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1分間に100〜120回!心肺蘇生の正しいテンポを体で覚える

看護師国家試験 第112回 午後 第24問 / 必修問題 / 患者の安全・安楽を守る看護技術

国試問題にチャレンジ

112回 午後 第24問

成人の一次救命処置<BLS>における胸骨圧迫の速さ(回数)で正しいのはどれか。

  1. 1.40〜60回/分
  2. 2.70〜90回/分
  3. 3.100〜120回/分
  4. 4.130〜150回/分

対話形式の解説

博士 博士

今日は一次救命処置、BLSにおける胸骨圧迫のテンポを学ぶぞ。国試必修の定番じゃ。

アユム アユム

胸骨圧迫は1分間に何回でしたっけ?

博士 博士

成人BLSでは100〜120回/分が正解じゃ。JRC蘇生ガイドライン2020でも同じ値が採用されておる。

アユム アユム

意外と速いですね。1秒に2回弱くらいでしょうか?

博士 博士

その通り。ちなみに有名な例として、ビージーズの『Stayin' Alive』やドラえもんの歌、アンパンマンのマーチはBPM100〜120なので、頭の中で流しながら圧迫するとちょうど良いテンポになる。

アユム アユム

速すぎてもダメなんですか?

博士 博士

うむ。130回を超えるくらい速くなると、次の圧迫までに胸郭が完全に戻らない『リコイル不足』が起き、静脈が心臓に戻れなくなる。結果として心拍出量が減り、圧迫の意味が薄れてしまうのじゃ。

アユム アユム

リコイル、つまり胸が元に戻る時間が大事なんですね。

博士 博士

そうじゃ。圧迫と等しい時間をかけてしっかり戻すことで、心臓が血液を吸い込む『拡張』の代わりになる。押しっぱなしではポンプは働かない。

アユム アユム

深さはどのくらいですか?

博士 博士

成人で約5cm、ただし6cmを超えない。これが『強く』のポイントじゃ。浅すぎれば血流を作れないし、深すぎれば肋骨骨折や内臓損傷のリスクが上がる。

アユム アユム

絶え間なくというのも聞いたことがあります。

博士 博士

その通り。中断時間をできるだけ短くする。AED装着や解析、人工呼吸の瞬間以外は圧迫を止めないのが鉄則じゃ。

アユム アユム

人工呼吸との比率はどうなっていますか?

博士 博士

成人では圧迫30回:人工呼吸2回のサイクルじゃ。ただし、訓練を受けていない市民救助者の場合は胸骨圧迫のみの『ハンズオンリーCPR』で十分という指針もある。

アユム アユム

長くやっていると疲れそうですが…

博士 博士

そう、疲労で質が落ちるのが最大の敵じゃ。だから複数人いる場合は2分ごと、あるいはAEDの解析タイミングで交代するとよい。圧迫の質を維持することが蘇生率に直結する。

アユム アユム

AEDはいつ使うんですか?

博士 博士

到着次第すぐに装着し、音声指示に従うのじゃ。ショック適応のリズム(心室細動や無脈性心室頻拍)であれば電気ショックで心臓のリズムを取り戻せる可能性がある。

アユム アユム

BLSは『強く・速く・絶え間なく・完全に戻す』の4原則ですね。数字と一緒に体で覚えます!

POINT

成人の一次救命処置における胸骨圧迫のテンポは100〜120回/分が正解で、JRC蘇生ガイドライン2020およびAHAガイドラインで推奨されています。この速さに加えて、深さ約5cm(6cmを超えない)、胸郭の完全なリコイル、絶え間ない圧迫という4つの質が重要で、2分ごとに救助者を交代することで質を保ちます。圧迫30回:人工呼吸2回の比率、AED装着後は音声指示に従ってショックを行うという流れまで含めて理解することで、院内外を問わず即応できる救命処置の力が身につきます。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:成人の一次救命処置<BLS>における胸骨圧迫の速さ(回数)で正しいのはどれか。

解説:正解は 3 の100〜120回/分です。日本蘇生協議会(JRC)蘇生ガイドライン2020および米国心臓協会(AHA)のガイドラインで、成人・小児・乳児すべての年齢で胸骨圧迫のテンポは100〜120回/分と定められています。この速さが、心拍出量を効率よく維持しつつ十分な圧迫深度を保てる範囲です。

選択肢考察

  1. × 1.  40〜60回/分

    テンポが遅すぎて冠動脈・脳灌流圧を維持できず、蘇生率が著しく低下する。

  2. × 2.  70〜90回/分

    推奨範囲に満たず、十分な血流を作り出せない。旧いガイドラインでも80回以上を目安にしていた。

  3. 3.  100〜120回/分

    現行ガイドラインで成人BLSの標準テンポ。概ね1秒に2回弱のリズムで、冠灌流圧を維持しつつ疲労と深度低下を防げる適正速度。

  4. × 4.  130〜150回/分

    速すぎると胸郭の完全な戻り(リコイル)が得られず静脈還流が妨げられ、圧迫深度も浅くなり心拍出量が減少する。

成人BLSの胸骨圧迫は『強く(深さ約5cm、6cmを超えない)、速く(100〜120回/分)、絶え間なく、完全なリコイルを許す』が4つの質の指標。人工呼吸を行う場合は30:2のサイクル。救助者の疲労で質が落ちるため2分ごとに交代する。『Stayin' Alive』や『アンパンマンのマーチ』は100〜120BPMなので、テンポの目安としてよく紹介される。AEDは到着次第ただちに装着し、音声指示に従う。

BLSにおける胸骨圧迫の『速さ』を問う必修問題。100〜120回/分という具体的数値を正確に覚えることが求められる。