舌癌の特徴を整理しよう
看護師国家試験 第111回 午後 第82問 / 成人看護学 / がん看護
国試問題にチャレンジ
舌癌(tongue cancer)について正しいのはどれか。
- 1.癌全体に対する発症頻度は約10%である。
- 2.発症年齢は20歳代が多い。
- 3.好発部位は舌尖である。
- 4.浸潤は起こさない。
- 5.扁平上皮癌が多い。
対話形式の解説
博士
今日は舌癌について学ぶぞ。口腔癌の中で最も頻度が高いのが舌癌じゃ。
アユム
先生、舌癌は全がんの中でどれくらいの割合なんですか?
博士
全悪性腫瘍の1〜2%程度じゃ。選択肢1の10%というのは過大評価じゃな。
アユム
好発年齢はどうですか?
博士
50〜70歳代に多く、男性に多い。20歳代は極めて稀じゃから選択肢2は誤りじゃ。
アユム
好発部位はどこでしょう?
博士
舌縁、つまり舌の側面じゃ。歯列と接触して慢性的な刺激を受けやすい部位での発生が多い。選択肢3の舌尖は誤りじゃな。
アユム
浸潤についてはどうでしょうか?
博士
舌癌は悪性腫瘍じゃから、当然浸潤や転移を起こす。特に頸部リンパ節転移が多いことで有名じゃ。選択肢4は明らかに誤り。
アユム
では正解は5の扁平上皮癌ですね。
博士
その通り。舌の粘膜は重層扁平上皮で覆われているので、そこから発生する癌の90%以上が扁平上皮癌になる。
アユム
危険因子も教えてください。
博士
喫煙・飲酒・口腔不衛生・不適合義歯や鋭利な歯による慢性機械的刺激が主な因子じゃ。HPV感染も関与する。
アユム
早期発見のポイントは?
博士
治らない舌の潰瘍、白斑(白板症)、紅斑は要注意じゃ。2週間以上続く舌の異常は受診を勧めるべきじゃな。
アユム
看護ケアで気をつけることは?
博士
術後は構音・嚥下障害への対応、口腔ケア、疼痛管理が重要になる。放射線治療後は口内炎・味覚障害・唾液分泌低下のケアも欠かせぬ。
POINT
舌癌は口腔癌の中で最も頻度が高いが、全悪性腫瘍に占める割合は1〜2%程度である。50〜70歳代の男性に多く、好発部位は舌縁で、組織型は扁平上皮癌が90%以上を占める。悪性腫瘍であるため浸潤・転移を起こし、喫煙・飲酒・慢性刺激が主な危険因子となる。本問は舌癌の基本的疫学と組織学的特徴の理解を問うている。
解答・解説
正解は 5 です
問題文:舌癌(tongue cancer)について正しいのはどれか。
解説:正解は 5 です。舌癌は口腔癌の中で最も頻度が高く、口腔癌全体の約半数を占めますが、全悪性腫瘍に占める割合は1〜2%程度に留まります。好発年齢は50〜70歳代で、男性に多く発症します。好発部位は舌縁(側縁部)で、喫煙・飲酒・口腔不衛生・慢性機械的刺激などが危険因子です。組織型は扁平上皮癌が90%以上を占めます。
選択肢考察
-
× 1. 癌全体に対する発症頻度は約10%である。
舌癌は全悪性腫瘍の1〜2%程度にすぎず、10%は過大である。
-
× 2. 発症年齢は20歳代が多い。
舌癌の好発年齢は50〜70歳代で、加齢とともに発症頻度が上昇する。
-
× 3. 好発部位は舌尖である。
好発部位は舌縁(側縁部)で、歯列との接触による慢性刺激が発症に関与する。舌尖や舌背には稀である。
-
× 4. 浸潤は起こさない。
悪性腫瘍である舌癌は周囲組織への浸潤や頸部リンパ節転移を起こす。浸潤・転移を起こさないのは良性腫瘍である。
-
○ 5. 扁平上皮癌が多い。
舌の粘膜は重層扁平上皮で構成されており、舌癌の90%以上が扁平上皮癌である。
舌癌の危険因子は喫煙・飲酒・口腔不衛生・不適合義歯や鋭利な歯による慢性刺激・HPV感染などである。早期症状は舌縁の白斑・紅斑・潰瘍で、痛みや出血が契機で受診することが多い。治療は手術(舌部分切除〜半側切除)・放射線療法(小線源治療含む)・化学療法が組み合わされる。
舌癌の疫学(頻度・好発年齢・好発部位)と組織学的特徴を理解しているかを問う問題である。
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