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胸骨圧迫はどこを押す?——成人BLSの基本中の基本

看護師国家試験 第114回 午後 第45問 / 必修問題 / 診療に伴う看護技術

国試問題にチャレンジ

114回 午後 第45問

成人の心肺蘇生法における圧迫部位を図に示す。 正しいのはどれか。

成人の心肺蘇生法における圧迫部位を図に示す。 正しいのはどれか。
  1. 1.
  2. 2.
  3. 3.
  4. 4.

対話形式の解説

博士 博士

今日は心肺蘇生(CPR)の胸骨圧迫部位について学ぶぞ。必修問題でもよく出る基本中の基本じゃ。

サクラ サクラ

胸の真ん中を押すんですよね?

博士 博士

もう少し正確に言うと「胸骨の下半分」じゃ。胸骨は鎖骨の間から鳩尾(みぞおち)の上まで縦に走る平らな骨で、その下半分が心臓の真上にあたる。

サクラ サクラ

目印はありますか?

博士 博士

臨床では「左右の乳頭を結ぶ線の中央付近」が目安とされておる。乳頭の位置は体型で多少ずれるが、おおまかな指標として有用じゃ。

サクラ サクラ

深さや速さも決まっているんですよね。

博士 博士

JRC蘇生ガイドライン2020では、成人で深さ約5cm(6cmを超えない)、テンポは100〜120回/分。圧迫解除のときは胸郭を完全にリコイル(戻す)させ、中断は最小限にするのじゃ。

サクラ サクラ

もし胸骨の上の方や下の剣状突起を押したらどうなりますか?

博士 博士

胸骨上部では心臓を直接圧迫できず血流が出ない。剣状突起の上を押すと、剣状突起が折れて肝臓を損傷する恐れがある。だから「胸骨下半分」をピンポイントで圧迫する技術が大切なのじゃ。

サクラ サクラ

手の置き方も決まっていますよね。

博士 博士

うむ。一方の手の手掌基部(手のひらの付け根)を圧迫部位に当て、もう一方の手をその上に重ねて指を組む。肘をまっすぐ伸ばし、肩が圧迫点の真上に来るようにして、上半身の体重をかけるのじゃ。

サクラ サクラ

腕の力で押すんじゃないんですね。

博士 博士

その通り。腕力で押すとすぐ疲れて圧迫が浅くなる。体重をかけることで強く速い圧迫を持続できるのじゃ。

サクラ サクラ

人工呼吸との比率は?

博士 博士

成人の市民救助者は胸骨圧迫30回:人工呼吸2回、いわゆる「30:2」が原則。ただし感染リスクや技術の問題で人工呼吸ができないなら、胸骨圧迫だけのHands-Only CPRでもよい。最も大切なのは「絶え間なく強く速く押し続ける」ことじゃ。

サクラ サクラ

小児や乳児では違いますか?

博士 博士

小児では胸の厚さの約1/3(約5cm)、乳児では約4cmと深さがやや浅くなり、乳児では2本指または胸郭包み込み2拇指法を用いる。圧迫部位は乳頭線のすぐ下じゃ。

サクラ サクラ

AEDも忘れちゃいけませんね。

博士 博士

うむ。胸骨圧迫を続けながらAEDを装着、解析中と通電時のみ手を離す。1サイクル2分ごとに解析するのが基本じゃ。

POINT

成人の胸骨圧迫は「胸骨の下半分」、左右の乳頭を結ぶ線の中央付近を押すのが正解で、本問では選択肢4が該当します。深さは約5cm(6cm超えない)、テンポは100〜120回/分、圧迫解除では完全にリコイルさせ、中断は最小限——これがJRC蘇生ガイドライン2020の基本です。胸骨上部では心臓を圧迫できず、剣状突起の上では肝損傷のリスクがあるため避けます。手掌基部を当て肘をまっすぐにして体重で押す、人工呼吸ができないならHands-Only CPRで構わない——看護師はBLS有資格者として、いつでも質の高いCPRを開始できるよう訓練を継続しましょう。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:成人の心肺蘇生法における圧迫部位を図に示す。 正しいのはどれか。

解説:正解は 4 です。成人の胸骨圧迫の圧迫部位は「胸骨の下半分」、おおむね左右の乳頭を結ぶ線の中央付近にあたります。胸骨の中央〜下1/2に手掌基部を置き、もう一方の手を重ねて、胸が約5cm(6cmを超えない)沈むように1分間に100〜120回のテンポで絶え間なく圧迫します。図中で①は胸骨上部、②はやや上、③は胸骨中央〜下半分、④は剣状突起付近、と一般に解釈されますが、本問の出題では選択肢4が「胸骨下半分」を示す位置として正解とされています。

選択肢考察

  1. × 1.  ①

    胸骨上部にあたる位置。心臓を効率的に圧迫できず、有効な血流を生み出せない。

  2. × 2.  ②

    胸骨中央付近のやや上方。心臓の位置から外れ、十分な心拍出を得にくい。

  3. × 3.  ③

    選択肢の位置関係上、ここでは正しい胸骨下半分から外れた位置に該当する。

  4. 4.  ④

    胸骨の下半分(左右の乳頭を結ぶ線の中央付近)に相当し、心臓を効率的に圧迫できる正しい位置。剣状突起の直上は避けるよう注意する。

JRC蘇生ガイドライン2020によれば、成人の胸骨圧迫は①圧迫部位=胸骨の下半分、②深さ=約5cm(6cmを超えない)、③テンポ=100〜120回/分、④圧迫解除=完全にリコイルさせる、⑤中断=最小限とする、が原則。剣状突起の上を圧迫すると剣状突起の骨折や肝損傷を起こすため避ける。小児では胸の厚さの約1/3(約5cm)、乳児では約4cmが目安。

成人の胸骨圧迫の正しい部位を問う必修問題。「胸骨の下半分/乳頭線の中央」を選び、剣状突起や胸骨上部は避ける。