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ぐるぐる回るメニエール病、内リンパ水腫で起こる三主徴

看護師国家試験 第109回 午後 第32問 / 成人看護学 / 感覚器・運動器系

国試問題にチャレンジ

109回 午後 第32問

Ménière〈メニエール〉病( Ménièreʼs disease )で正しいのはどれか。

  1. 1.伝音性難聴を伴う。
  2. 2.めまいは回転性である。
  3. 3.発作期に外科治療を行う。
  4. 4.蝸牛の機能は保たれている。

対話形式の解説

博士 博士

今回はメニエール病の検査所見じゃ。めまいを起こす疾患はいろいろあるが、メニエール病の特徴を正確に押さえておくことが国試攻略の鍵じゃぞ。

アユム アユム

メニエール病って、めまいの病気としか知らないんですが、原因は何なんですか?

博士 博士

内耳には外リンパ液と内リンパ液という二種類の液体があってな、このうち内リンパ液が過剰にたまって内耳を圧迫する「内リンパ水腫」がメニエール病の本態じゃ。

アユム アユム

なぜ内リンパ液がたまるんですか?

博士 博士

正確な原因は不明じゃが、ストレス、睡眠不足、疲労、塩分過多、女性ホルモンの変動などが誘因とされておる。いずれにせよ、内耳全体が水膨れのようになるイメージじゃ。

アユム アユム

症状はめまいだけなんですか?

博士 博士

いや、三主徴として「回転性めまい・感音性難聴・耳鳴」が揃うのが特徴じゃ。さらに耳閉感を伴うこともあるのじゃ。

アユム アユム

めまいの性状を問う問題ですが、回転性ってどういう感じですか?

博士 博士

自分や周りがぐるぐる回転する明らかな「回旋感」を伴うめまいじゃ。これに対して立ちくらみのようなふわっとした感覚は浮動性めまいといい、起立性低血圧や脳循環の問題を示唆することが多い。

アユム アユム

持続時間もポイントですか?

博士 博士

その通り。メニエール病の発作は数十分から数時間で、BPPV(良性発作性頭位めまい症)の数秒から1分程度とは区別される重要な特徴じゃ。

アユム アユム

なぜ伝音性難聴ではなく感音性難聴になるんですか?

博士 博士

障害部位が内耳の蝸牛だからじゃ。外耳・中耳の伝音系は正常で、音を神経信号に変える蝸牛が障害されるから感音性難聴になる。しかも低音域から障害されるのが初期の特徴じゃな。

アユム アユム

発作期の治療はどうするんですか?

博士 博士

急性期は安静と薬物療法が中心で、外科治療は行わん。抗めまい薬、制吐薬、浸透圧利尿薬のイソソルビドなどを使う。難治例に限って内リンパ嚢開放術を間歇期に検討する程度じゃ。

アユム アユム

看護のポイントは何ですか?

博士 博士

発作時は転倒予防のため暗く静かな環境で安静、嘔吐対策、頭位変換を最小限に。間歇期は塩分制限とストレス管理の生活指導が再発予防の柱じゃ。仕事や家事との両立に悩む患者も多いから、心理的支援も大切じゃよ。

アユム アユム

反復性の発作があるかどうかで突発性難聴と鑑別するんですね。

博士 博士

そのとおり。突発性難聴は一回きりの聴力低下が主で、めまいを伴うこともあるが反復はしない。治療も早期のステロイドが基本で、メニエール病とはアプローチがまったく異なる。

POINT

メニエール病は内耳の内リンパ水腫を本態とし、回転性めまい・感音性難聴・耳鳴の三主徴が反復する疾患です。めまいは数十分から数時間持続する明らかな回旋感を伴い、悪心嘔吐や眼振を伴うのが特徴で、蝸牛症状として低音域中心の感音性難聴と耳閉感を呈します。治療は発作期の安静と薬物療法が基本で、外科治療は難治例に間歇期に限って行われます。看護では発作時の転倒予防と嘔吐対策、間歇期の塩分制限・ストレス管理・生活リズム整備といった生活指導が再発予防の柱となり、反復性という疾患特性から長期的な自己管理支援が求められる重要テーマです。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:Ménière〈メニエール〉病( Ménièreʼs disease )で正しいのはどれか。

解説:正解は 2 です。メニエール病は内耳の内リンパ水腫(内リンパ液の貯留)を病態とする疾患で、回転性めまい・難聴・耳鳴の三主徴が反復するのが特徴である。発作時には周囲や自分がぐるぐる回るような明らかな回転性のめまいが突然出現し、数十分から数時間持続することが多い。悪心・嘔吐を伴い、眼振が認められる。蝸牛症状としては低音域中心の感音性難聴と低調性の耳鳴が典型で、発作を繰り返すうちに聴力が階段状に低下することもある。

選択肢考察

  1. × 1.  伝音性難聴を伴う。

    メニエール病の障害部位は内耳(蝸牛)であり、感音性難聴を呈する。とくに初期は低音域の感音性難聴で始まる。伝音性難聴は外耳・中耳の障害(耳垢塞栓・中耳炎・鼓膜穿孔など)で生じる。

  2. 2.  めまいは回転性である。

    内リンパ水腫による前庭機能の障害で、周囲が回転するような明らかな回転性めまいが特徴。持続時間は数十分から数時間で、悪心・嘔吐や眼振を伴う。

  3. × 3.  発作期に外科治療を行う。

    発作期は安静と薬物療法(抗めまい薬、制吐薬、利尿薬としてのイソソルビド、必要に応じて抗不安薬)が基本。内リンパ嚢開放術などの外科治療は、薬物療法で制御できない難治例に間歇期に検討する。

  4. × 4.  蝸牛の機能は保たれている。

    内リンパ水腫は蝸牛にも及ぶため、難聴・耳鳴という蝸牛症状が必発である。蝸牛機能は障害されており、反復する発作により聴力が進行性に低下することもある。

メニエール病の三主徴は「めまい・難聴・耳鳴」で、発作を繰り返すのが診断上重要。急性期は安静・暗室管理・嘔吐対策が中心で、間歇期には塩分制限、ストレス管理、十分な睡眠、カフェイン・アルコール制限といった生活指導が再発予防に有効である。突発性難聴との鑑別では、メニエール病は反復性でめまいを伴うのに対し、突発性難聴は一回性で聴力低下が主体という違いを押さえておきたい。

メニエール病の病態(内リンパ水腫)と三主徴、とくにめまいの性状を問う問題。