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災害後のストレス反応はいつ身体に強く出るか

看護師国家試験 第105回 午前 第24問 / 必修問題 / 患者の安全・安楽を守る看護技術

国試問題にチャレンジ

105回 午前 第24問

災害による心理的ストレスが身体反応として最も強く現れる時期はどれか。

  1. 1.発災後3〜7日
  2. 2.発災後2週〜1か月
  3. 3.発災後半年〜3年
  4. 4.発災後4年目以降

対話形式の解説

博士 博士

今日は災害時のストレス反応の時間経過を整理しよう。

アユム アユム

大きな災害のあと、被災者はどんな心身の変化を経験するのでしょうか?

博士 博士

まず発災直後から数日間は急性ストレス反応、ASRと呼ばれる時期だ。交感神経が緊張し、動悸や発汗、頭痛、不眠、食欲不振など身体症状が強く出る。

アユム アユム

3〜7日というのはその真っただ中なのですね。

博士 博士

そう。生体がショックに適応しようとする正常な反応で、多くの人に見られる。ここが身体反応のピークだよ。

アユム アユム

2週間から1か月はどうなりますか?

博士 博士

この頃から急性ストレス障害、ASDという概念に入る。フラッシュバックや回避、否定的感情など精神症状が前景に出てくる。身体反応のピークは過ぎているんだ。

アユム アユム

1か月以上続くとどうなるのでしょう?

博士 博士

PTSD、心的外傷後ストレス障害と診断される可能性がある。侵入症状、回避、認知と気分の陰性変化、過覚醒の4症状が基本だ。

アユム アユム

半年〜3年や4年以降は?

博士 博士

慢性期ではPTSDやうつ病、複雑性悲嘆など精神症状が長引くケースがある。身体反応そのものの強さは急性期には及ばない。

アユム アユム

災害後の心理段階を教えてください。

博士 博士

茫然自失期、ハネムーン期、幻滅期、再建期の4段階が知られている。ハネムーン期は連帯感で乗り切る時期で、幻滅期は支援が減って現実に直面する時期だよ。

アユム アユム

急性期に看護師ができることは何でしょう?

博士 博士

傾聴と安全確保、睡眠・食事・排泄の生活支援、そして反応が異常ではないことを説明するノーマライゼーションが大事だ。

アユム アユム

心理的応急処置という言葉も聞きます。

博士 博士

サイコロジカル・ファーストエイド、PFAだね。安全・安心・つながりを柱にした非専門家でも実施できる初期対応の枠組みだよ。

アユム アユム

どんなサインがあれば専門家につなぐべきですか?

博士 博士

1か月を超えても強い症状が続く、希死念慮がある、日常生活が送れない、飲酒や薬物に頼る、などの場合は精神科医療へ紹介する。

アユム アユム

時間軸と症状のイメージがつかめました。

博士 博士

身体反応のピークは3〜7日、その後精神症状が前景化し、1か月が診断の区切り。この流れを覚えておこう。

POINT

災害後の心理反応は時間軸で大きく変化し、発災後3〜7日に自律神経系の興奮による動悸・不眠・頭痛・食欲不振などの身体症状が最も強く現れます。2週〜1か月は急性ストレス障害として精神症状が主体となり、1か月以上持続するとPTSDに移行し得ます。看護師は急性期に傾聴や生活支援、ノーマライゼーションを行い、症状が遷延する場合は専門的精神医療につなぐ役割を担います。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:災害による心理的ストレスが身体反応として最も強く現れる時期はどれか。

解説:正解は1です。発災後3〜7日は急性ストレス反応(ASR)の時期にあたり、交感神経の緊張が高まって動悸・発汗・頭痛・不眠・食欲不振・下痢など自律神経系を介した身体症状が最も顕著に現れます。これは脅威的出来事に対する正常な適応反応で、多くは1か月以内に軽快しますが、症状が1か月を超えて持続するとPTSDに移行する可能性があります。

選択肢考察

  1. 1.  発災後3〜7日

    この時期は急性ストレス反応(ASR)期にあたり、交感神経緊張による動悸・不眠・食欲不振・頭痛などの身体症状が最も強く表れます。

  2. × 2.  発災後2週〜1か月

    この時期はフラッシュバックや回避症状など精神症状が前景化する急性ストレス障害(ASD)の時期で、身体症状のピークは過ぎ心理的症状が中心になります。

  3. × 3.  発災後半年〜3年

    症状が1か月以上持続するとPTSDと診断されますが、身体症状より侵入・回避・過覚醒・認知と気分の変化といった精神症状が主体となります。

  4. × 4.  発災後4年目以降

    長期経過例ではPTSDやうつ病、複雑性悲嘆などが慢性化し得ますが、身体反応の強さは急性期ほどではありません。

災害後の心理反応は時期で大別すると、茫然自失期(発災直後〜数日)、ハネムーン期(1週〜数か月、連帯感で乗り切る)、幻滅期(2か月〜1、2年、支援減少や現実直面)、再建期(数年〜)と推移します。看護では、急性期には傾聴と安全・生活支援を優先し、症状の自然経過を説明してノーマライゼーションを図ります。1か月を超える強い症状には精神科医療や心理的応急処置(サイコロジカル・ファーストエイド/PFA)での専門的介入を検討します。

災害後の心理的反応の時間経過と、急性期に身体症状が強く現れる特徴を理解しているかを問う問題です。