重要である。検診では『軽度異形成(CIN1)→中等度(CIN2)→高度異形成・上皮内癌(CIN3)→浸潤癌』という段階で進行することを念頭に置く。一方、子宮体癌は子宮内膜の腺細胞由来の『腺癌』が中心でエストロゲン依存性が強く、リスク因子・好発年齢・予防戦略が頸癌と全く異なる点を区別して覚えること。覚え方は『頸部は外側で扁平上皮=扁平上皮癌、体部は内膜で腺=腺癌』。

子宮頸癌の主たる組織型である扁平上皮癌について、異常増殖する細胞種を問う問題である。HPV感染→扁平上皮細胞の異形成→扁平上皮癌という発生機序を理解しているかが問われる。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。