StudyNurse

在宅と外来をつなぐ情報共有 医療材料の一貫性がケアを守る

看護師国家試験 第106回 午前 第65問 / 地域・在宅看護論 / 地域包括ケアシステムと多職種連携

国試問題にチャレンジ

106回 午前 第65問

訪問看護の利用者に関する訪問看護と病院の外来看護の連携で適切なのはどれか。

  1. 1.訪問看護報告書は外来看護師に提出する。
  2. 2.利用者の個人情報の相互共有に利用者の承諾書は不要である。
  3. 3.利用者が使用している医療材料の情報を外来看護師と共有する。
  4. 4.訪問看護師から外来看護師に利用者の外来診察の予約を依頼する。

対話形式の解説

博士 博士

今日は訪問看護と外来看護の連携の問題じゃ。在宅療養者が外来に来る場面を想像するとよい。

サクラ サクラ

訪問看護で使っている吸引チューブとかストーマ装具って、外来でも同じ物を使えるといいですよね。

博士 博士

まさにそこがポイントじゃ。選択肢3「利用者が使用している医療材料の情報を外来看護師と共有する」が正解じゃよ。

サクラ サクラ

どうして医療材料の情報共有がそんなに大事なんですか?

博士 博士

例えば病院で新しいカテーテルを勝手に処方すると、在宅で使っていた物と合わずに交換のたびに出血したり、利用者が扱いに困ることがある。ケアの継続性と安全を守るためには、同じ物品を使えるよう情報を合わせる必要があるのじゃ。

サクラ サクラ

なるほど、利用者さんの混乱を減らす意味もあるんですね。選択肢1の「訪問看護報告書は外来看護師に提出する」はどうですか?

博士 博士

訪問看護報告書は法令で「主治医に提出する」と決まっておる。外来看護師に直接出すものではないが、看護師間の連携には別途サマリーやICTツールを使うのじゃ。

サクラ サクラ

選択肢2の「個人情報の共有に承諾書は不要」は明らかに誤りですよね。

博士 博士

うむ、個人情報保護法により第三者提供には本人の同意が原則必要。同じ医療者でも、病院と訪問看護ステーションは別組織じゃから、同意書の取得が欠かせない。

サクラ サクラ

選択肢4の「外来診察の予約を訪問看護師が依頼する」は?

博士 博士

予約は本人または家族が行うのが原則。看護師の業務は「療養上の世話と診療の補助」で、予約代行は本来業務ではない。ただし認知症等で本人・家族が難しい場合は、ケアマネジャーが調整することもある。

サクラ サクラ

つまり例外はあるけれど、原則は本人・家族ですね。

博士 博士

そうじゃ。さらに言えば、訪問看護と外来の連携は「退院前カンファレンス」や「看護サマリー」「MCSなどのICTツール」が中心的な手段になっておる。

サクラ サクラ

MCSって、メディカルケアステーションですよね?

博士 博士

その通り。無料で使えるSNS型の医療連携ツールで、多職種で同じ患者情報を共有できる。個人情報管理のルールを守ることが前提じゃ。

サクラ サクラ

診療報酬上も連携の評価が増えていると聞きました。

博士 博士

2018年以降、退院時共同指導料や情報提供加算などが拡大しており、国も多職種連携を強く後押ししておる。

サクラ サクラ

看護師は制度の知識と、現場での情報共有スキルの両方が求められるんですね。

博士 博士

うむ。特に療養の場が在宅・病院・施設と行き来するようになると、切れ目のない看護を提供するために情報共有の質が問われるのじゃよ。

POINT

訪問看護と外来看護の連携では、「療養の場が変わってもケアの一貫性を保つ」ことが基本原則です。使用中の医療材料を共有すれば、外来受診時の処方や処置を在宅と揃えられ、利用者の混乱や医療事故を防げます。一方、訪問看護報告書は主治医提出、個人情報の共有には本人同意が必要、外来予約は原則本人・家族が行う、といった基本ルールも押さえておく必要があります。近年は看護サマリーやICTツール(MCSなど)を活用した多職種連携が進み、診療報酬でも連携の評価が拡大しています。看護師は制度と現場の両方の視点で、切れ目のないケアを設計する役割を担います。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:訪問看護の利用者に関する訪問看護と病院の外来看護の連携で適切なのはどれか。

解説:正解は 3 の「利用者が使用している医療材料の情報を外来看護師と共有する」です。訪問看護と外来看護の連携の目的は、療養の場が変わっても継続性のあるケアを提供することです。利用者が自宅で使用している吸引カテーテル、ストーマ装具、経管栄養セット、在宅酸素機器、カテーテル類、褥瘡処置材料などの医療材料情報は、外来受診時や入退院時の処方・処置選択に直結するため、看護師間で共有することが欠かせません。同じ物品を継続して使えるか、病院で取り扱っているか、使い方に工夫があるかといった情報を共有することで、利用者が混乱なく在宅療養を続けられます。

選択肢考察

  1. × 1.  訪問看護報告書は外来看護師に提出する。

    訪問看護報告書は主治医に定期的に提出することが介護保険法・健康保険法で定められている。外来看護師に直接提出する書類ではないが、情報共有のために写しや看護サマリーを用いて連携することはある。

  2. × 2.  利用者の個人情報の相互共有に利用者の承諾書は不要である。

    個人情報保護法により、医療・介護にかかる情報の第三者提供には本人の同意が原則必要である。訪問看護ステーションと病院は別組織であるため、利用者からの同意取得が欠かせない。

  3. 3.  利用者が使用している医療材料の情報を外来看護師と共有する。

    在宅と外来でケアを継続するためには、使用中の医療材料の情報共有が不可欠。種類・サイズ・使用頻度・入手経路を共有することで、外来受診時の処方や処置に一貫性を持たせられる。

  4. × 4.  訪問看護師から外来看護師に利用者の外来診察の予約を依頼する。

    外来受診の予約は原則として本人または家族が行う。看護師の業務は「療養上の世話と診療の補助」であり、予約の代行は基本的に含まれない。ただし認知症等で本人・家族による予約が困難な場合はケアマネジャーを介して調整することもある。

訪問看護と外来看護の連携ツールとしては、看護サマリー、連絡ノート、電話やファクス、近年は医療介護連携ICT(MCSやバイタルリンクなど)が活用される。個人情報を扱う際は同意書の取得、匿名化、限定的な共有を徹底する。2018年以降の診療報酬・介護報酬改定でも多職種連携の評価項目が拡大しており、切れ目のない看護の重要性が強調されている。

療養の場をまたいだ看護の継続性と個人情報保護の両立が問われる問題。医療材料情報の共有はケア継続の基盤であることを押さえる。