インスリン製剤の正しい取り扱い
看護師国家試験 第107回 午後 第41問 / 成人看護学 / 内部環境と内分泌系
国試問題にチャレンジ
インスリン製剤について正しいのはどれか。
- 1.経口投与が可能である。
- 2.冷凍庫で長期保存できる。
- 3.皮下注射は同じ部位に行う。
- 4.飛行機に搭乗する際は手荷物として持ち込む。
対話形式の解説
博士
インスリン製剤の問題じゃ。まず経口投与はできるかのう?
サクラ
インスリンはタンパク質なので、消化管で分解されて効かなくなりますよね
博士
その通り。だから皮下注射や静脈注射、CSIIなど注射での投与が基本じゃ
サクラ
保管は冷凍庫でもよいのですか?
博士
いかん。凍らせるとタンパク構造が壊れて効力が失われるんじゃ
サクラ
では未使用は冷蔵、使用中は室温保存ですね
博士
その通り。2〜8℃の冷蔵と、30℃以下の室温で1カ月以内が目安じゃ
サクラ
皮下注射は毎回同じ部位にすればよいですか?
博士
いや、同じ部位に打ち続けるとインスリンボールといって脂肪が硬くなり吸収が不安定になる
サクラ
少しずつずらすローテーションが必要なんですね
博士
飛行機に搭乗するときはどうする?
サクラ
手荷物として機内に持ち込むのが適切ですね
博士
正解じゃ。預け荷物は温度変化や紛失のリスクがあるからのう
サクラ
注射針も機内に持ち込めるんですよね
博士
医師の証明書があれば注射器と針も持ち込み可能じゃ。海外では英文診断書があると安心じゃな
サクラ
正解は4の機内持ち込みですね
POINT
インスリン製剤はタンパク質性の注射剤で、経口投与不可、凍結による失活、同一部位への反復注射による硬結に注意が必要です。保管は未使用2〜8℃冷蔵、使用中は30℃以下の室温で、旅行や搭乗時は手荷物として機内に持ち込みます。患者指導では注射部位のローテーション、保管方法、外出・旅行時の対応を具体的に伝えることが重要です。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:インスリン製剤について正しいのはどれか。
解説:正解は 4 です。インスリン製剤はタンパク質製剤で耐熱性が低く、また糖尿病患者にとって生命維持に不可欠な薬剤です。航空機搭乗時は機内の気温差や紛失・破損のリスクを考え、機内への手荷物として持ち込むことが原則です。
選択肢考察
-
× 1. 経口投与が可能である。
インスリンはタンパク質で消化管で分解されてしまうため経口投与はできず、皮下注射・静脈注射・持続皮下注入(CSII)などで投与します。
-
× 2. 冷凍庫で長期保存できる。
凍結するとタンパク構造が変性し効力が失われます。未使用は冷蔵(2〜8℃)、使用中は高温・直射日光を避けた室温保存が基本です。
-
× 3. 皮下注射は同じ部位に行う。
同一部位への反復注射はインスリンボールと呼ばれる脂肪肥大・硬結を招き、吸収速度が不安定になります。毎回少なくとも2〜3cmずらすなどローテーションが必要です。
-
○ 4. 飛行機に搭乗する際は手荷物として持ち込む。
預け入れ荷物では温度変化や紛失のリスクがあり、機内持ち込みが適切です。注射針も含め医師の証明書があれば持ち込み可能で、国際線では診断書があると安心です。
インスリン注射の部位と吸収速度:腹壁>上腕>大腿>臀部の順で吸収が速い。血糖コントロールの安定のため、同じ時間帯には同じ身体部位を選び、その中で注射部位をローテーションするのが基本です。保管は未使用時2〜8℃冷蔵、使用中は30℃以下の室温で1カ月程度、直射日光・高温・凍結は避けます。旅行時は保冷バッグの使用、時差の大きい海外旅行では医師と注射タイミングを相談します。低血糖対策の補食も必携です。
インスリンは注射剤でタンパク質性。凍結不可・同一部位連続注射不可・機内持ち込み可が三大ポイント。
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