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看多機ってなに? 〜医療ニーズが高くても在宅で暮らせる仕組み〜

看護師国家試験 第114回 午前 第58問 / 地域・在宅看護論 / 地域・在宅看護実践をめぐる制度

国試問題にチャレンジ

114回 午前 第58問

医療ニーズが高い要介護者が「通い」「訪問」「泊まり」のサービスを組み合わせて受けられる地域密着型サービスはどれか。

  1. 1.短期入所療養介護
  2. 2.看護小規模多機能型居宅介護
  3. 3.地域密着型特定施設入所者生活介護
  4. 4.認知症対応型共同生活介護<グループホーム>

対話形式の解説

博士 博士

今日は看護小規模多機能型居宅介護、通称「看多機」について学ぶぞ。

アユム アユム

介護保険のサービスってたくさんあって混乱します…。

博士 博士

ふむ、まずは大きく3つに分けると整理しやすい。「居宅サービス」「地域密着型サービス」「施設サービス」じゃ。

アユム アユム

地域密着型サービスはどんな特徴がありますか?

博士 博士

住み慣れた地域で生活を続けられるよう、原則として事業所と同じ市町村の住民が利用できるサービスじゃ。小規模で柔軟な対応が可能なのが特徴じゃ。

アユム アユム

問題のキーワードは「医療ニーズが高い」「通い・訪問・泊まりの組合せ」ですね。

博士 博士

その通り。これにピッタリ合うのが看護小規模多機能型居宅介護じゃ。

アユム アユム

看多機ってどんなサービスなんですか?

博士 博士

1つの事業所が「通い(デイサービス)」「訪問介護」「訪問看護」「泊まり(ショートステイ)」を一体的に提供する。訪問看護があるので医療依存度の高い人にも対応できるのが大きな特徴じゃ。

アユム アユム

退院直後の人にも使えますか?

博士 博士

むしろそういう人にこそ向いておる。経管栄養、点滴、褥瘡管理、終末期ケアなど医療処置が必要な利用者を、住み慣れた地域で支えられるんじゃ。

アユム アユム

選択肢を順に確認しますね。短期入所療養介護は?

博士 博士

いわゆる医療型ショートステイで、老健や医療施設に短期入所して医学的管理下のケアを受ける。「泊まり」は含むが「通い」「訪問」とは組み合わせない居宅サービスじゃ。

アユム アユム

地域密着型特定施設入所者生活介護は?

博士 博士

定員30人未満の有料老人ホームなどに入居して生活介護を受ける入居型サービスじゃ。組み合わせ型ではない。

アユム アユム

認知症対応型共同生活介護、つまりグループホームは?

博士 博士

認知症の要介護者が1ユニット5〜9人で共同生活する入居型サービスじゃ。これも組合せ型ではない。

アユム アユム

看多機の運用ルールはあるんですか?

博士 博士

登録定員29名以下、通い18名以下、宿泊9名以下が標準。月額包括報酬制で、状態に応じてサービス回数を柔軟に組み替えられるのがメリットじゃ。

アユム アユム

同じスタッフが継続的に関われるのもいいですね。

博士 博士

その通り。利用者にとっても家族にとっても安心感が大きい。さらにACPやターミナルケアでも力を発揮するサービスじゃ。

アユム アユム

看護師の役割は大きそうですね。

博士 博士

看多機では看護師が中心となって医療と介護をつなぐ。アセスメント、医療処置、家族支援、多職種連携、すべてが看護師の腕の見せどころじゃ。

POINT

看護小規模多機能型居宅介護(看多機)は、「通い」「訪問介護」「訪問看護」「泊まり」を1つの事業所で柔軟に組み合わせて提供する地域密着型サービスです。訪問看護が組み込まれているため、点滴・経管栄養・褥瘡管理・看取りケアなど医療ニーズの高い要介護者でも在宅生活を継続できる仕組みになっています。短期入所療養介護・地域密着型特定施設入所者生活介護・グループホームはいずれも入居型または単独サービスであり、看多機のような複合的な組合せは行いません。看護師は医療と介護をつなぐ要として、利用者の状態変化に応じたサービス調整、家族支援、多職種連携を担い、地域包括ケアの実現に貢献しています。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:医療ニーズが高い要介護者が「通い」「訪問」「泊まり」のサービスを組み合わせて受けられる地域密着型サービスはどれか。

解説:正解は 2 です。看護小規模多機能型居宅介護(看多機)は、小規模多機能型居宅介護に「訪問看護」を組み合わせた地域密着型サービスである。1つの事業所が「通い(デイサービス)」「訪問(介護+看護)」「泊まり(ショートステイ)」を一体的に提供し、医療ニーズの高い要介護者でも住み慣れた地域で療養生活を続けられるよう支援する。同一事業所内のスタッフが継続して関わるため、利用者と支援者の関係性が築きやすい点が特徴。

選択肢考察

  1. × 1.  短期入所療養介護

    いわゆる医療型ショートステイ。介護老人保健施設や医療施設に短期間入所し、医学的管理下での介護・看護・リハビリを受けるサービスで、「居宅サービス」に分類される。「泊まり」は含むが「通い」「訪問」とは組み合わせない。

  2. 2.  看護小規模多機能型居宅介護

    「通い」「訪問(介護・看護)」「泊まり」を一体的に提供する地域密着型サービス。訪問看護が組み込まれているため医療依存度の高い要介護者にも対応でき、退院直後やターミナル期の在宅療養支援に有用。

  3. × 3.  地域密着型特定施設入所者生活介護

    定員30人未満の有料老人ホームやケアハウス等の特定施設に入居して受ける生活介護サービス。地域密着型サービスではあるが、入居型であり「通い」「訪問」「泊まり」の組合せではない。

  4. × 4.  認知症対応型共同生活介護<グループホーム>

    認知症の要介護者が1ユニット5〜9人で共同生活を送る入居型の地域密着型サービス。生活の場であり、通い・訪問・泊まりを組み合わせるサービスではない。

看護小規模多機能型居宅介護は2012年に「複合型サービス」として創設され、2015年に現名称となった。事業所の登録定員29名以下、1日通い18名以下、宿泊9名以下が標準。月額包括報酬制で、必要に応じてサービス回数を柔軟に組み替えられる。退院直後の在宅移行期、医療処置(点滴、経管栄養、褥瘡管理など)が必要な人、看取り期の在宅支援などに特に有用。地域密着型サービスは原則として事業所と同一市町村の住民が利用対象となる点も押さえておく。

地域密着型サービスのうち、「医療ニーズが高い」「通い・訪問・泊まりの組合せ」というキーワードから看護小規模多機能型居宅介護を選べるかを問う問題。