StudyNurse

散瞳薬点眼時の看護のポイントを整理しよう

看護師国家試験 第104回 午前 第51問 / 成人看護学 / 感覚器・運動器系

国試問題にチャレンジ

104回 午前 第51問

眼底検査の前処置で散瞳薬を点眼する際の看護で適切なのはどれか。

  1. 1.白内障(cataract)の既往の有無を確認する。
  2. 2.羞明が強くなると説明する。
  3. 3.散瞳薬による症状は30分程度で消失すると説明する。
  4. 4.眼を閉じた状態で検査室に誘導する。

対話形式の解説

博士 博士

眼底検査の前処置として散瞳薬を点眼するんじゃが、点眼後にどんな症状が出るか分かるかの?

サクラ サクラ

はい、瞳孔が大きく開くことで光がたくさん入って、まぶしく感じると思います。

博士 博士

その通りじゃ。羞明と呼ぶ症状で、手元もぼやけて見えるようになるんじゃよ。

サクラ サクラ

では検査前に患者さんに伝えておくべき大切な説明ですね。

博士 博士

うむ、心構えがないと驚いてしまうからの。ところで散瞳薬の禁忌となる眼疾患は知っとるかね?

サクラ サクラ

閉塞隅角緑内障です。瞳孔が開くと隅角が狭くなり眼圧が急上昇するからですよね。

博士 博士

よく覚えておるの。だから既往歴で確認すべきは白内障ではなく緑内障なんじゃ。

サクラ サクラ

選択肢1のように白内障を聞くのは不適切なのですね。

博士 博士

散瞳薬の効果発現には30分ほどかかり、効果は4〜6時間続くぞ。

サクラ サクラ

では『30分で消える』と説明するのも誤りで、検査後の運転も控えるように伝える必要がありますね。

博士 博士

そして閉眼で誘導すると逆に危ない。介助しながら歩いてもらえばよい。

サクラ サクラ

羞明への説明と緑内障の確認、検査後の生活指導までセットで覚えます。

POINT

散瞳薬の点眼で最も重要な看護は、羞明という具体的な症状を事前に説明することです。薬効は数時間続くため検査後の運転や細かい作業は避けるよう指導します。閉塞隅角緑内障では禁忌となるので既往の確認も欠かせません。閉眼での移動はかえって転倒の危険を高めるため、必要に応じて介助歩行で誘導します。患者が安心して検査を受けられるよう、散瞳薬の作用と副作用をきちんと伝えることが大切です。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:眼底検査の前処置で散瞳薬を点眼する際の看護で適切なのはどれか。

解説:正解は2です。散瞳薬を点眼すると瞳孔括約筋が弛緩して瞳孔が開大し、入射光量が増えるため、患者は強い羞明感(まぶしさ)を自覚します。検査前にあらかじめ「光をまぶしく感じます」と説明しておくことで、患者の不安軽減と協力が得やすくなります。

選択肢考察

  1. × 1.  白内障(cataract)の既往の有無を確認する。

    散瞳薬は瞳孔散大により隅角を狭めるため、眼圧上昇のリスクがあります。禁忌として確認すべき既往は白内障ではなく、閉塞隅角緑内障です。白内障は散瞳の禁忌ではありません。

  2. 2.  羞明が強くなると説明する。

    散瞳によって瞳孔から入る光量が増し、まぶしさや手元のかすみが生じます。事前に羞明が起こる旨を説明しておくことは、患者が驚かず安全に検査を受けるために不可欠な看護です。

  3. × 3.  散瞳薬による症状は30分程度で消失すると説明する。

    散瞳薬の効果が発現するまでに約30分を要し、その作用は4〜6時間程度持続します。30分で症状が消えるとの説明は誤りで、検査後の自動車運転や細かい作業を控えるよう指導する必要があります。

  4. × 4.  眼を閉じた状態で検査室に誘導する。

    羞明があってもまぶたを閉じる必要はなく、閉眼で誘導すると逆に転倒や衝突の危険が高まります。必要に応じて手で光を遮るなどしながら、付き添いのもとで歩行誘導するのが適切です。

散瞳薬としては抗コリン薬(トロピカミドなど)や交感神経刺激薬(フェニレフリンなど)が用いられます。閉塞隅角緑内障では急性発作を誘発しうるため必ず既往を確認します。検査後は数時間は近見作業や運転を避けるよう指導しましょう。

散瞳薬使用時に患者へ伝えるべき症状(羞明・近見障害)と、その持続時間や禁忌疾患(緑内障)を理解しているかが問われています。