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在宅排便援助の感染対策

看護師国家試験 第111回 午後 第69問 / 地域・在宅看護論 / 地域・在宅看護における安全と健康危機管理

国試問題にチャレンジ

111回 午後 第69問

感染徴候のない在宅療養者に対する床上での排便の援助において、訪問看護師が行う感染対策で適切なのはどれか。

  1. 1.援助時には使い捨てのエプロンを着用する。
  2. 2.使用済みのオムツは感染性廃棄物として処分する。
  3. 3.使用済みの寝衣は次亜塩素酸ナトリウム液に浸す。
  4. 4.陰部洗浄で使用したボトルの洗浄に中性洗剤は用いない。

対話形式の解説

博士 博士

今日は在宅療養者の床上排便援助における感染対策じゃ。感染徴候はないという前提で、最も適切な対応を選ぶ問題じゃ。

サクラ サクラ

基本は標準予防策、スタンダードプリコーションですよね。

博士 博士

その通り。すべての血液・体液・排泄物・粘膜は感染の可能性があるものとして扱う。正解は選択肢1の『使い捨てエプロンを着用する』じゃ。

サクラ サクラ

排便介助だと手袋だけじゃなくエプロンも必要なんですね。

博士 博士

うむ、排泄物が衣服に飛ぶ可能性が高いからの。手袋とエプロン、必要に応じてマスクまで考える。

サクラ サクラ

選択肢2の『使用済みオムツを感染性廃棄物として処分』は?

博士 博士

これは施設と在宅の違いがポイントじゃ。医療機関の感染性廃棄物は感染症患者由来の廃棄物などで、専用のバイオハザードボックスに入れる。在宅では各自治体の可燃ごみ、つまり一般廃棄物として処分するのじゃ。

サクラ サクラ

在宅と病院で廃棄物の扱いが違うんですね。

博士 博士

そうじゃ。選択肢3の『寝衣を次亜塩素酸ナトリウムに浸す』は?

サクラ サクラ

感染徴候がないのにそこまでしなくていい気がします。

博士 博士

正解。普通の洗濯で十分じゃ。次亜塩素酸浸漬はノロウイルスや疥癬、多剤耐性菌などの感染症が明らかな場合に限定される。

サクラ サクラ

選択肢4の『陰部洗浄ボトルに中性洗剤を使わない』はどうでしょう?

博士 博士

これも誤りじゃ。個人使用のボトルであれば、家庭用の中性洗剤で洗って乾燥させれば衛生的に保てる。わざわざ薬剤消毒する必要はない。

サクラ サクラ

在宅の感染対策は家族の生活に配慮した現実的な対応が大事ですね。

博士 博士

そのとおりじゃ。病院基準を押し付けず、家庭で続けられる方法を一緒に考えるのが訪問看護の腕の見せ所じゃ。

サクラ サクラ

感染症がある利用者の場合は?

博士 博士

ノロや疥癬、多剤耐性菌などの感染が明らかなら、病院準拠の対応に切り替える。家族への指導も含めて対応するのじゃ。

サクラ サクラ

個人防護具はリスクで選ぶと整理できました。

博士 博士

手袋は全員、エプロンは衣服汚染リスク、マスク・ゴーグルは飛沫・飛散リスク、と覚えるのじゃ。

POINT

在宅療養者の排便援助では標準予防策に基づき、手袋と使い捨てエプロンの着用が適切です。使用済みオムツは家庭では一般廃棄物、寝衣は通常の洗濯、陰部洗浄ボトルは家庭用中性洗剤で洗浄します。病院と在宅の違いを押さえ、感染症が明らかな場合は対応を切り替える判断力が訪問看護師には求められます。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:感染徴候のない在宅療養者に対する床上での排便の援助において、訪問看護師が行う感染対策で適切なのはどれか。

解説:正解は 1 です。感染徴候のない在宅療養者でも、すべての血液・体液・排泄物・粘膜は感染の可能性があるものとして扱う標準予防策(スタンダードプリコーション)が基本です。排便介助では排泄物の飛散や衣服汚染の可能性が高いため、手袋と使い捨てエプロン、必要に応じてマスクを着用するのが適切です。

選択肢考察

  1. 1.  援助時には使い捨てのエプロンを着用する。

    排泄物による制服・皮膚汚染を防ぐため、標準予防策として使い捨てエプロンと手袋の着用が適切です。

  2. × 2.  使用済みのオムツは感染性廃棄物として処分する。

    医療機関の感染性廃棄物に該当するのは感染症患者由来の廃棄物等です。在宅では各自治体の可燃ごみ(一般廃棄物)として処分します。

  3. × 3.  使用済みの寝衣は次亜塩素酸ナトリウム液に浸す。

    感染徴候がない在宅療養者の寝衣は通常の洗濯で十分です。次亜塩素酸浸漬は感染症が明らかな場合などに限定されます。

  4. × 4.  陰部洗浄で使用したボトルの洗浄に中性洗剤は用いない。

    陰部洗浄ボトルは微温湯の水道水を入れる容器で、個人使用であれば家庭用中性洗剤で洗浄し乾燥させれば十分です。

標準予防策の個人防護具は行う処置のリスクで選択します。手袋は全員、エプロン・ガウンは衣服汚染リスク、マスク・ゴーグルは飛沫・飛散リスクで判断します。在宅の感染対策では病院と違い、家族の生活に配慮した現実的な対応(可燃ごみでの処分、家庭用洗剤の活用など)が求められます。利用者に感染症がある場合(ノロ、疥癬、多剤耐性菌等)は病院準拠の対応に切り替えます。

在宅での排泄援助における標準予防策の実践、とくに個人防護具の選択と在宅特有の廃棄物・洗濯処理を理解しているかを問う問題です。