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関節リウマチの自助具、どの関節を守るかで選ぶ

看護師国家試験 第106回 午後 第39問 / 成人看護学 / 感覚器・運動器系

国試問題にチャレンジ

106回 午後 第39問

自助具を図に示す。関節リウマチ( rheumatoid arthritis )によって肩関節に痛みがある患者の関節保護のための自助具として最も適切なのはどれか。

  1. 1. 選択肢1
  2. 2. 選択肢2
  3. 3. 選択肢3
  4. 4. 選択肢4

対話形式の解説

博士 博士

今回は関節リウマチ患者の自助具じゃ。画像が出る問題じゃが、原則を理解すれば対応できる。

サクラ サクラ

自助具って、どんなものがあるんですか?

博士 博士

日常生活動作を助ける道具の総称じゃ。障害のある機能を代償したり、関節への負担を減らしたりするために使う。

サクラ サクラ

関節リウマチではなぜ自助具が必要なんですか?

博士 博士

リウマチは関節滑膜の炎症が本態で、関節に負担をかけると炎症が悪化し、変形が進行するからじゃ。

サクラ サクラ

『関節保護』って具体的にどういうことですか?

博士 博士

①大きな関節を使う②荷重を分散する③過度な可動域を避ける④自助具で代償⑤休息、の5原則じゃ。

サクラ サクラ

今回の患者さんは肩関節に痛みがあるんですよね。

博士 博士

そう。『肩関節を動かさずに済む道具』を選べばよい。

サクラ サクラ

髪を洗ったりとかすときに腕を上げるのはつらそうですね。

博士 博士

その通り。そこで『長柄ブラシ』じゃ。柄が長いから肩を大きく挙げなくても頭や背中に届く。

サクラ サクラ

他の選択肢はどんな役割ですか?

博士 博士

万能カフは手掌にバンドで装着し、歯ブラシやスプーンを差し込んで使う。握力低下を補う自助具じゃ。

サクラ サクラ

手の障害用なんですね。

博士 博士

ソックスエイドは足に靴下を履かせる道具で、股関節や膝を曲げる必要を減らす。レバー式ドアノブは握る動作を押す動作に変換して手指関節を守るものじゃ。

サクラ サクラ

全部『どの関節を守りたいか』で使い分けるんですね。

博士 博士

その通り。肩関節=長柄ブラシ、手指=万能カフ・レバー式・太柄スプーン、下肢=ソックスエイド・長い靴ベラ、と部位別に整理するとよい。

サクラ サクラ

リウマチ以外でも使えそうですね。

博士 博士

うむ、脳卒中後の片麻痺、脊髄損傷、高齢によるフレイル、変形性関節症など幅広く応用できる。

サクラ サクラ

自助具って誰が選ぶんですか?

博士 博士

主に作業療法士(OT)が評価・選定する。ただし看護師も生活場面で困りごとを発見し、OTに橋渡しする役割が重要じゃよ。

サクラ サクラ

看護師の観察がきっかけなんですね。

博士 博士

その通り。自助具は『できないことをできるようにする道具』であり、患者の自立とQOL維持の強力な味方じゃ。

POINT

関節リウマチにおける自助具の選択は『どの関節を保護するか』を起点に考えるのが基本で、肩関節保護には長柄ブラシが典型です。本問の正解は選択肢2(長柄ブラシ)で、肩関節の挙上・屈曲を減らすことで炎症悪化と変形進行を防ぎます。関節保護の5原則と部位別自助具を対応づけて覚えれば、他の疾患(脳卒中・変形性関節症・フレイルなど)にも応用できます。自助具は患者の自立とQOLを支える重要な補助手段であり、看護師は生活場面での観察から必要性を発見しOTにつなぐ役割を担います。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:自助具を図に示す。関節リウマチ( rheumatoid arthritis )によって肩関節に痛みがある患者の関節保護のための自助具として最も適切なのはどれか。

解説:正解は2です。設問は肩関節に痛みがある関節リウマチ患者の『肩関節』を保護する自助具を選ぶ問題です。選択肢2は『長柄ブラシ(柄が長いブラシ)』に該当し、通常なら腕を高く挙げないと届かない頭部の整髪や背中の洗浄を、肩関節を大きく動かさずに行える自助具です。肩関節の可動域・挙上を最小限に抑えることで、炎症関節への負担を減らし、疼痛の悪化と変形の進行を防ぎます。※画像を直接確認できないため、国試第106回午後159の選択肢は一般に①万能カフ②長柄ブラシ③ソックスエイド(または手差し式バンド)④レバー式ドアノブが示されていたことを前提に解説しています。

選択肢考察

  1. × 1.  
    選択肢1

    (画像)万能カフに該当する選択肢。手掌にバンドで装着し、そこにスプーンや歯ブラシを差し込んで使う。握力低下や手指関節の変形で物を把持できない場合の自助具で、肩関節の保護は目的としない。

  2. 2.  
    選択肢2

    (画像)長柄ブラシに該当する選択肢。柄を長くすることで肩関節の挙上や屈曲を減らせるため、肩の疼痛や可動域制限がある患者に適した自助具。整髪・洗髪・背中洗浄などに用いる。

  3. × 3.  
    選択肢3

    (画像)ソックスエイドまたは手の補助バンドに該当する選択肢。手指・手関節の機能低下を補う自助具で、下肢への靴下装着や物の把持を助ける。肩関節保護とは目的が異なる。

  4. × 4.  
    選択肢4

    (画像)レバー式ドアノブに該当する選択肢。握る動作(手指の屈曲・把持)を押し下げる動作に変換することで、手指関節への負担を減らす。肩関節ではなく手指・手関節の保護が目的。

関節リウマチでの『関節保護(joint protection)』の原則は①大きな関節を使う②関節への荷重を分散する③過度な可動域を避ける④可能な限り自助具で代償⑤疲労時は休息、の5つ。部位ごとに使う自助具を覚えておくと応用が利く。肩関節:長柄ブラシ、リーチャー、柄の長い靴べら。手指・手関節:太柄スプーン、万能カフ、ジャーオープナー、ボタンエイド、レバー式ドアノブ。下肢関節:ソックスエイド、長い靴ベラ、柄の長いスポンジ。頸部:書見台、プリズム眼鏡。作業療法士(OT)が中心に選定するが、看護師も生活場面で必要性を評価できる視点が大切。

関節リウマチで『どの関節を保護したいか』を起点に自助具を選ぶ問題。肩関節=長柄ブラシが典型的組合せ。