ジゴキシン中毒は不整脈に注意
看護師国家試験 第103回 午後 第14問 / 必修問題 / 薬物の作用と管理
国試問題にチャレンジ
ジゴキシンの主な有害な作用はどれか。
- 1.振戦
- 2.不整脈(arrhythmia)
- 3.聴覚障害
- 4.満月様顔貌〈ムーンフェイス〉
対話形式の解説
博士
ジゴキシンはジギタリス製剤の代表薬で、心不全や心房細動のレートコントロールに使われる古典的強心薬じゃ。
アユム
どうやって心臓に効くんですか?
博士
心筋のNa-K ATPaseを阻害して細胞内Ca濃度を高めることで、心収縮力を増強する。同時に房室伝導を抑制する作用もある。
アユム
副作用で気をつけるのは何ですか?
博士
それが今回の問題じゃ。正解は2の不整脈じゃな。ジギタリス中毒として徐脈・房室ブロック・心室性期外収縮・二段脈などあらゆる不整脈が出る。
アユム
治療域と中毒域が近いんですよね?
博士
そうじゃ、血中濃度の治療域は0.5〜1.5ng/mLと狭い。低カリウム血症・腎機能低下・高齢で中毒リスクが上がる。利尿薬併用時はとくに注意じゃ。
アユム
他の選択肢はどう違うんですか?
博士
1の振戦は抗精神病薬やβ2刺激薬の副作用じゃ。3の聴覚障害はストレプトマイシンなどアミノグリコシド系抗菌薬やループ利尿薬で起こる。4のムーンフェイスは副腎皮質ステロイドの代表的副作用じゃ。
アユム
心症状以外の中毒症状はありますか?
博士
食欲不振・悪心・嘔吐などの消化器症状と、黄視・緑視といった視覚異常が特徴的じゃ。これらが出たら中毒を疑うサインじゃのう。
アユム
看護のポイントは?
博士
脈拍測定が最も大事じゃ。1分間しっかり触知して徐脈や脈の不整があれば医師に報告すること。血中濃度の定期測定もセットで行う。
アユム
狭い治療域の薬は観察が命ですね。
POINT
ジゴキシンの代表的副作用はジギタリス中毒による不整脈で、徐脈・房室ブロック・心室性期外収縮など多彩な不整脈が出現します。低カリウム血症や腎機能低下で誘発されやすく、消化器症状と視覚異常も中毒のサインです。治療域が0.5〜1.5ng/mLと狭いため血中濃度モニタリングが必須で、看護では脈拍観察が最重要となります。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:ジゴキシンの主な有害な作用はどれか。
解説:正解は 2 です。ジゴキシンはジギタリス製剤の代表薬で、心筋のNa-K ATPaseを阻害して細胞内Ca濃度を高め強心作用を発揮します。同時に房室伝導抑制作用があり、慢性心不全や心房細動のレートコントロールに用いられますが、治療域と中毒域が近く、ジギタリス中毒として徐脈・房室ブロック・心室性不整脈などの不整脈を起こしやすい薬剤です。
選択肢考察
-
× 1. 振戦
振戦は抗精神病薬・抗パーキンソン病薬・β2刺激薬などでみられる副作用で、ジゴキシンの主な副作用ではありません。
-
○ 2. 不整脈(arrhythmia)
ジギタリス中毒の代表症状で、徐脈・房室ブロック・心室性期外収縮・二段脈・心室頻拍などあらゆる不整脈が起こり得ます。低カリウム血症で誘発されやすく注意が必要です。
-
× 3. 聴覚障害
聴覚障害(聴神経障害)はストレプトマイシンなどのアミノグリコシド系抗菌薬やループ利尿薬で起こる副作用です。
-
× 4. 満月様顔貌〈ムーンフェイス〉
副腎皮質ステロイドの長期投与で出現する代表的な副作用で、ジゴキシンとは関連しません。
ジギタリス中毒の症状は心症状(不整脈)と心外症状(食欲不振・悪心・嘔吐・黄視・緑視などの視覚異常)に分けられます。低カリウム血症・腎機能低下・高齢で中毒が起きやすく、利尿薬併用時は特に注意が必要です。血中濃度の治療域は0.5〜1.5ng/mLで、定期的なモニタリングが推奨されます。
ジゴキシン(ジギタリス製剤)の代表的な副作用として不整脈を中心としたジギタリス中毒を理解しているかを問う問題です。
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