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高尿酸血症患者への生活指導の選び方

看護師国家試験 第104回 午後 第53問 / 成人看護学 / 内部環境と内分泌系

国試問題にチャレンジ

104回 午後 第53問

Aさん(42歳、男性、会社員)は、1人で暮らしている。毎日、たばこを20本吸い、缶ビールを3本飲んでいた。Aさんは週末にラグビーをした後、帰りに焼肉を食べるのを楽しみにしている。高尿酸血症(hyperuricemia)で治療を受けることになり、尿酸排泄促進薬が処方された。缶ビールを1本に減らしたが、尿酸値が高い状態が続いている。身長172cm、体重67kg。その他の血液検査データに異常はない。 Aさんへの生活指導で最も適切なのはどれか。

  1. 1.禁煙
  2. 2.体重の減量
  3. 3.過度な運動の回避
  4. 4.蛋白質摂取の禁止

対話形式の解説

博士 博士

今回は42歳のAさんじゃ。喫煙20本、缶ビール3本という生活習慣でラグビーと焼肉が楽しみ、高尿酸血症で薬も始まっておる

サクラ サクラ

お酒を3本から1本に減らしたのに尿酸値が下がらないのですね

博士 博士

さらに身長172cm、体重67kgなのでBMIを計算すると約22.6じゃ

サクラ サクラ

標準体重ということになりますね。だとすると減量指導は今は不要ですか

博士 博士

そうじゃ。BMIが正常なのに無理に痩せろと言うのは適切ではない

サクラ サクラ

では禁煙はどうでしょう。タバコは万病の元と聞きますが

博士 博士

喫煙と尿酸値の直接的な関連は弱いんじゃ。健康教育としては大事じゃが、今回のテーマである尿酸コントロールの第一選択にはならない

サクラ サクラ

残るは過度な運動の回避と蛋白質禁止ですね

博士 博士

ラグビーのような無酸素運動は筋肉のATPがどんどん分解されてプリン体に変換される。そこから尿酸が増えるんじゃ

サクラ サクラ

さらに激しい運動で汗をかくと脱水になって尿酸が濃縮されるのですね

博士 博士

その通り。だから過度な運動を控えてウォーキングなど有酸素運動を勧めるのが最も適切じゃ

サクラ サクラ

蛋白質禁止はどうしてダメなのですか

博士 博士

プリン体を多く含む内臓や干物の制限は必要じゃが、蛋白質そのものを禁止すると栄養不良や筋力低下を招く

サクラ サクラ

お薬を飲んでいる間の生活上の注意点もありますか

博士 博士

尿酸排泄促進薬の使用中は尿路結石を防ぐため、1日2000mL以上の水分摂取と尿のアルカリ化が大切じゃ

サクラ サクラ

ビールは1本にしたとのことですが、アルコール自体も影響しますか

博士 博士

アルコールは肝臓でのプリン体代謝を促し尿酸産生を増やすので、種類を問わずほどほどがよい

POINT

本問はBMI、生活習慣、運動内容を踏まえて最も適切な指導を選ぶ問題です。AさんはBMI標準で他データも正常なため、減量や蛋白制限は不要、禁煙は尿酸値とは関連が弱いと判断します。激しい運動は尿酸を上昇させるため、過度な運動を避け有酸素運動へ切り替える指導が最適です。薬物療法中は水分摂取の励行も合わせて指導します。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:Aさん(42歳、男性、会社員)は、1人で暮らしている。毎日、たばこを20本吸い、缶ビールを3本飲んでいた。Aさんは週末にラグビーをした後、帰りに焼肉を食べるのを楽しみにしている。高尿酸血症(hyperuricemia)で治療を受けることになり、尿酸排泄促進薬が処方された。缶ビールを1本に減らしたが、尿酸値が高い状態が続いている。身長172cm、体重67kg。その他の血液検査データに異常はない。 Aさんへの生活指導で最も適切なのはどれか。

解説:正解は3の過度な運動の回避です。AさんのBMIは約22.6で標準範囲内、他の血液データにも異常はありません。激しい無酸素運動は筋肉でのプリン体代謝を亢進し尿酸産生を増加させるうえ、発汗による脱水で尿酸値を上昇させやすいため、週末のラグビーのような強度の高い運動の見直しが最も妥当な指導です。

選択肢考察

  1. × 1.  禁煙

    禁煙は循環器疾患や呼吸器疾患の予防として大切ですが、喫煙と血清尿酸値の上昇に直接的な因果関係は確立されておらず、高尿酸血症の治療指導として最優先には位置づけられません。

  2. × 2.  体重の減量

    肥満があれば減量は尿酸値改善に有効ですが、Aさんの身長172cm体重67kgではBMIが約22.6と標準範囲であり、現時点で減量を指導する必要はありません。

  3. 3.  過度な運動の回避

    ラグビーのような激しい無酸素運動はATP分解を介してプリン体代謝を亢進し血清尿酸値を上昇させます。さらに発汗による脱水も加わるため、ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動への切り替えが推奨されます。

  4. × 4.  蛋白質摂取の禁止

    高尿酸血症ではレバーや白子、干物、ビールなどプリン体を多く含む食品の制限が中心で、蛋白質そのものを禁止する必要はありません。むしろ筋肉量や免疫機能の維持のため適量の蛋白摂取が望まれます。

尿酸排泄促進薬を内服中は尿中尿酸濃度が上昇し尿酸結石を生じやすいため、1日2000mL以上の水分摂取と尿のアルカリ化が推奨されます。プリン体制限は1日400mg以下が目安で、ビールはアルコール自体が尿酸産生を増やすので種類を問わず控えめが望ましいです。

高尿酸血症の生活指導の優先順位を、患者個別の身体所見や生活背景から判断できるかを問う問題です。BMIや運動内容など状況設定を読み取る力が問われます。