StudyNurse

体液のコンパートメント整理 〜間質液・血漿・細胞内液を見分けよう〜

看護師国家試験 第115午前75

国試問題にチャレンジ

115午前75

体液について正しいのはどれか。

  1. 1.血漿は細胞内液である。
  2. 2.間質液は細胞外液である。
  3. 3.リンパは細胞内液である。
  4. 4.体液は体重の30%である。
  5. 5.細胞外液の方が細胞内液より多い。

対話形式の解説

博士博士
今日は体液の分布についての問題じゃ。115回午前75番、「体液について正しいのはどれか」、選択肢は5つあるぞ。
サクラサクラ
血漿が細胞内液とか、間質液が細胞外液とか、コンパートメント分類を問う問題ですね。
博士博士
そうじゃ。まず大原則として、体液は体重の何%を占めると習ったかの?
サクラサクラ
えーと、成人で約60%でしたよね。だから選択肢4「体液は体重の30%」はすぐに×だと分かります。
博士博士
正解じゃ。30%は脂肪量に近い数字で、混同しやすいから注意が必要じゃな。乳児はもっと多くて70〜80%、高齢者は筋肉量が減るぶん50%程度まで下がるぞ。
サクラサクラ
年齢で水分量が変わるのは、脱水になりやすさにも関係しますよね。乳児や高齢者は脱水リスクが高いと習いました。
博士博士
ええ視点じゃ。さて、その60%の体液をさらに分けるとどうなる?
サクラサクラ
細胞内液(ICF)と細胞外液(ECF)に分かれて、内液:外液=2:1の割合でした。だから体重比で言うと細胞内液が40%、細胞外液が20%ですね。
博士博士
そのとおり。となると選択肢5「細胞外液の方が細胞内液より多い」は逆じゃから×じゃな。
サクラサクラ
はい、細胞内液の方が圧倒的に多いです。
博士博士
次に細胞外液の中身じゃ。これがさらに3つに分かれるが、覚えておるか?
サクラサクラ
血漿、間質液、それと経細胞液(リンパ液や脳脊髄液、関節液など)の3つです。血管の中が血漿、血管の外で細胞のまわりが間質液、というイメージで覚えています。
博士博士
見事じゃ。だから選択肢1「血漿は細胞内液」は×、血漿は血管内の細胞外液じゃ。選択肢3「リンパは細胞内液」も×、リンパ液は間質液がリンパ管に取り込まれたもので由来も細胞外液じゃな。
サクラサクラ
残った選択肢2「間質液は細胞外液である」が正解ですね。これが体液分類の基本中の基本です。
博士博士
そのとおり、正解は2じゃ。間質液は毛細血管壁を介して血漿と絶えず物質交換しておって、細胞に酸素や栄養を届け、老廃物を引き取る大事な働きをしておる。
サクラサクラ
臨床で浮腫が出るのは、この間質液が増えた状態ですよね。
博士博士
ええところに気づいたな。心不全や低アルブミン血症、リンパ還流障害などで間質液が貯留すると浮腫になる。輸液との関連も国試で問われるぞ。
サクラサクラ
生理食塩液とリンゲル液は細胞外液を補充して、5%ブドウ糖液は代謝後に自由水として細胞内まで届く、というやつですね。
博士博士
そうじゃ。脱水のタイプ別輸液選択にもつながる重要知識じゃ。コンパートメントを意識して輸液を選ぶ習慣をつけておくとよいぞ。

POINT

体液は体重の約60%を占め、細胞内液(約2/3)と細胞外液(約1/3)に分けられ、血漿・間質液・リンパ液はいずれも細胞外液に属します。

解答・解説

正解は2です

問題文:体液について正しいのはどれか。

解説:正解は2の「間質液は細胞外液である」です。体液は人体を循環する水分とそこに溶けた電解質・タンパク質・代謝産物などの総称で、存在する部位によって細胞内液(ICF:intracellular fluid)と細胞外液(ECF:extracellular fluid)に大別されます。細胞外液はさらに、血管内の血漿(plasma)、血管外で細胞間隙を満たす間質液(interstitial fluid)、そしてリンパ管内のリンパ液や脳脊髄液・関節液などの経細胞液(third space)に分けられます。間質液は毛細血管壁を介して血漿と物質交換を行いながら、細胞のすぐ外側で酸素・栄養素を供給し老廃物を受け取る役割を担っており、定義上明らかに細胞外液に分類されます。

選択肢考察

  1. ×1.  血漿は細胞内液である。

    血漿は血管内(血管腔)に存在する液体で、細胞外液の一部です。細胞内液は細胞膜の内側にある液体を指すため、血漿は該当しません。

  2. 2.  間質液は細胞外液である。

    間質液は細胞と細胞の隙間(組織間隙)を満たす液体で、血漿とともに細胞外液を構成します。毛細血管との間で水分・電解質・酸素のやり取りを行い、細胞の内部環境を整えています。

  3. ×3.  リンパは細胞内液である。

    リンパ液は間質液がリンパ管に取り込まれたもので、由来も組成も細胞外液です。細胞膜の内側にあるわけではないため細胞内液ではありません。

  4. ×4.  体液は体重の30%である。

    成人の体液量は体重の約60%を占めます。乳児では約70〜80%、高齢者では約50%とライフステージで変動しますが、いずれも30%ではありません。

  5. ×5.  細胞外液の方が細胞内液より多い。

    体液のうち約2/3が細胞内液、約1/3が細胞外液で、細胞内液の方が多くなっています。成人で体重の約40%が細胞内液、約20%が細胞外液です。

体液の覚え方として「60-40-20の法則」が便利です。すなわち体液全体が体重の60%、細胞内液が40%、細胞外液が20%(うち間質液15%、血漿5%)。脱水の分類でも、Na喪失が主体なら細胞外液が減少(低張性脱水)、水喪失が主体なら細胞内外双方が脱水(高張性脱水)といった具合に、コンパートメントごとの理解が臨床判断の鍵となります。輸液選択でも、生理食塩液は細胞外液を補充し、5%ブドウ糖液は代謝されると自由水として全身に分布するため細胞内液まで届く、という違いを押さえておきましょう。

体液は体重の約60%を占め、細胞内液(約2/3)と細胞外液(約1/3)に分けられ、血漿・間質液・リンパ液はいずれも細胞外液に属します。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。