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シェーグレン症候群と皮膚筋炎

成人看護学 / 血液・免疫・膠原病

解説

今回はシェーグレン症候群と皮膚筋炎について解説します。

自己免疫疾患と膠原病

自己免疫疾患とは、本来は外敵から身体を守るはずの免疫システムが、誤って自分自身の組織を攻撃してしまう病気の総称です。そのうち全身の結合組織(皮膚・関節・血管・筋肉など)に慢性炎症を起こす疾患群を膠原病と呼びます。代表的な膠原病には、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、強皮症、多発性筋炎・皮膚筋炎、そして今回扱うシェーグレン症候群などがあります。膠原病は中年女性に多く、自己抗体の検出が診断の手がかりとなる点が共通する特徴です。

シェーグレン症候群

シェーグレン症候群とは、涙腺と唾液腺を中心とした外分泌腺に慢性的にリンパ球が浸潤し、分泌機能が低下する自己免疫疾患です。指定難病に指定されており、中年女性に好発します。

病態と主症状

外分泌腺の組織にCD4陽性T細胞を中心としたリンパ球が集まり、慢性炎症によって腺組織が破壊されることで分泌が低下します。涙腺が障害されると涙が出にくくなり**乾性角結膜炎(ドライアイ)を、唾液腺が障害されると口腔乾燥(ドライマウス)**を生じます。眼の異物感や乾き、口の渇き、味覚異常、虫歯の急増などが代表的な訴えです。

診断と分類

血液検査では抗SS-A/Ro抗体抗SS-B/La抗体という特異的な自己抗体が陽性となります。涙液量を評価するSchirmer(シルマー)試験、角結膜の障害を見るローズベンガル染色、唾液腺造影、ガムテストによる唾液分泌量測定、そして口唇生検によるリンパ球集簇(focus score 1以上)の確認などを組み合わせて診断します。他の膠原病を伴わないものを一次性、関節リウマチやSLEなど他の膠原病に合併するものを二次性シェーグレン症候群といいます。

看護と合併症

看護のポイントは、症状緩和と合併症予防です。眼には人工涙液の点眼、口腔には頻回の含嗽(うがい)、こまめな水分摂取、保湿剤や人工唾液の使用を促します。室内は加湿し、齲歯(むし歯)や口腔カンジダ症を防ぐため口腔ケアを徹底します。長期経過では悪性リンパ腫の発生リスクが高まることが知られており、リンパ節腫脹などに注意が必要です。

皮膚筋炎

皮膚筋炎とは、近位筋優位の筋力低下を起こす多発性筋炎に、特徴的な皮膚症状を伴う自己免疫性の筋疾患です。

筋症状と皮膚所見

筋症状としては、肩や大腿などの近位筋を中心に左右対称性の筋力低下が現れ、立ち上がり、階段昇降、頭髪を結う動作が困難になります。進行すると嚥下障害も生じます。皮膚所見では、上眼瞼に浮腫性の紫紅色紅斑が出るヘリオトロープ疹と、手指関節背側に角化性の紅斑が出るゴットロン徴候が特徴的で、国試頻出です。ヘリオトロープとは紫紅色の花の名前で、上眼瞼の色調を表しています。

検査と合併症

採血では筋崩壊を反映してCK(クレアチンキナーゼ)、アルドラーゼ、LDHが上昇します。筋電図、MRI、筋生検も診断に用いられます。合併症としては診断時の約15〜25%に悪性腫瘍が併存するため、全身の腫瘍検索が必須です。また間質性肺炎を高頻度に合併し、特に抗MDA5抗体が陽性の症例では急速進行性となり予後を大きく左右します。治療はステロイドが中心で、免疫抑制薬や、重症例では免疫グロブリン大量療法が併用されます。

他の膠原病との鑑別

膠原病ではそれぞれ特徴的な皮膚所見が出るため、鑑別が重要です。SLEでは頬部にチョウの羽のような蝶形紅斑やディスコイド疹がみられ、強皮症では手指のレイノー現象や皮膚硬化が中心となります。皮膚筋炎のヘリオトロープ疹・ゴットロン徴候とは部位も性状も異なる点を整理しておきましょう。

まとめ

シェーグレン症候群は涙腺・唾液腺へのリンパ球浸潤によりドライアイとドライマウスを呈する自己免疫疾患で、抗SS-A/SS-B抗体とシルマー試験が診断の鍵となり、悪性リンパ腫のリスクに注意します。皮膚筋炎は近位筋の筋力低下に加え、上眼瞼のヘリオトロープ疹と手指関節背側のゴットロン徴候が特徴で、悪性腫瘍と間質性肺炎の合併に注意が必要です。膠原病ごとの皮膚所見と特異抗体を結びつけて覚えることが国試対策の要となります。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    涙腺と唾液腺に慢性的なリンパ球浸潤が生じ、ドライアイとドライマウスを主症状とする自己免疫疾患をという。

  2. 2.

    シェーグレン症候群で陽性となる代表的な特異抗体は、抗SS-B/La抗体とである。

  3. 3.

    シェーグレン症候群の涙液分泌量を評価する検査はである。

  4. 4.

    シェーグレン症候群では長期経過においての発生リスクが高まるため注意が必要である。

  5. 5.

    皮膚筋炎にみられる、上眼瞼の浮腫性紫紅色紅斑をという。

  6. 6.

    皮膚筋炎で手指関節背側に出現する角化性紅斑をという。

  7. 7.

    皮膚筋炎では診断時に約15〜25%の頻度でが合併するため、全身の腫瘍検索が必須である。

  8. 8.

    皮膚筋炎の予後を左右する重要な合併症で、特に抗MDA5抗体陽性例で急速進行性となるのはである。

  9. 9.

    SLEで頬部にみられる、チョウの羽のような形の紅斑をという。

シェーグレン症候群と皮膚筋炎」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。