StudyNurse

喉頭摘出後の変化を整理しよう

看護師国家試験 第113回 午前 第45問 / 成人看護学 / 呼吸器系

国試問題にチャレンジ

113回 午前 第45問

喉頭摘出および気管孔造設術を受けた患者にみられるのはどれか。

  1. 1.難聴
  2. 2.嗅覚低下
  3. 3.咀嚼困難
  4. 4.誤嚥

対話形式の解説

博士 博士

喉頭摘出と気管孔造設を受けた患者の体に起こる変化を想像できるかの?

サクラ サクラ

気管が首から直接外に出て、鼻や口を通らずに呼吸することになりますよね。

博士 博士

うむ、その通りじゃ。では鼻を通らない呼吸で何が困るかの?

サクラ サクラ

匂いを嗅ぐための空気が鼻腔を通らないので、嗅覚が低下するのではないでしょうか。

博士 博士

正解じゃ。選択肢2の嗅覚低下がこれに当たる。では誤嚥はどうじゃ?

サクラ サクラ

気道と食道が完全に分かれるので、食べ物が気管に入る経路がなくなり誤嚥は起きないはずです。

博士 博士

鋭いのう。難聴や咀嚼困難は起こるかの?

サクラ サクラ

耳や口腔には手術操作が及ばないので、どちらも直接の影響はないと考えます。

博士 博士

その通り。発声機能はどうじゃ?

サクラ サクラ

声帯を失うので自然な発声ができなくなり、電気式人工喉頭や食道発声などの代用音声が必要になります。

博士 博士

入浴時の注意点は何かあるかの?

サクラ サクラ

気管孔から水が入らないようプロテクターを使い、加湿や清潔保持も大切ですね。

博士 博士

よう学んでおる。嗅覚低下は食欲や安全にも関わるから、支援が欠かせんぞ。

サクラ サクラ

生活全般に影響することを踏まえて指導していきたいです。

POINT

喉頭摘出と気管孔造設により呼吸路は気管孔から直接肺へと変わり、鼻腔を通らないため嗅覚が低下します。気道と食道が分離されることで誤嚥は起こらず、聴覚や咀嚼にも直接影響しません。発声機能の喪失に対する代用音声訓練、気管孔周囲のセルフケア、嗅覚低下による食欲低下やガス漏れ察知困難など安全面の支援が重要です。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:喉頭摘出および気管孔造設術を受けた患者にみられるのはどれか。

解説:正解は2です。気管孔からの呼吸となり鼻腔に空気が流れなくなるため、嗅細胞へ匂い分子が届かず嗅覚が低下します。

選択肢考察

  1. × 1.  難聴

    聴覚器官は手術操作の対象外であり、喉頭摘出術や気管孔造設術によって直接的な聴力低下は生じません。

  2. 2.  嗅覚低下

    気管孔呼吸になると吸気が鼻腔を通過しなくなり、匂い分子が嗅上皮に到達しません。その結果、嗅覚が著しく低下し、味覚にも影響が及ぶことがあります。

  3. × 3.  咀嚼困難

    咀嚼は顎関節や口腔・舌・歯の機能で行われるため、喉頭を摘出しても直接の影響はありません。ただし嚥下機能には影響し得るため区別が必要です。

  4. × 4.  誤嚥

    喉頭摘出により気道と食道は完全に分離され、食物が気管に入る経路が物理的に遮断されるため、原理的に誤嚥は起こりません。

喉頭摘出後は声帯を失うため発声もできなくなり、電気式人工喉頭・食道発声・シャント発声などの代用音声訓練が必要になります。加湿や気管孔周囲の清潔保持、入浴や洗髪時の水の流入防止(プロテクター使用)などのセルフケアも指導項目です。嗅覚に関しては「Polite Yawning法」と呼ばれる口蓋を用いた再学習法もあります。

喉頭摘出後の解剖生理の変化と、それに伴う感覚・機能障害の関連を理解しているかを問う問題です。