COPDのフローボリューム曲線を学ぼう
看護師国家試験 第104回 午前 第49問 / 成人看護学 / 呼吸器系
国試問題にチャレンジ
フローボリューム曲線を図に示す。 慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)の患者の結果はどれか。
-
1.
-
2.
-
3.
-
4.
対話形式の解説
博士
今日は呼吸機能検査の見方じゃぞ。フローボリューム曲線とは何を表すかな
サクラ
縦軸に気流速度、横軸に肺気量をとり、呼気の流れ方を示すグラフです
博士
その通り。健常者ではどんな形かな
サクラ
鋭いピークの後に直線的に下がる三角形に近い形です
博士
COPDではどうなる
サクラ
気道閉塞があるので呼気が出にくく、ピークが低くて下に凸の曲線になります
博士
見事じゃ。なぜ下に凸になる
サクラ
末梢気道が狭く、後半の呼気がだらだらと続くからです
博士
診断基準は何だったかな
サクラ
気管支拡張薬吸入後の1秒率が70%未満です
博士
上気道閉塞ではどんな形になる
サクラ
台形状でプラトーがみられるパターンです
博士
選択肢4のような形じゃな
サクラ
選択肢3のような波形は何ですか
博士
努力呼出が不十分な検査ミスじゃ。再検査が必要じゃぞ
サクラ
喘息との鑑別はどうすればいいですか
博士
喘息は気管支拡張薬で可逆性が出るが、COPDは可逆性が乏しいのじゃ
サクラ
拘束性疾患はどう違いますか
博士
肺活量が縮むので曲線は縦に縮んだ形になるぞい
サクラ
看護では何を意識すればよいでしょうか
博士
禁煙指導、吸入薬の手技指導、呼吸リハビリなどが大切じゃ
POINT
COPDのフローボリューム曲線はピークフロー低下と下に凸の呼気曲線が特徴で、1秒率70%未満が診断基準です。上気道閉塞では台形状、拘束性疾患では縦に縮んだ形になります。喘息との可逆性の違いも押さえ、禁煙指導や呼吸リハ、吸入指導など包括的看護を行いましょう。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:フローボリューム曲線を図に示す。 慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)の患者の結果はどれか。
解説:正解は2です。COPDでは気道閉塞のため呼出力が低下し、呼出開始直後にピークフロー値の低下と、その後にだらだら続く下に凸の呼気曲線を示します。これがCOPDの典型的フローボリューム曲線です。
選択肢考察
-
× 1.
鋭いピークと直線的な下降を示す健常者の正常パターンで、努力性肺活量も1秒率も保たれている状態です。
-
○ 2.
ピークフローが低く、呼気が長く続き下に凸の曲線を呈するCOPDの典型像です。気道閉塞による1秒量の低下が反映されています。
-
× 3.
呼出努力が不十分または検査協力が得られていない波形で、再検査が必要な所見です。COPDの特徴ではありません。
-
× 4.
上気道閉塞(喉頭・気管腫瘍など)でみられる台形状(プラトー)の波形であり、COPDとは異なる病態です。
COPDの診断基準は気管支拡張薬吸入後の1秒率(FEV1/FVC)が70%未満です。フローボリューム曲線の下に凸のパターンは末梢気道病変を反映し、肺気腫や慢性気管支炎で典型的にみられます。喘息も類似のパターンを示しますが、可逆性があるかが鑑別ポイントです。拘束性換気障害では%肺活量が80%未満となり、曲線は縦に縮んだ形になります。
COPDの呼吸機能検査所見、特にフローボリューム曲線のパターンを理解しているかを問う問題です。
「呼吸器系」の関連記事
-
COPD患者になぜ高濃度酸素は危険なのか―CO2ナルコーシスの正体
II型呼吸不全患者への酸素療法の落とし穴であるCO2ナルコーシスの病態を問う問題。慢性高CO2血症の代表疾患であるCOP…
114回
-
若年やせ型男性に突然の胸痛 〜自然気胸を読み解く〜
若年・長身・痩せ型・喫煙者という背景と突然発症の胸痛・呼吸困難から自然気胸を想起し、虚脱した患側の聴診所見(…
114回
-
喉頭摘出後の変化を整理しよう
喉頭摘出後の解剖生理の変化と、それに伴う感覚・機能障害の関連を理解しているかを問う問題です。
113回
-
呼吸機能検査から換気障害を読み解こう
呼吸機能検査の指標(%VC・FEV1.0%)の閾値と、換気障害の分類を正しく理解しているかを問う問題です。
113回
-
肺気腫で増加する肺機能指標を病態から読み解く
COPD(肺気腫)における肺機能検査値の増減パターンを理解しているかを問う設問です。肺の過膨張という病態から各指…
113回