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TUR-P術後のAさんに何を伝える?退院指導の要点

看護師国家試験 第107回 午前 第87問 / 成人看護学 / 泌尿器・性・生殖器系

国試問題にチャレンジ

107回 午前 第87問

Aさん( 63歳、男性 )。BMI24。前立腺肥大症( prostatic hyperplasia )のため経尿道的前立腺切除術を受け、手術後3日で膀胱留置カテーテルが抜去された。数日後に退院する予定である。 Aさんへの退院指導で適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. 1.散歩を控える。
  2. 2.水分摂取を促す。
  3. 3.長時間の座位を控える。
  4. 4.時間をかけて入浴する。
  5. 5.排便時に強くいきまないようにする。

対話形式の解説

博士 博士

63歳男性のAさんがTUR-Pを受けて退院じゃ。何を指導する?

サクラ サクラ

尿道粘膜が再生するまで時間がかかるんですよね。

博士 博士

そうじゃ、完全治癒まで約3ヶ月、特に1ヶ月は出血と感染のリスクが続く。

サクラ サクラ

じゃあ水分摂取を促して、尿量を確保して感染予防ですね。

博士 博士

正解。1日1.5〜2Lが目安じゃ。尿で細菌を洗い流すイメージじゃな。

サクラ サクラ

排便時のいきみも関係しますか?

博士 博士

大いにある。怒責で腹圧が上がると創部に圧がかかり、出血を誘発するのじゃ。

サクラ サクラ

だから便秘予防と緩下剤の活用が大事なんですね。

博士 博士

うむ。散歩はどうじゃ?

サクラ サクラ

軽い運動は血流を促して回復にいいんですよね。安静のしすぎは逆効果と習いました。

博士 博士

そうじゃ。ただし激しい運動や重い荷物、長時間の自転車・長距離運転は避けるのじゃぞ。

サクラ サクラ

長湯も控えるんですか?

博士 博士

温まって血管が拡張すると出血しやすくなるから、術後1ヶ月はシャワー程度が望ましい。

サクラ サクラ

アルコールやカフェインはどうですか?

博士 博士

膀胱を刺激して血尿のリスクが上がるから、控えめに、と指導するのじゃ。

サクラ サクラ

晩期合併症で気をつけるべきものは?

博士 博士

TUR症候群による低Na血症や逆行性射精、尿道狭窄、遅発性出血じゃな。血尿や発熱があれば即受診するよう伝えるのじゃ。

サクラ サクラ

患者さんが家でも安心して過ごせるように、具体的な数字や生活の工夫を伝えることが大切ですね。

POINT

TUR-P術後の退院指導は出血予防と感染予防が二本柱です。水分摂取の推奨と排便時の怒責回避が正解で、激しい運動・長湯・アルコール・長時間の自転車や長距離運転は1ヶ月程度控えるよう指導します。尿道粘膜の完全治癒には約3ヶ月かかるため、血尿や発熱など異常時の受診行動も併せて伝えましょう。看護師は日常生活に即した具体的なアドバイスで患者のセルフケアを支援します。

解答・解説

正解は 2 5 です

問題文:Aさん( 63歳、男性 )。BMI24。前立腺肥大症( prostatic hyperplasia )のため経尿道的前立腺切除術を受け、手術後3日で膀胱留置カテーテルが抜去された。数日後に退院する予定である。 Aさんへの退院指導で適切なのはどれか。2つ選べ。

解説:正解は 2 と 5 です。経尿道的前立腺切除術(TUR-P)は内視鏡的に前立腺組織を電気メスで削り取る手術で、術後約3ヶ月かけて尿道粘膜が再生します。術後1ヶ月程度は創面が脆弱で、出血や感染のリスクが続くため、退院指導では以下が重要となります。(1)尿路感染予防のため1日1.5〜2Lの水分摂取を促し尿量を確保する。(2)排便時の強い怒責は腹圧上昇により創部出血を誘発するため、便秘を予防しいきまないよう指導する。散歩などの軽い運動は回復促進のため推奨されますが、激しい運動・長時間の座位(自転車・長距離運転)・長湯・飲酒は出血リスクを高めるため控えます。

選択肢考察

  1. × 1.  散歩を控える。

    軽度の運動は血流改善と回復促進に有効で、むしろ推奨されます。

  2. 2.  水分摂取を促す。

    尿量を確保し尿路感染を防ぐため1日1.5〜2Lの水分摂取を指導します。

  3. × 3.  長時間の座位を控える。

    自転車や長距離運転など前立腺部を圧迫する長時間座位は控えるべきですが、一般的な座位を制限する必要はありません。選択肢の表現では不適切です。

  4. × 4.  時間をかけて入浴する。

    長湯は血管拡張で出血リスクが上がるため、術後1ヶ月は短時間のシャワーが望ましいです。

  5. 5.  排便時に強くいきまないようにする。

    怒責による腹圧上昇は創部出血を誘発するため、緩下剤などで便秘を予防し強いいきみを避けます。

TUR-P術後の晩期合併症として、TUR症候群(灌流液吸収による低Na血症)、逆行性射精、尿道狭窄、術後出血があります。退院後も血尿・発熱・排尿困難があれば速やかに受診するよう指導します。カフェイン・アルコール・香辛料も膀胱刺激と出血リスクから術後1ヶ月は控えめにします。

TUR-P術後の出血・感染予防を目的とした退院指導内容を理解しているかを問う設問です。