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手の末梢神経支配領域を完全マスター

看護師国家試験 第108回 午前 第30問 / 成人看護学 / 感覚器・運動器系

国試問題にチャレンジ

108回 午前 第30問

手の写真を別に示す。 写真の斜線部分で、正中神経の圧迫によって知覚異常を生じる部位を示しているのはどれか。

手の写真を別に示す。 写真の斜線部分で、正中神経の圧迫によって知覚異常を生じる部位を示しているのはどれか。
  1. 1.A
  2. 2.B
  3. 3.C
  4. 4.D

対話形式の解説

博士 博士

今日は手の知覚神経支配の話じゃ。正中神経の圧迫で知覚異常が生じる部位を問う問題じゃな。

アユム アユム

手根管症候群ですよね?手首の中で正中神経が圧迫される病気と習いました。

博士 博士

その通り、正解は3のCじゃ。正中神経は手掌側で母指・示指・中指と環指橈側半の知覚を支配する。

アユム アユム

なぜ手根管で圧迫されやすいんですか?

博士 博士

手根管は手根骨と屈筋支帯で囲まれた狭いトンネルで、9本の屈筋腱と正中神経が通っている。腱鞘炎や浮腫で内圧が上がると正中神経が圧迫されるんじゃ。

アユム アユム

どんな人に多いんですか?

博士 博士

妊娠、透析患者、糖尿病、更年期女性、手を酷使する職業の人に多い。特に中年女性に多発するんじゃよ。

アユム アユム

特徴的な症状は?

博士 博士

母指・示指・中指の掌側の痺れと痛み、夜間痛、手を振ると楽になる現象などじゃ。進行すると母指球筋が萎縮してピンチ力が低下する。

アユム アユム

診察所見は?

博士 博士

Phalenテスト、手首を屈曲させて1分以内に症状が増悪すれば陽性。ティネル徴候は手根管部を叩くと放散痛が出るサインじゃ。

アユム アユム

1のAはどの神経ですか?

博士 博士

Aは尺骨神経の支配領域じゃ。小指と環指尺側半の痺れとして現れる。肘部管症候群やギヨン管症候群で障害されるんじゃ。

アユム アユム

2のBは?

博士 博士

Bは特定の末梢神経支配領域に該当しない分布じゃ。いずれの単一神経にも合致しないな。

アユム アユム

4のDは?

博士 博士

Dは橈骨神経浅枝の支配領域で、母指・示指・中指・環指橈側半の手背側じゃ。手の甲に痺れがくれば橈骨神経を疑うんじゃ。

アユム アユム

手掌側と手背側で神経支配が違うんですね。

博士 博士

そう、母指・示指・中指でも掌側は正中神経、手背側は橈骨神経と覚えるんじゃ。

アユム アユム

治療はどうしますか?

博士 博士

保存的には手首固定装具、ステロイド局注、NSAIDsを用いる。無効なら手根管開放術が適応じゃ。

アユム アユム

鑑別診断も大切ですね。

博士 博士

頸椎症性神経根症、胸郭出口症候群、糖尿病性多発ニューロパチーなどとの鑑別が必要じゃ。神経学的診察と電気生理検査で確定するんじゃよ。

POINT

正中神経は手掌側で母指・示指・中指と環指橈側半の知覚を支配し、手根管で圧迫されると手根管症候群として痺れや疼痛が生じます。尺骨神経は小指と環指尺側半、橈骨神経浅枝は母指〜環指橈側半の手背側を支配するため、図のCが正中神経領域に該当します。Phalenテストやティネル徴候で診断し、妊娠・透析・糖尿病・中年女性で頻度が高いです。治療は手首固定装具、ステロイド局注、無効例では手根管開放術が適応となります。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:手の写真を別に示す。 写真の斜線部分で、正中神経の圧迫によって知覚異常を生じる部位を示しているのはどれか。

解説:正解は 3 です。正中神経は手掌側で母指・示指・中指と環指橈側半の知覚を支配します。特に手根管を通る部位で圧迫されると手根管症候群を引き起こし、この領域に痺れや痛み、感覚鈍麻が生じます。夜間や手を使った後に症状が悪化し、Phalenテストやティネル徴候が陽性となります。妊娠、透析患者、糖尿病、反復動作の多い職業で頻度が高い末梢神経障害です。

選択肢考察

  1. × 1.  A

    尺骨神経の支配領域で、小指と環指尺側半の痺れとして現れます。肘部管症候群やギヨン管症候群で障害されます。

  2. × 2.  B

    該当する特定の末梢神経支配領域ではありません。分布としてあてはまる単一神経はありません。

  3. 3.  C

    正中神経の手掌側支配領域で、母指・示指・中指・環指橈側半の掌側の知覚を担います。手根管症候群で典型的に障害される部位です。

  4. × 4.  D

    橈骨神経浅枝の支配領域で、母指・示指・中指・環指橈側半の手背側の知覚を担います。

手根管症候群では母指球の運動神経も障害され、進行すると母指対立運動障害や母指球筋萎縮が生じます。治療は保存的に手首固定装具・ステロイド局注・NSAIDsを行い、無効例では手根管開放術が適応となります。鑑別として頸椎症性神経根症、胸郭出口症候群、糖尿病性多発ニューロパチーなどが挙げられます。

手の末梢神経(正中・尺骨・橈骨)の知覚支配領域の区別を問う問題で、手根管症候群の理解が鍵です。