尿管結石の治療は鎮痛と砕石が二本柱じゃ
看護師国家試験 第110回 午前 第88問 / 成人看護学 / 泌尿器・性・生殖器系
国試問題にチャレンジ
尿管結石症( ureterolithiasis )の治療で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 1.尿路変更術
- 2.血管拡張薬の投与
- 3.カルシウム製剤の投与
- 4.体外衝撃波砕石術<ESWL>
- 5.非ステロイド系抗炎症薬の投与
対話形式の解説
博士
尿管結石の発作的な痛みをどう取ると思う
アユム
鎮痛薬ですか
博士
その通りじゃ。NSAIDsが第一選択になる
アユム
どうしてNSAIDsなんですか
博士
尿管平滑筋の攣縮とプロスタグランジン産生が疝痛の原因じゃから、これを抑えるのが理にかなっておる
アユム
結石そのものはどう取り除くんですか
博士
10mm以下なら自然排石を待つ。水分摂取と排石促進剤で流していくぞ
アユム
10mm超えたら手術ですか
博士
ESWL、体外衝撃波砕石術が代表的じゃ。衝撃波を当てて粉々にする
アユム
切らずにできるんですね
博士
低侵襲で外来でも可能じゃ。TULやPNLという内視鏡的な方法もある
アユム
尿路変更術は違うんですか
博士
あれは膀胱全摘後の再建術じゃ。結石には使わん
アユム
血管拡張薬も違うんですね
博士
そう、狭心症などの血管疾患に使うもの。排石にはα遮断薬や抗コリン薬じゃな
アユム
カルシウム製剤はどうですか
博士
シュウ酸カルシウム結石が多いから、投与は逆効果になる可能性がある
アユム
食事ではどう気をつけるんですか
博士
シュウ酸を含むほうれん草やチョコの過剰摂取に注意、適量のカルシウムは腸でシュウ酸を結合してくれるぞ
アユム
水分摂取は1日どのくらいですか
博士
2L以上が目安じゃ。再発予防には欠かせん
POINT
尿管結石症の治療は疝痛発作の鎮痛と結石の除去が二本柱です。NSAIDsはプロスタグランジン合成を阻害して尿管内圧を下げつつ鎮痛する第一選択薬で、10mm以上の結石にはESWLやTUL、PNLなどの砕石・摘出術が選択されます。尿路変更術や血管拡張薬、カルシウム製剤は適応外です。再発予防には飲水と食事指導が欠かせません。
解答・解説
正解は 4 ・ 5 です
問題文:尿管結石症( ureterolithiasis )の治療で適切なのはどれか。2つ選べ。
解説:正解は4と5です。尿管結石症の治療は、結石の大きさ・位置・症状に応じて選択されます。自然排石が期待できない10mm超の結石にはESWL(体外衝撃波砕石術)や内視鏡的砕石術が、疝痛発作に対してはNSAIDsによる鎮痛と抗コリン薬などの排石促進が基本となります。
選択肢考察
-
× 1. 尿路変更術
尿路変更術は膀胱全摘後などで尿路を再建する術式で、尿管結石の標準治療ではありません。結石の摘出や破砕が目的であり、尿路そのものを変更する必要はありません。
-
× 2. 血管拡張薬の投与
血管拡張薬は狭心症などの血管疾患に用いる薬剤で、尿管結石の排石や疼痛緩和には適応がありません。排石促進にはα遮断薬や抗コリン薬が用いられます。
-
× 3. カルシウム製剤の投与
尿管結石の大半はシュウ酸カルシウム結石であり、カルシウム製剤の投与は結石形成を助長する恐れがあります。食事からの適量カルシウム摂取はシュウ酸吸収を抑える予防効果があります。
-
○ 4. 体外衝撃波砕石術<ESWL>
体外から衝撃波を照射して結石を粉砕し、尿とともに排出させる低侵襲治療です。10mm以上や自然排石困難例が適応で、開腹せず行えるのが利点です。
-
○ 5. 非ステロイド系抗炎症薬の投与
尿管結石による疝痛は尿管平滑筋の攣縮とプロスタグランジン産生が関与するため、NSAIDsが第一選択の鎮痛薬となります。プロスタグランジン合成阻害で尿管内圧も低下させる効果があります。
尿管結石症の急性期対応は『3S』と覚えると便利で、Stone size(結石の大きさ)、Stop pain(NSAIDsでの除痛)、Stream(水分摂取と利尿で排石促進)がキーワードです。10mm以下は自然排石が期待でき、飲水量2L/日以上と適度な運動を指導します。再発予防のためシュウ酸を多く含む食品の過剰摂取やプリン体制限も重要です。
尿管結石症の標準治療として鎮痛と砕石の二本柱を理解しているかを問う問題です。
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