StudyNurse

日本語が話せない外国人母にまず必要な社会資源は?

看護師国家試験 第103回 午前 第79問 / 地域・在宅看護論 / 地域・在宅看護における安全と健康危機管理

国試問題にチャレンジ

103回 午前 第79問

外国人の女性が38.5℃の発熱のある生後3か月の男児を連れて小児科診療所を受診した。男児は上気道炎(upper respiratory inflammation)であった。女性は日本語が十分に話せず、持参した母子健康手帳から、男児はこの女性と日本人男性との間に生まれた子どもであることが分かった。夫は同居していない様子である。外来看護師は女性に、4か月児健康診査のことを知っているかを尋ねたが、女性は看護師の質問を理解できない様子であった。 男児が4か月児健康診査を受診するために必要な社会資源で優先度が高いのはどれか。

  1. 1.近所の病院
  2. 2.通訳のボランティア
  3. 3.児童相談所の児童福祉司
  4. 4.地区担当の母子健康推進員

対話形式の解説

博士 博士

今日は外国人女性と生後3か月の男児の事例じゃ。男児は上気道炎で受診、夫は同居していない様子で、4か月児健診について聞いても母親が理解できない状況じゃな。

サクラ サクラ

母親が日本語を話せないのが大きな問題ですね。

博士 博士

そう、コミュニケーション断絶が最大の壁じゃ。これを解消せねば、どんな支援も届かんのじゃ。

サクラ サクラ

選択肢1の近所の病院はどうですか?

博士 博士

4か月児健診は通常、市町村の保健センターで行われるから病院紹介は的外れじゃ。それに言葉が通じねば受診行動に結びつかんの。

サクラ サクラ

3の児童福祉司は?

博士 博士

虐待や養育困難の確認情報がない段階で児童相談所を持ち出すのは飛躍じゃ。仮に必要でも通訳がなければ介入できんしの。

サクラ サクラ

4の母子健康推進員も悩みますね。

博士 博士

母子健康推進員は地域で母子保健を支援するボランティアじゃが、言語が通じねば訪問しても支援が成立せん。順序として通訳が先じゃ。

サクラ サクラ

じゃあ正解は2の通訳ボランティアですね。

博士 博士

その通り。通訳を介して初めて健診の意義・受診方法・母親のニーズ把握・家庭背景の確認・他の支援への接続ができる。すべての出発点が言語の壁の解消じゃ。

サクラ サクラ

外国人支援では「言葉の壁>情報の壁>制度の壁」の順で解消するんですね。

博士 博士

覚えやすい整理じゃ。最近は自治体の多文化共生センター、医療通訳派遣、電話・タブレット通訳など資源も増えておる。母子健康手帳も多言語版があるぞ。

サクラ サクラ

夫が同居していないという情報は気になりますが…

博士 博士

ええ視点じゃ。じゃが詳細は通訳を介して聞き取らねばわからん。まずは通訳、その後にニーズ評価、必要に応じて母子保健推進員や児童福祉の介入につなげるんじゃ。

サクラ サクラ

優先順位は通訳→アセスメント→各種支援、と整理します。

POINT

外国人母子の支援では言語の壁の解消が最優先で、通訳ボランティアが他のすべての社会資源活用の前提となります。母親が4か月児健診の意義や受診方法を理解できなければ、近所の病院・児童福祉司・母子健康推進員のいずれも有効に機能しません。通訳を介してニーズを把握し、必要な母子保健・福祉サービスへ接続する流れが基本です。「言葉の壁>情報の壁>制度の壁」の順で解消する視点が重要です。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:外国人の女性が38.5℃の発熱のある生後3か月の男児を連れて小児科診療所を受診した。男児は上気道炎(upper respiratory inflammation)であった。女性は日本語が十分に話せず、持参した母子健康手帳から、男児はこの女性と日本人男性との間に生まれた子どもであることが分かった。夫は同居していない様子である。外来看護師は女性に、4か月児健康診査のことを知っているかを尋ねたが、女性は看護師の質問を理解できない様子であった。 男児が4か月児健康診査を受診するために必要な社会資源で優先度が高いのはどれか。

解説:正解は 2 です。本事例の最大の問題は言語の壁によるコミュニケーション断絶で、外来看護師の質問すら理解できていない状況です。母親が4か月児健診の意義・受診方法・必要性を理解しなければ、どんな社会資源を紹介しても活用できません。したがって最優先で確保すべき社会資源は通訳ボランティアです。通訳が入って初めて、健診の説明、母親のニーズ把握、夫不在の家庭背景の確認、母子保健サービスや児童福祉的支援への接続が可能になります。在留外国人や外国にルーツを持つ家族の支援では、まず言葉の壁を解消することがすべての出発点になる、と覚えておきましょう。

選択肢考察

  1. × 1.  近所の病院

    誤り。4か月児健診は通常市町村の保健センター等で実施され、近所の病院受診が直接の解決にはなりません。何より言語の壁があるため、別の医療機関を紹介しても受診行動につながりません。

  2. 2.  通訳のボランティア

    正しい。母親に健診の意義や受診方法を理解してもらうには言語の壁を解消することが最優先です。通訳を介して初めて他の支援につながり、最も優先度の高い社会資源です。

  3. × 3.  児童相談所の児童福祉司

    誤り。虐待や養育困難が確認されているわけではなく、現段階で児童福祉司の関与は飛躍があります。仮に必要でも通訳がなければ介入は困難です。

  4. × 4.  地区担当の母子健康推進員

    誤り。母子健康推進員は地域で母子保健を支援するボランティアですが、言語が通じなければ訪問してもサポートが成立しません。通訳の方が優先されます。

在留外国人の医療受診支援では、自治体の多文化共生センター、医療通訳派遣事業、電話・タブレット通訳サービスなどが活用されます。母子保健分野では母子健康手帳が多言語版で発行されており、自治体窓口で入手可能です。「言葉の壁>情報の壁>制度の壁」の順で解消するのが基本です。

外国人母子への支援において、言語の壁を解消する通訳支援が最優先の社会資源であることを理解しているかを問う問題です。