膀胱癌のキホンを押さえよう
看護師国家試験 第110回 午後 第28問 / 成人看護学 / 泌尿器・性・生殖器系
国試問題にチャレンジ
膀胱癌( bladder cancer )ついて正しいのはどれか。
- 1.女性に多い。
- 2.尿路上皮癌より腺癌が多い。
- 3.経尿道的生検によって治療法を決定する。
- 4.表在性の癌に対して膀胱全摘除術が行われる。
対話形式の解説
博士
膀胱癌について整理するぞ。男女どちらに多いか覚えておるか?
アユム
確か男性に多かったと思います。
博士
うむ、約3〜4倍男性に多い。喫煙が大きなリスク因子じゃ。
アユム
組織型は何が多いのですか?
博士
尿路上皮癌が9割以上を占めるのじゃ。腺癌や扁平上皮癌は少ない。
アユム
症状の代表は?
博士
無症候性の肉眼的血尿が最初のサインじゃな。頻尿や排尿時痛もある。
アユム
診断はどうするのですか?
博士
尿細胞診や膀胱鏡で疑い、TURBTで組織診を行って治療方針を決める。
アユム
TURBTは治療も兼ねているのですね。
博士
そうじゃ。表在性ならそのまま切除+BCG膀胱内注入で様子を見ることもある。
アユム
筋層浸潤の場合は?
博士
膀胱全摘と尿路変向術が標準じゃ。
アユム
表在性には膀胱全摘をしないのですね。
博士
筋層に達していないので通常は行わん。過剰治療になる。
アユム
尿路変向術の代表は?
博士
回腸導管、新膀胱、尿管皮膚瘻があるぞ。ストーマケア指導が大事じゃ。
アユム
正解は3の経尿道的生検によって治療法を決定する、ですね。
博士
うむ、完璧じゃ。
POINT
膀胱癌は男性に多く、90%以上が尿路上皮癌です。初発症状は無症候性血尿が特徴的で、診断・初期治療としてTURBTが重要な役割を果たします。表在性はTURBT+BCG、筋層浸潤は膀胱全摘+尿路変向と覚え、術後のストーマケアや自己導尿指導まで理解しておきましょう。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:膀胱癌( bladder cancer )ついて正しいのはどれか。
解説:正解は3です。膀胱癌の診断確定と治療方針決定には、経尿道的膀胱腫瘍生検(TURBT)による組織診が不可欠です。深達度や組織型を確認することで、表在性なら内視鏡的切除、筋層浸潤癌なら膀胱全摘や化学療法・放射線療法を選択します。
選択肢考察
-
× 1. 女性に多い。
膀胱癌は男性に多い疾患で、男女比はおよそ3〜4:1です。喫煙や芳香族アミン曝露などリスク因子の違いが背景にあります。
-
× 2. 尿路上皮癌より腺癌が多い。
膀胱癌の90%以上は尿路上皮癌(移行上皮癌)で、扁平上皮癌や腺癌は少数派です。
-
○ 3. 経尿道的生検によって治療法を決定する。
TURBTで腫瘍を切除しつつ組織診断を行い、深達度・悪性度に応じて表在性・筋層浸潤性を区別し治療方針を決定します。
-
× 4. 表在性の癌に対して膀胱全摘除術が行われる。
表在性癌は筋層に達しないためTURBTや膀胱内注入療法(BCGなど)が主体で、膀胱全摘は筋層浸潤癌や再発高リスク例に適応されます。
初発症状は無症候性肉眼的血尿が多く、喫煙は最大のリスク因子です。膀胱全摘時は尿路変向術(回腸導管・新膀胱・尿管皮膚瘻)が必要で、退院指導ではストーマケアや自己導尿の習得が重要になります。
膀胱癌の疫学・組織型・診断治療の基本を総合的に理解しているかを問う問題です。
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