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血液成分と体液の特性

人体の構造・機能 / 免疫・血液・感染

解説

今回は血液の成分と体液の特性について解説します。

血液の構成

血液は液体成分の血漿と細胞成分の血球からなります。血球には赤血球・白血球・血小板の3種類があります。

赤血球

赤血球は骨髄の赤芽球が成熟する過程で核を失う(脱核する)ため、末梢血中では無核であり、両凹円盤状の形をしています。核がない分の内部空間をヘモグロビンで満たし、効率よく酸素を運搬します。基準値は約450〜500万/μLで、寿命は約120日、老化した赤血球は脾臓で破壊されます。赤血球の産生は腎臓で作られるエリスロポエチンによって促進されます。ヘモグロビン濃度の基準値は男性13〜17g/dL、女性11〜15g/dLで、これより低下すると貧血となります。

白血球と血小板

白血球は核を有する細胞で、顆粒球(好中球・好酸球・好塩基球)、単球、リンパ球に分かれ、免疫機能を担います。基準値は4,000〜9,000/μLです。血小板は巨核球の細胞質がちぎれてできる断片で無核、止血機能を担い、基準値は15〜40万/μLです。

ビリルビンの由来

寿命を迎えた赤血球が脾臓で破壊されると、ヘモグロビンのヘム部分が代謝されてビリルビンという黄色の胆汁色素になります。脾臓で生じた間接ビリルビンは肝臓に運ばれてグルクロン酸抱合を受け直接ビリルビンとなり、胆汁中に排泄され、腸管でウロビリノーゲンに還元されて糞便(ステルコビリン)や尿(ウロビリン)として排泄されます。溶血が進む病態では間接ビリルビン優位(溶血性黄疸)、胆道閉塞では直接ビリルビン優位(閉塞性黄疸)となります。

血漿タンパク質

血漿に含まれる主なタンパク質にはアルブミン、グロブリン、フィブリノーゲン、各種凝固因子があります。これらのうち、免疫グロブリン(γグロブリン)は形質細胞で作られますが、それ以外の血漿タンパクの大部分は肝臓で合成されます。そのため血清アルブミン値は肝臓の合成能を反映する指標として用いられ、肝硬変などでは低下します。

膠質浸透圧

膠質浸透圧は、血漿タンパク質、特にアルブミンが作り出す浸透圧です。アルブミンは分子量が大きく毛細血管壁を通過できないため、血管内に水分を保持する力として働き、約25mmHgの圧を生み出します。低アルブミン血症(ネフローゼ症候群、肝硬変、低栄養など)では膠質浸透圧が低下し、水分が血管外へ移動して浮腫腹水を生じます。一方、Na・Cl・ブドウ糖など小分子が作る浸透圧は結晶浸透圧と呼ばれ、約280〜290mOsm/Lです。

体液の区分

成人の体液は体重の約60%を占め、細胞内液細胞外液に大別されます。両者の比はおよそ2:1で、細胞内液が体重の約40%、細胞外液が体重の約20%を占めます。細胞外液はさらに、毛細血管内を流れる血漿(体重の約5%)と、細胞の周囲を満たす間質液(体重の約15%)に分けられ、リンパ液も細胞外液(間質液)に分類されます。細胞内液は**K⁺やリン酸が多く、細胞外液はNa⁺**やCl⁻が多いという電解質組成の違いがあります。

血漿の電解質組成

血漿の主な電解質は陽イオンと陰イオンに分けられ、合計で電気的中性が保たれています。陽イオンではNa⁺が最も多く約142mEq/L、次いでK⁺4、Ca²⁺5、Mg²⁺2mEq/L。陰イオンではCl⁻が最も多く約103mEq/L、次いでHCO₃⁻約27mEq/L、タンパク約16mEq/Lの順となります。重炭酸イオン(HCO₃⁻)は酸塩基平衡の主要な緩衝系を担います。

脱水の分類

体液喪失のしかたによって脱水は分類されます。

一次脱水(水欠乏型・高張性脱水)

発汗過多、発熱、不感蒸泄増加、尿崩症、水分摂取不足などで主にが失われた状態です。細胞外液のNa濃度と血漿浸透圧が上昇し、浸透圧受容体が刺激されてバソプレシン(ADH)分泌が亢進、腎集合管で水再吸収が促進されて尿量は減少します。同時に口渇が強まります。高齢者は口渇中枢の感受性が低下しており、一次脱水に陥りやすいため水分補給の声かけが重要です。

二次脱水(Na欠乏型・低張性脱水)

嘔吐・下痢・利尿薬過剰・アジソン病などでNaが多く失われた状態で、循環血漿量減少から血圧低下・倦怠感・低Na血症がみられます。

まとめ

血液は血漿と血球からなり、赤血球は無核でヘモグロビンによる酸素運搬を担い、白血球は免疫、血小板は止血を担います。血漿タンパクの大部分は肝臓で合成され、アルブミンによる膠質浸透圧が血管内の水分保持と浮腫予防に関わります。脱水は喪失成分により一次(水欠乏・高張性)と二次(Na欠乏・低張性)に分けられ、それぞれの所見の違いを押さえることが看護アセスメントの基本となります。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    赤血球は骨髄での成熟過程で核を失うため、末梢血中ではの状態でヘモグロビンによる酸素運搬を担う。

  2. 2.

    腎臓で産生され、骨髄での赤血球産生を促進するホルモンをという。

  3. 3.

    血漿タンパク質のうち免疫グロブリン(γグロブリン)以外の大部分を合成している臓器はである。

  4. 4.

    血漿中で水分を血管内に保持する力として働く浸透圧で、主にアルブミンによって生み出される圧をという。

  5. 5.

    ビリルビンは寿命を迎えた赤血球が脾臓などで破壊される際、のヘム部分が代謝されて生じる胆汁色素である。

  6. 6.

    血漿中で最も多い陽イオンはで、約142mEq/Lを占める。

  7. 7.

    血漿中の陰イオンで最も多いのは塩化物イオン(Cl⁻)、2番目に多いのが酸塩基平衡の緩衝系を担うである。

  8. 8.

    発汗過多や水分摂取不足などにより主に水が失われ、血漿浸透圧上昇とADH分泌亢進、尿量減少、口渇を呈する脱水をという。

  9. 9.

    ネフローゼ症候群や肝硬変で血清アルブミンが低下すると、膠質浸透圧の低下により水分が血管外へ移動しや腹水を生じる。

  10. 10.

    成人の体液は体重の約%を占め、細胞内液と細胞外液に大別される。

  11. 11.

    体液のうち細胞内液と細胞外液の比はおよそであり、細胞内液のほうが多い。

  12. 12.

    細胞外液は毛細血管内の血漿と、細胞の周囲を満たすに分けられ、リンパ液も細胞外液に分類される。

血液成分と体液の特性」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。