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生活習慣病と肺気腫(COPD)

看護師国家試験 第107回 午前 第42問 / 成人看護学 / 健康の保持・増進と疾病の予防

国試問題にチャレンジ

107回 午前 第42問

生活習慣が発症に関連している疾患はどれか。

  1. 1.肺気腫( pulmonary emphysema )
  2. 2.1型糖尿病( type 1 diabetes mellitus )
  3. 3.肥大型心筋症( hypertrophic cardiomyopathy )
  4. 4.重症筋無力症( myasthenia gravis )

対話形式の解説

博士 博士

今日は生活習慣病の問題じゃ。お主、生活習慣病とはどう定義されておるか知っておるかの?

アユム アユム

はい、食事、運動、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が発症や進行に関与する疾患群、ですよね。

博士 博士

見事じゃ。選択肢の中で生活習慣と最も関係が深いのはどれじゃ?

アユム アユム

肺気腫だと思います。喫煙との関連が非常に強いと習いました。

博士 博士

その通り。肺気腫と慢性気管支炎を合わせてCOPD、慢性閉塞性肺疾患と呼ぶのじゃ。主因は喫煙で、COPD患者の9割以上が喫煙者か元喫煙者じゃぞ。

アユム アユム

肺胞が壊れてガス交換ができなくなるんですよね。

博士 博士

そうじゃ。喫煙によりマクロファージや好中球から放出されるエラスターゼなどのプロテアーゼが肺胞壁を破壊してしまう。プロテアーゼ・アンチプロテアーゼのバランス崩壊が鍵じゃ。

アユム アユム

症状としては労作時の呼吸困難、慢性の咳と痰、ビヤ樽状胸郭、口すぼめ呼吸などですね。

博士 博士

覚えておるな。1型糖尿病はどうじゃ?

アユム アユム

1型は自己免疫で膵β細胞が壊されてインスリンが出なくなる病気ですよね。生活習慣とは関係ありません。

博士 博士

うむ。2型糖尿病と混同しないよう注意じゃ。肥大型心筋症はどうじゃ?

アユム アユム

サルコメア蛋白の遺伝子変異が原因で、家族性に発症することが多いと習いました。若年者の突然死の原因にもなりますよね。

博士 博士

鋭いの。そして重症筋無力症は?

アユム アユム

アセチルコリン受容体に対する自己抗体による自己免疫疾患で、眼瞼下垂や易疲労性、日内変動が特徴です。胸腺腫を伴うこともあります。

博士 博士

完璧じゃ。COPDは日本に530万人ほどおると推計される国民病じゃ。禁煙指導は看護師の重要な役割と心得よ。

アユム アユム

保健指導でもよく出てきますね。しっかり押さえておきます。

POINT

生活習慣病とは食事・運動・休養・喫煙・飲酒などの生活習慣が発症に関与する疾患群を指し、肺気腫を含むCOPDは喫煙が最大の危険因子である代表的な生活習慣病です。一方、1型糖尿病と重症筋無力症は自己免疫疾患、肥大型心筋症は遺伝子変異が主因であり、いずれも生活習慣とは結びつきません。COPDは日本でも罹患率が高く、禁煙は唯一確立した進行抑制策です。看護師は保健指導を通じて禁煙支援を行う役割が求められます。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:生活習慣が発症に関連している疾患はどれか。

解説:正解は1の肺気腫です。肺気腫は慢性気管支炎とあわせて慢性閉塞性肺疾患(COPD)の範疇に含まれる疾患で、長期にわたる喫煙が最大の危険因子です。喫煙によりプロテアーゼとアンチプロテアーゼのバランスが崩れ、肺胞壁が破壊されて不可逆的に拡張し、ガス交換面積が減少します。その結果、労作時呼吸困難、慢性的な咳嗽・喀痰、ビヤ樽状胸郭、口すぼめ呼吸といった特徴的な所見を呈します。COPDは「肺の生活習慣病」とも呼ばれ、厚生労働省の健康日本21においても重要な対策対象疾患に位置づけられています。

選択肢考察

  1. 1.  肺気腫( pulmonary emphysema )

    肺気腫の最大の危険因子は喫煙で、COPD全体の90%以上が喫煙に起因するとされます。生活習慣(喫煙習慣)と強く結びついた代表的な疾患です。

  2. × 2.  1型糖尿病( type 1 diabetes mellitus )

    1型糖尿病は自己免疫機序により膵β細胞が破壊されインスリン分泌が絶対的に不足する疾患で、生活習慣とは無関係に発症します。生活習慣と関連するのは2型糖尿病です。

  3. × 3.  肥大型心筋症( hypertrophic cardiomyopathy )

    肥大型心筋症はサルコメア構成蛋白をコードする遺伝子変異が原因の約半数を占める遺伝性疾患です。生活習慣ではなく遺伝的素因が主因となります。

  4. × 4.  重症筋無力症( myasthenia gravis )

    重症筋無力症はアセチルコリン受容体に対する自己抗体が神経筋接合部を障害する自己免疫疾患です。胸腺腫や胸腺過形成を伴うことが多く、生活習慣とは無関係です。

生活習慣病の定義は「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣がその発症・進行に関与する疾患群」(厚生労働省)。代表例は2型糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満、動脈硬化性疾患、COPD、一部のがん(肺がん、大腸がんなど)。COPDは日本では約530万人が罹患していると推計され、禁煙が最大かつ唯一の確立した進行抑制策です。

代表的な生活習慣病を識別できるかが問われており、肺気腫(COPD)と喫煙の関係を押さえることが鍵です。