緑内障患者への適切な説明を考える
看護師国家試験 第107回 午後 第45問 / 成人看護学 / 感覚器・運動器系
国試問題にチャレンジ
緑内障( glaucoma )と診断された患者への説明で適切なのはどれか。
- 1.「治療すれば視野障害は改善します」
- 2.「水晶体の代謝が低下して起こる病気です」
- 3.「自覚症状がなくても進行しやすい病気です」
- 4.「眼瞼のマッサージが眼圧降下に効果的です」
対話形式の解説
博士
緑内障は日本における中途失明原因の第一位じゃ。
サクラ
それほど多いんですね。高齢者に多いイメージですが。
博士
近年は40歳以下でも増えておる。定期検診が大切じゃな。
サクラ
視野障害は治療で戻りますか。
博士
残念ながら一度失った視野は戻らん。視神経が障害されると再生せんのじゃ。
サクラ
では治療の目的は何ですか。
博士
進行を遅らせ、残存視野を守ることじゃ。治癒させる病気ではないぞ。
サクラ
水晶体の病気ではないんですよね。
博士
その通り。水晶体の問題は白内障や老視じゃ。緑内障は房水の流れが滞って眼圧が上がり、視神経が圧迫される病気じゃな。
サクラ
自覚症状はどうなのでしょう。
博士
開放隅角型では徐々に視野の周辺から欠けていくが、両眼で補い合うため気付きにくい。末期まで無症状のことが多いのじゃ。
サクラ
患者さんへの指導のポイントはそこになりますね。
博士
そうじゃ。無症状でも進行しうると伝え、点眼を継続してもらうことが最重要じゃ。
サクラ
眼瞼マッサージは効きますか。
博士
眼圧降下作用は認められておらん。点眼、レーザー、手術が基本治療じゃ。
サクラ
急性緑内障発作もあるんですよね。
博士
閉塞隅角型では眼痛、頭痛、悪心、霧視、視力低下が急激に起こる。これは眼科救急じゃから覚えておくのじゃ。
POINT
緑内障の指導では、視野障害は不可逆であること、無症状でも進行すること、点眼治療の継続が最重要であることの三点を明確に伝える必要があります。急性閉塞隅角緑内障では速やかな眼圧下降治療が視機能を救うため、頭痛や眼痛を訴える患者では緑内障発作も鑑別に入れます。長期的な治療継続を支える看護が求められます。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:緑内障( glaucoma )と診断された患者への説明で適切なのはどれか。
解説:正解は3です。緑内障は初期には自覚症状に乏しく、両眼で視野を補い合うため気付かぬうちに進行するため、この特徴を患者に伝えることが適切な指導となります。
選択肢考察
-
× 1. 「治療すれば視野障害は改善します」
一度障害された視神経は再生せず、失われた視野は回復しません。治療は進行抑制を目的とするため、この説明は誤りです。
-
× 2. 「水晶体の代謝が低下して起こる病気です」
水晶体の混濁や代謝低下は白内障や老視の病態であり、緑内障は房水循環障害による眼圧上昇と視神経障害が本質です。
-
○ 3. 「自覚症状がなくても進行しやすい病気です」
開放隅角緑内障では眼圧上昇が緩徐で視野欠損も中心視野を残しながら徐々に拡大するため、末期になるまで気付かれにくい特徴があります。
-
× 4. 「眼瞼のマッサージが眼圧降下に効果的です」
眼圧を下げる有効な手段は点眼薬、レーザー治療、観血的手術であり、眼瞼マッサージに眼圧降下作用は認められていません。
緑内障は中途失明原因の第1位であり、40歳以上の約5%が罹患するとされます。開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障に大別され、後者は急性発作で眼痛、頭痛、悪心、視力低下を急激にきたすため救急対応が必要です。治療はプロスタグランジン関連薬やβ遮断薬の点眼が中心で、アドヒアランスの維持が視野保持の鍵となります。
緑内障は視野障害が不可逆であり、無症状で進行するため早期発見と点眼継続の重要性を患者指導の柱としましょう。
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