看護師のアドボカシーは患者の代弁
看護師国家試験 第108回 午後 第4問 / 必修問題 / 看護における倫理と法律
国試問題にチャレンジ
看護師が行う患者のアドボカシーで最も適切なのはどれか。
- 1.多職種と情報を共有する。
- 2.患者の意見を代弁する。
- 3.患者に害を与えない。
- 4.医師に指示を聞く。
対話形式の解説
博士
今回はアドボカシーの意味を問う問題じゃ。
アユム
博士、アドボカシーってよく聞くけれど、具体的にどういう意味ですか?
博士
アドボカシーは英語のadvocacyで「権利擁護」「代弁」という意味じゃ。看護の場面では、患者の意見や権利を守り、代わりに伝える行為を指すのじゃ。
アユム
なるほど、正解はどれですか?
博士
正解は2の「患者の意見を代弁する」じゃ。アドボカシーの核心そのものじゃな。
アユム
選択肢1の情報共有は違うんですね。
博士
多職種との情報共有は大切じゃが、それはチーム医療の概念。アドボカシーとはベクトルが違うんじゃ。
アユム
選択肢3の「害を与えない」は倫理的に正しいように思えますが?
博士
鋭いところを突くのぉ。それは「無危害の原則」という看護倫理の別の柱じゃ。アドボカシーとは区別されるのじゃ。
アユム
選択肢4の医師への指示受けは?
博士
それは診療の補助業務。患者の権利を守ることとは逆に、医師の判断に従う行為じゃな。
アユム
どんな場面でアドボカシーが特に重要ですか?
博士
意識障害のある患者、小児、認知症高齢者、重症化で発言できない人など、自分の意思を十分表明できない対象じゃ。こうした人の声なき声をすくい上げるのが看護師の役割じゃ。
アユム
倫理原則との関係を教えてください。
博士
看護倫理の4原則のうち「自律尊重」を具体化する行動がアドボカシーじゃ。日本看護協会の倫理綱領にも対象の擁護者としての役割が明記されておるぞ。
アユム
患者中心の医療に欠かせないんですね。
博士
その通り。「代弁する」というキーワードを忘れずに、臨床でも意識して関わるんじゃぞ。
POINT
アドボカシーは「権利擁護・代弁」を意味し、看護師が患者の意見や意思を代わりに伝え、権利を守る行為を指します。看護倫理4原則のうち「自律尊重」を具体化する中核的行動で、意思決定支援やインフォームド・コンセントの場面で特に重要です。情報共有や無危害原則、医師の指示受けとは異なる概念なので区別して理解しましょう。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:看護師が行う患者のアドボカシーで最も適切なのはどれか。
解説:正解は 2 です。アドボカシー(advocacy)は「権利擁護」「代弁」を意味し、自分の意思や権利を十分に表現できない患者に代わって、看護師がその意見・希望・権利を擁護し代弁することを指します。インフォームド・コンセントや意思決定支援の場面で特に重要となる概念で、看護倫理綱領でも中核的役割として位置づけられています。
選択肢考察
-
× 1. 多職種と情報を共有する。
多職種連携やチーム医療には必要な行動ですが、アドボカシーの本質である「代弁・権利擁護」とは別概念です。
-
○ 2. 患者の意見を代弁する。
アドボカシーはまさに「代弁」を意味し、患者の声を医療チームに届ける行為はアドボカシーの中核です。
-
× 3. 患者に害を与えない。
これは看護倫理原則の「無危害の原則(non-maleficence)」であり、アドボカシーとは別の倫理原則です。
-
× 4. 医師に指示を聞く。
医師の指示受けは診療補助業務の一部であり、患者の権利擁護であるアドボカシーとは異なります。
看護倫理の4原則は「自律尊重」「善行」「無危害」「正義」です。アドボカシーは「自律尊重」を実現する具体的行動として位置づけられ、判断能力が低下した高齢者や小児、意識障害のある患者など、自ら意思表示しにくい人の権利を守る役割を果たします。日本看護協会の「看護職の倫理綱領」でも、対象の擁護者としての役割が明記されています。
看護倫理における「アドボカシー」の意味(代弁・権利擁護)を正しく理解しているかを問う。
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