アスピリンは2つの作用を持つ薬
看護師国家試験 第103回 午前 第15問 / 必修問題 / 薬物の作用と管理
国試問題にチャレンジ
抗血小板作用と抗炎症作用があるのはどれか。
- 1.ヘパリン
- 2.アルブミン
- 3.アスピリン
- 4.ワルファリン
対話形式の解説
博士
抗血小板作用と抗炎症作用を併せ持つ薬はどれかのう。
サクラ
ヘパリン、アルブミン、アスピリン、ワルファリン。アスピリンが解熱鎮痛剤として有名ですよね。
博士
正解じゃ。アスピリンはCOXを不可逆的に阻害してプロスタグランジン産生を抑える。
サクラ
COX阻害でなぜ抗血小板作用が出るんですか?
博士
血小板内のトロンボキサンA2産生も止まるからじゃ。低用量で選択的に効くんじゃよ。
サクラ
狭心症や脳梗塞の予防に使うのはそのためですね。
博士
その通り。81〜100mgの低用量で抗血小板作用を狙う。高用量では抗炎症・解熱・鎮痛じゃな。
サクラ
ヘパリンは違うんですか?
博士
ヘパリンはアンチトロンビンⅢを介して凝固因子を阻害する抗凝固薬じゃ。抗炎症作用はない。
サクラ
ワルファリンは?
博士
ビタミンK依存性凝固因子の合成を阻害する経口抗凝固薬じゃな。これも抗炎症作用はない。
サクラ
アルブミンは薬ではないんですか?
博士
血漿タンパクで膠質浸透圧の維持や物質輸送が役割じゃ。
サクラ
アスピリンの注意点は?
博士
アスピリン喘息やReye症候群のリスクがある。小児のウイルス感染時は禁忌じゃ。
サクラ
手術前の休薬も必要ですよね。
博士
出血リスクのため、内視鏡や手術の前には休薬期間の確認が大切じゃ。
POINT
アスピリンはCOXを不可逆的に阻害し、抗炎症作用と抗血小板作用を併せ持つNSAIDsです。低用量ではトロンボキサンA2産生を抑え、狭心症や脳梗塞の再発予防に用いられます。ヘパリンとワルファリンは抗凝固薬で抗炎症作用はなく、アルブミンは血漿タンパクです。アスピリン喘息やReye症候群、出血リスクへの注意が必要です。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:抗血小板作用と抗炎症作用があるのはどれか。
解説:正解は 3 です。アスピリン(アセチルサリチル酸)はシクロオキシゲナーゼ(COX)を不可逆的に阻害することで、プロスタグランジン産生を抑制します。高用量では抗炎症・解熱・鎮痛作用を発揮し、低用量(81〜100mg程度)では血小板のトロンボキサンA2産生を選択的に阻害して抗血小板作用を示します。狭心症や脳梗塞の再発予防に用いられる代表的薬剤です。
選択肢考察
-
× 1. ヘパリン
ヘパリンはアンチトロンビンⅢを介して凝固因子を阻害する抗凝固薬であり、抗炎症作用は持ちません。
-
× 2. アルブミン
アルブミンは血漿膠質浸透圧の維持や物質輸送を担う血漿タンパクで、薬理作用としての抗血小板・抗炎症作用はありません。
-
○ 3. アスピリン
COX阻害により抗炎症作用と抗血小板作用の両方を持つ非ステロイド性抗炎症薬です。
-
× 4. ワルファリン
ワルファリンはビタミンK依存性凝固因子の合成を阻害する経口抗凝固薬で、抗炎症作用はありません。
アスピリンは喘息発作を誘発するアスピリン喘息や、Reye症候群のリスクから小児のウイルス感染時には禁忌です。低用量アスピリン療法では出血リスクの観察、内視鏡や手術前の休薬期間の確認が重要です。
代表的な抗血栓薬・抗炎症薬の作用機序の違いを正確に区別できるかを問う問題です。
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