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無菌操作と清潔操作の使い分け

看護師国家試験 第113回 午前 第21問 / 必修問題 / 患者の安全・安楽を守る看護技術

国試問題にチャレンジ

113回 午前 第21問

無菌操作が必要なのはどれか。

  1. 1.浣腸
  2. 2.気管内吸引
  3. 3.口腔内吸引
  4. 4.経鼻胃管挿入

対話形式の解説

博士 博士

今日は無菌操作と清潔操作の違いを整理するぞ。見分けるコツは何じゃと思うかの。

サクラ サクラ

処置する部位がもともと無菌かどうか、ですか。

博士 博士

その通り。本来無菌の場所を扱うなら無菌操作、常在菌がいる場所なら清潔操作じゃ。

サクラ サクラ

気管内は無菌ですか。

博士 博士

声帯から下の下気道は正常では無菌じゃ。だから気管内吸引は無菌操作が必要になる。

サクラ サクラ

口腔内はどうでしょう。

博士 博士

口腔内は常在菌がびっしりおるから清潔操作でよい。未滅菌手袋で対応できる。

サクラ サクラ

浣腸はどうですか。

博士 博士

肛門・直腸は腸内細菌の住処じゃからな、清潔操作で十分じゃ。

サクラ サクラ

経鼻胃管挿入も無菌ではないのですね。

博士 博士

鼻腔・咽頭・食道・胃はすべて常在菌がおる。清潔操作で実施し、誤挿入と誤嚥予防の方が大事じゃ。

サクラ サクラ

他に無菌操作が必要な処置は何でしょう。

博士 博士

導尿、中心静脈カテーテル挿入、腰椎穿刺、創部処置、手術など、体内に直接器具を入れる処置じゃな。

サクラ サクラ

使う物品も違いますか。

博士 博士

滅菌済みの手袋・鑷子・カテーテル・ドレープを使うのが無菌操作じゃ。清潔操作は未滅菌の清潔物品で足りる。

サクラ サクラ

無菌操作で気をつけることは何ですか。

博士 博士

滅菌野を作って不潔なものに触れない、カテーテル先端を落とさない、手袋の汚染を防ぐ、の3点じゃ。

サクラ サクラ

感染管理の基本ですね。

博士 博士

うむ、医療関連感染を防ぐ大切な技術じゃ。

サクラ サクラ

自信を持って実施できるようにします。

博士 博士

根拠を意識して実践するのじゃぞ。

POINT

無菌操作は本来無菌である部位や物品を扱う処置で必須とされ、気管内吸引はその代表例です。下気道は正常では無菌のため、滅菌カテーテルと滅菌手袋を用い先端を汚染させないよう実施します。一方、浣腸・口腔内吸引・経鼻胃管挿入は常在菌が存在する部位への処置であり清潔操作で対応します。導尿や中心静脈カテーテル挿入、創部処置なども無菌操作が必要な処置群に含まれ、使用物品と手技の厳密さで両者を使い分けることが医療関連感染予防の基本となります。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:無菌操作が必要なのはどれか。

解説:正解は2の気管内吸引です。下気道は本来無菌状態であり、病原体を直接持ち込むと肺炎のリスクが高まるため、気管内吸引カテーテル操作は無菌操作で行います。

選択肢考察

  1. × 1.  浣腸

    直腸・肛門には多数の腸内細菌が常在しており本来無菌ではありません。浣腸は清潔操作(手袋着用・器具の清潔保持)で行えば十分で、無菌操作は必要ありません。

  2. 2.  気管内吸引

    気管・気管支・肺胞などの下気道は正常では無菌状態に保たれています。吸引カテーテルや手袋は滅菌のものを使用し、カテーテル先端を不潔にしないよう無菌操作で実施します。

  3. × 3.  口腔内吸引

    口腔内は口腔内常在菌が多数存在するため無菌環境ではなく、清潔操作で対応します。未滅菌手袋と清潔なカテーテルで実施可能です。

  4. × 4.  経鼻胃管挿入

    鼻腔・咽頭・食道・胃は常在菌や弱毒菌が存在する部位で無菌ではありません。清潔操作で実施し、胃内容物の逆流誤嚥予防や位置確認の方が臨床的に重要です。

無菌操作は「本来無菌の部位」または「無菌を保たねばならない物品」を扱う際に必須で、中心静脈カテーテル挿入、導尿、腰椎穿刺、創部ドレッシング、手術、気管内吸引などが該当します。一方、清潔操作は常在菌が存在する部位での感染予防が目的で、浣腸・口腔ケア・経鼻胃管挿入・陰部洗浄などが該当します。両者の違いは使用物品(滅菌か未滅菌か)と技術の厳密さに反映され、誤ると医療関連感染の原因となります。

処置対象部位の常在菌の有無を判断し、無菌操作と清潔操作を正しく使い分けられるかを問う問題です。下気道は無菌という生理学的知識が判断の鍵になります。