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貧血の定義と診断指標

成人看護学 / 血液・免疫・膠原病

解説

貧血とは、血液中のヘモグロビン(Hb)濃度が基準値以下に減少した状態をいいます。今回は貧血の定義とその診断に用いられる血液検査指標、赤血球指数による分類について解説します。看護師国家試験では「貧血の定義」「WHOの基準値」「MCVによる分類」が頻出ですので、基礎から順に整理していきましょう。

貧血の定義

貧血と聞くと「めまいでふらつく状態」を思い浮かべがちですが、医学的な定義はあくまで検査値に基づきます。すなわち、血液中のヘモグロビン濃度が基準値を下回った状態を貧血と呼びます。赤血球数やヘマトクリット値の低下も参考になりますが、診断の中心はヘモグロビン濃度です。

ヘモグロビンは赤血球内に存在する鉄を含むタンパク質で、1分子につき4分子の酸素と結合し、肺から全身組織へ酸素を運搬する役割を担います。したがってヘモグロビンが減少すると組織への酸素供給が不足し、全身倦怠感、めまい、頭痛、動悸、息切れ、顔面・眼瞼結膜の蒼白、易疲労感、労作時呼吸困難などの症状が現れます。

WHOによる貧血の診断基準

世界保健機関(WHO)は、ヘモグロビン濃度による貧血の基準値を定めています。成人男性では13g/dL未満成人女性では12g/dL未満妊婦および幼児では11g/dL未満、高齢者ではおおむね11g/dL未満が貧血とされます。性別や年齢、生理的状態によって基準が異なる点を押さえておきましょう。

貧血の診断に用いる血液検査

貧血の診断と分類には、ヘモグロビン濃度に加えて複数の検査項目を組み合わせます。**赤血球数(RBC)**は成人男性で約500万/μL、成人女性で約450万/μLが基準で、骨髄での赤血球産生の状況を反映します。**ヘマトクリット値(Ht)**は全血液量に占める赤血球容積の割合で、成人男性40〜50%、成人女性35〜45%が基準です。

さらに赤血球の大きさやヘモグロビン含有量を示す指標として赤血球指数があります。**MCV(平均赤血球容積)**はHt÷RBC×10で求められ、基準値は80〜100fLです。**MCH(平均赤血球ヘモグロビン量)**はHb÷RBC×10で27〜33pg、**MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)**はHb÷Ht×100で32〜36%が基準です。また網状赤血球数は骨髄における赤血球産生能の指標となります。

MCVによる貧血の分類

貧血はMCVの値によって三つに分類され、原因疾患の鑑別に役立ちます。小球性低色素性貧血はMCVが80未満で、鉄欠乏性貧血、サラセミア、慢性炎症に伴う貧血が代表的です。正球性正色素性貧血はMCVが80〜100で、再生不良性貧血、溶血性貧血、急性出血、腎性貧血などがあります。大球性貧血はMCVが100を超える状態で、ビタミンB12欠乏による悪性貧血や葉酸欠乏による巨赤芽球性貧血が代表です。

鉄に関する検査と看護のポイント

鉄欠乏性貧血が疑われる場合は、血清鉄、貯蔵鉄を反映するフェリチン、総鉄結合能(TIBC)、トランスフェリン飽和度を測定します。フェリチン低値は鉄欠乏の早期指標として重要です。

看護では、貧血症状のアセスメントとあわせて、めまいによる転倒予防、活動と休息のバランス調整、原因に応じた栄養指導が中心となります。鉄欠乏性貧血では鉄分とビタミンCの同時摂取、巨赤芽球性貧血ではビタミンB12や葉酸の補給が指導内容となります。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    貧血とは血液中の濃度が基準値以下に減少した状態である。

  2. 2.

    WHOの基準では成人男性のヘモグロビン濃度がg/dL未満を貧血とする。

  3. 3.

    WHOの基準では成人女性のヘモグロビン濃度がg/dL未満を貧血とする。

  4. 4.

    WHOの基準では妊婦および幼児のヘモグロビン濃度がg/dL未満を貧血とする。

  5. 5.

    MCVが80未満の貧血を貧血といい、鉄欠乏性貧血が代表である。

  6. 6.

    MCVが100を超える貧血を貧血といい、ビタミンB12欠乏や葉酸欠乏が原因となる。

  7. 7.

    全血液量に占める赤血球容積の割合を示す検査値をという。

  8. 8.

    鉄欠乏性貧血の評価において貯蔵鉄を反映する血液検査項目はである。

貧血の定義と診断指標」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。