インフルエンザ流行期 事業所での予防対策
看護師国家試験 第104回 午前 第59問 / 地域・在宅看護論 / 地域・在宅看護における安全と健康危機管理
国試問題にチャレンジ
インフルエンザが流行しているが、小規模多機能型居宅介護を行う事業所では罹患者はいない。 この事業所で看護師が行う罹患予防の対策で最も適切なのはどれか。
- 1.宿泊の利用を断る。
- 2.湿度を10%以下に保つ。
- 3.利用者に手洗いを勧める。
- 4.利用者に予防的に抗インフルエンザ薬を与薬する。
対話形式の解説
博士
今日は小規模多機能型居宅介護でのインフルエンザ予防を考えるぞ。罹患者はまだいない状況じゃ。
サクラ
流行期ですが事業所内には感染者がいないということですね。
博士
その通り。最も基本的で効果的な予防策は何かの?
サクラ
石けんと流水による手洗いと、擦式アルコールでの手指消毒です。
博士
飛沫感染と接触感染を遮断するから手洗いは最重要じゃ。
サクラ
湿度を10%以下に保つのは適切ですか?
博士
逆効果じゃ。低湿度ではウイルスが活性化し、気道粘膜の防御も弱まる。
サクラ
推奨される湿度は?
博士
50〜60%程度が望ましいの。
サクラ
宿泊サービスを断るのはどうでしょう?
博士
罹患者がいない時点で一律に断るのは過剰反応で、利用者と家族の生活を圧迫してしまうんじゃ。
サクラ
予防的に抗インフルエンザ薬を全員に与えるのは?
博士
それは濃厚接触者など限定的な使用が原則で、健常者への予防投与は耐性ウイルスの懸念もある。
サクラ
やはり手洗いを利用者に勧めるのが最適ですね。
博士
併せてマスク着用、換気、予防接種、体調管理も徹底するんじゃ。
サクラ
職員が通い・訪問・泊まりで複数の利用者に関わるので、職員の感染対策も重要ですね。
POINT
インフルエンザは飛沫・接触感染するため、手洗いと手指消毒の徹底が最も基本的で効果的な予防策です。罹患者がいない状況での宿泊制限や全員への予防投薬は過剰で適切ではなく、湿度は50〜60%が推奨されます。小規模多機能型居宅介護では複数のサービスが交差するため、職員と利用者双方の標準予防策の徹底、予防接種、換気、体調管理を組み合わせて事業所内への持ち込み・拡散を防ぎます。罹患者発生時はゾーニングなど追加対応が必要です。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:インフルエンザが流行しているが、小規模多機能型居宅介護を行う事業所では罹患者はいない。 この事業所で看護師が行う罹患予防の対策で最も適切なのはどれか。
解説:正解は3です。インフルエンザの主な感染経路は飛沫感染と接触感染で、手指を介した感染を防ぐ手洗いは最も基本的で効果の高い予防策です。利用者・職員ともに励行することで事業所内への持ち込みと拡散を防げます。
選択肢考察
-
× 1. 宿泊の利用を断る。
現時点で罹患者はおらず、宿泊サービスを一律に断ることは利用者と家族の生活に大きな影響を与えます。過剰な制限は不適切で、感染予防策を徹底する方向で対応します。
-
× 2. 湿度を10%以下に保つ。
低湿度はインフルエンザウイルスを活性化させ気道粘膜の防御機能も低下させます。インフルエンザ予防には湿度50〜60%程度を保つのが適切で、10%以下は逆効果です。
-
○ 3. 利用者に手洗いを勧める。
石けんと流水による手洗い、または擦式アルコール手指消毒は接触感染の予防に最も有効です。利用者・職員・家族全員に励行することで罹患予防につながります。
-
× 4. 利用者に予防的に抗インフルエンザ薬を与薬する。
抗インフルエンザ薬の予防投与は、濃厚接触者など感染リスクが高く重症化しやすい人への限定的な対応です。罹患者のいない状況で全利用者に予防投与するのは適応外で、耐性ウイルス出現の懸念もあります。
インフルエンザ予防の柱は、手洗い・うがい・マスク着用・適切な湿度管理(50〜60%)・換気・予防接種・体調管理です。小規模多機能型居宅介護では通い・訪問・泊まりが組み合わさるため、職員が複数の場面で感染源にならないよう注意が必要です。罹患者発生時はゾーニングや個室管理、保健所への連絡など追加対応を行います。
感染拡大の起きていない状況での標準的予防策として、手洗いの徹底が最優先であることを理解しているかが問われています。
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