麻薬の取扱いは法律で厳格に規定
看護師国家試験 第103回 午後 第16問 / 必修問題 / 薬物の作用と管理
国試問題にチャレンジ
医療機関における麻薬の取り扱いについて正しいのはどれか。
- 1.麻薬と毒薬は一緒に保管する。
- 2.麻薬注射液は複数の患者に分割して用いる。
- 3.使用して残った麻薬注射液は病棟で廃棄する。
- 4.麻薬注射液の使用後のアンプルは麻薬管理責任者に返却する。
対話形式の解説
博士
医療用麻薬は麻薬及び向精神薬取締法で取扱いが厳しく定められておる。看護師にとって必須の知識じゃ。
アユム
残った麻薬はどうすればいいんですか?
博士
それが今回の核心じゃ。残液も空アンプルもすべて麻薬管理者に返却しなければならない。だから正解は4じゃ。
アユム
病棟で捨てちゃダメなんですね。
博士
絶対にダメじゃ。3の選択肢のように病棟で廃棄するのは違法行為になる。麻薬管理者が法定の手続きに従って廃棄するのが原則じゃ。
アユム
保管はどうなっていますか?
博士
鍵のかかる堅固な設備、つまり重量金庫などに施錠して保管する。1の選択肢では毒薬と一緒となっているが、これは誤りじゃ。麻薬は他の薬剤とは区別して保管するのが原則で、唯一覚せい剤との同一保管だけは認められておる。
アユム
2の複数患者への分割は?
博士
これも禁止じゃ。麻薬は一患者一施用が原則で、他患者と分けて使うことはできない。半分残ったとしても残液は返却じゃ。
アユム
もし紛失したらどうなるんですか?
博士
速やかに都道府県知事へ届出が必要になる。盗難・破損も同じじゃ。だから出納管理は麻薬施用記録簿で厳格に行う。
アユム
麻薬管理者は誰が務めるんですか?
博士
原則として医療機関の薬剤師じゃ。免許を取得した者が務める。薬剤師がいない場合は医師が務めることもある。
アユム
残液・空アンプル返却を徹底します。
博士
看護師の責任として「使った分・残った分・空アンプル」をワンセットで返却する習慣を身につけるのじゃぞ。
POINT
医療機関における麻薬は麻薬及び向精神薬取締法により厳格に管理され、使用後の残液と空アンプルはすべて麻薬管理者に返却する義務があります。鍵付きの堅固な設備に他剤と区別して保管し、一患者一施用が原則で病棟廃棄は違法です。紛失時は都道府県知事への届出が必要となるため、看護師は記録と返却の徹底が求められます。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:医療機関における麻薬の取り扱いについて正しいのはどれか。
解説:正解は 4 です。麻薬及び向精神薬取締法により、麻薬注射液の使用後に残った薬液および空アンプルは、すべて麻薬管理者(病院では麻薬管理者免許を持つ薬剤師など)に返却することが義務付けられています。施用後に残薬や空アンプルが紛失した場合は都道府県知事への届出が必要となるため、看護師は確実な返却管理を徹底しなければなりません。
選択肢考察
-
× 1. 麻薬と毒薬は一緒に保管する。
麻薬は鍵のかかる堅固な設備内に他の薬剤と区別して保管します。覚せい剤との同一保管は認められていますが毒薬とは別に保管する必要があります。
-
× 2. 麻薬注射液は複数の患者に分割して用いる。
麻薬は一患者一施用が原則で、他患者との分割使用は禁止されています。残薬は廃棄せず管理者に返却します。
-
× 3. 使用して残った麻薬注射液は病棟で廃棄する。
病棟で勝手に廃棄してはいけません。残液は空アンプル・残量とともに麻薬管理者に返却し、管理者が法定の手続きに従って廃棄します。
-
○ 4. 麻薬注射液の使用後のアンプルは麻薬管理責任者に返却する。
麻薬及び向精神薬取締法に基づき、使用後の空アンプル・残液は必ず麻薬管理者に返却します。麻薬施用記録簿への記録も義務です。
麻薬の保管要件は「重量金庫など堅固な設備に施錠」「他剤と区別(覚せい剤のみ同一保管可)」「麻薬施用記録簿で出納管理」です。盗難・紛失・破損時は速やかに都道府県知事へ届出が必要です。麻薬管理者は原則として医療機関の薬剤師(薬剤師がいない場合は医師)が免許を取得して務めます。
麻薬及び向精神薬取締法に基づく医療機関での麻薬の保管・施用・廃棄の原則を理解しているかを問う問題です。
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