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乳癌の正しい知識をアップデートしよう

看護師国家試験 第104回 午前 第30問 / 成人看護学 / がん看護

国試問題にチャレンジ

104回 午前 第30問

乳癌(breast cancer)について正しいのはどれか。

  1. 1.乳房の内側に多い。
  2. 2.有痛性の腫瘤が特徴である。
  3. 3.エストロゲン補充療法を行う。
  4. 4.センチネルリンパ節生検により郭清する範囲を決める。

対話形式の解説

博士 博士

今日は乳癌に関する基本問題じゃ。正解はどれかの?

アユム アユム

センチネルリンパ節生検で郭清範囲を決める、ですよね。

博士 博士

その通りじゃ。センチネルとは「見張り」という意味で、最初にリンパが流れ込む節じゃ。

アユム アユム

ここに転移がなければ郭清を省略できるんですね。

博士 博士

そうじゃ。腋窩郭清を避ければ上肢リンパ浮腫のリスクが減るからの。

アユム アユム

乳癌は乳房のどこに多いんでしょう?

博士 博士

外側上部じゃ。腋窩寄りの上方四分円が約半数を占めるんじゃ。

アユム アユム

腫瘤は痛いんでしょうか?

博士 博士

典型的には無痛性じゃ。だからこそ自己検診で「しこりに気づいたか」が大事じゃ。

アユム アユム

エストロゲン補充療法はどうしてダメなんですか?

博士 博士

ホルモン受容体陽性の乳癌ではエストロゲンが増殖を促す。だから補充ではなく抑制するんじゃ。

アユム アユム

タモキシフェンやアロマターゼ阻害薬ですね。

博士 博士

さよう。閉経前後で使い分けるのも押さえておくとよい。

アユム アユム

術後のケアで気をつけることは?

博士 博士

患側上肢のリンパ浮腫予防じゃ。重い物を持たない、採血や血圧測定を健側で行うなどが基本じゃ。

アユム アユム

サブタイプによって治療が違うとも聞きました。

博士 博士

ER/PgR/HER2/Ki-67の組合せで治療方針が決まる。サブタイプ別に整理しておこう。

アユム アユム

総合的に学べました、ありがとうございます!

POINT

乳癌は外側上部に多く、無痛性の硬いしこりが典型です。エストロゲンは増殖を促進するため補充療法は禁忌で、抗エストロゲン療法が用いられます。センチネルリンパ節生検は郭清範囲決定の指標で、術後リンパ浮腫の予防にもつながる重要な手技です。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:乳癌(breast cancer)について正しいのはどれか。

解説:正解は4のセンチネルリンパ節生検により郭清する範囲を決めるです。センチネルリンパ節とは原発巣からリンパ流が最初に到達する見張り役のリンパ節で、ここに転移がなければ腋窩リンパ節郭清を省略でき、上肢リンパ浮腫など術後合併症を減らせます。

選択肢考察

  1. × 1.  乳房の内側に多い。

    乳癌は乳房を四分割した際の外側上部(腋窩寄りの上方)に最も多く発生します。乳腺組織が豊富な部位が好発部位です。

  2. × 2.  有痛性の腫瘤が特徴である。

    乳癌の腫瘤は無痛性で硬く可動性に乏しいのが典型的です。痛みを伴わないため発見が遅れることもあり、自己検診や検診マンモグラフィが重要です。

  3. × 3.  エストロゲン補充療法を行う。

    ホルモン受容体陽性乳癌ではエストロゲンが増殖を促進するため、抗エストロゲン療法(タモキシフェンなど)やアロマターゼ阻害薬を用います。エストロゲン補充は禁忌です。

  4. 4.  センチネルリンパ節生検により郭清する範囲を決める。

    センチネルリンパ節に転移がなければ腋窩郭清を省略し、転移があれば郭清を追加するなど、リンパ節郭清範囲決定の指標として用いられます。

乳癌は日本人女性で罹患率第1位のがんです。好発部位は外側上部、無痛性のしこり、皮膚陥凹(えくぼ徴候)、乳頭分泌などが症状です。診断はマンモグラフィ・超音波・針生検、治療はサブタイプ(ER/PgR/HER2/Ki-67)に基づき手術・放射線・化学療法・内分泌療法・分子標的薬を組み合わせます。術後は患側上肢のリンパ浮腫予防が重要です。

乳癌の好発部位、症状、治療方針(特にセンチネルリンパ節生検)の理解を問う問題です。