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薬と食品の相互作用を整理しよう

看護師国家試験 第110回 午後 第39問 / 必修問題 / 薬物の作用と管理

国試問題にチャレンジ

110回 午後 第39問

経口薬と食品の関係について、正しいのはどれか。

  1. 1.テトラサイクリン系抗菌薬は牛乳の摂取によって吸収が高まる。
  2. 2.非ステロイド性抗炎症薬は炭酸飲料の摂取によって吸収が早まる。
  3. 3.抗ヒスタミン薬はアルコールの摂取によって副作用<有害事象>が出現しやすくなる。
  4. 4.キサンチン系気管支拡張薬は納豆の摂取によって副作用<有害事象>が出現しやすくなる。

対話形式の解説

博士 博士

今日は経口薬と食品の相互作用じゃ。

サクラ サクラ

組合せが多くて覚えにくいです。

博士 博士

機序と結びつけると整理しやすいぞ。

サクラ サクラ

テトラサイクリンと牛乳はどうでしょう。

博士 博士

牛乳のカルシウムとキレートを作り、吸収は下がるのじゃ。

サクラ サクラ

高まるのではなく下がるのですね。

博士 博士

そうじゃ、ニューキノロンも同じ注意が必要じゃよ。

サクラ サクラ

NSAIDsと炭酸飲料は。

博士 博士

吸収が早まるわけではなく、むしろ胃粘膜刺激が増えて潰瘍リスクが上がる可能性がある。

サクラ サクラ

抗ヒスタミン薬とアルコールは。

博士 博士

両方とも中枢神経を抑制するから、眠気やふらつきが強く出るのじゃ。運転は厳禁じゃよ。

サクラ サクラ

キサンチン系と納豆は関係ありますか。

博士 博士

キサンチン系はカフェインと相加的に中枢興奮する。納豆と注意すべきなのはワルファリンじゃ。

サクラ サクラ

ビタミンKで抗凝固作用が弱まるのですね。

博士 博士

その通り、納豆・青汁・クロレラは避けるのじゃ。

サクラ サクラ

グレープフルーツも重要ですね。

博士 博士

CYP3A4阻害でカルシウム拮抗薬などの血中濃度が上がる。これも要チェックじゃ。

サクラ サクラ

では正解は3ですね。

博士 博士

その通り、3が正解じゃよ。

POINT

経口薬と食品の相互作用は機序とセットで整理すると覚えやすいです。テトラサイクリンと牛乳はキレート形成で吸収低下、抗ヒスタミン薬とアルコールは中枢抑制の相乗で眠気増強、キサンチン系はカフェインと併用注意、ワルファリンは納豆や青汁に注意します。服薬指導では具体的な食品名を挙げて患者に伝えることが大切です。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:経口薬と食品の関係について、正しいのはどれか。

解説:正解は 3 です。抗ヒスタミン薬はH1受容体を遮断することで抗アレルギー作用を発揮しますが、中枢神経系のH1受容体も遮断するため眠気や認知機能低下といった副作用を起こしやすい薬剤です。アルコールは中枢神経抑制作用を持っており、抗ヒスタミン薬と同時に摂取するとこの抑制作用が相乗的に増強し、強い眠気、注意力低下、ふらつき、判断力低下などが出現しやすくなります。そのため服薬中の飲酒は避けるよう指導します。

選択肢考察

  1. × 1.  テトラサイクリン系抗菌薬は牛乳の摂取によって吸収が高まる。

    テトラサイクリン系抗菌薬は牛乳に含まれるカルシウムなどの金属イオンとキレート(不溶性複合体)を形成するため、消化管からの吸収が低下します。同じくニューキノロン系も金属イオンでキレートを形成するため、牛乳や制酸薬との併用は避けるよう指導します。

  2. × 2.  非ステロイド性抗炎症薬は炭酸飲料の摂取によって吸収が早まる。

    非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は酸性薬物が多く、胃内pHが酸性側に傾くと溶解が進みにくくなるため、炭酸飲料で吸収が早まるとはいえません。また炭酸飲料と服用すれば胃粘膜刺激が増し、NSAIDsによる消化性潰瘍リスクが増える懸念もあります。

  3. 3.  抗ヒスタミン薬はアルコールの摂取によって副作用<有害事象>が出現しやすくなる。

    抗ヒスタミン薬は中枢H1受容体遮断による眠気などが副作用として知られ、アルコールの中枢神経抑制作用と相加相乗的に働きます。眠気・ふらつき・集中力低下・反応時間延長などが強く出現し、車の運転や危険作業は厳禁と指導します。

  4. × 4.  キサンチン系気管支拡張薬は納豆の摂取によって副作用<有害事象>が出現しやすくなる。

    キサンチン系気管支拡張薬(テオフィリンなど)が注意すべき食品・嗜好品はカフェインを含むコーヒーや紅茶で、中枢興奮作用が相加的に現れます。納豆との相互作用で有名なのはワルファリンで、納豆菌が産生するビタミンKが抗凝固作用を減弱させます。

食品と薬物の相互作用は国家試験頻出です。グレープフルーツジュースはCYP3A4を阻害してカルシウム拮抗薬や一部のスタチン、免疫抑制薬の血中濃度を上げ、セントジョーンズワートは逆にCYP3A4誘導作用で多くの薬の効果を弱めます。ワルファリンはビタミンKを多く含む納豆・青汁・クロレラを避け、MAO阻害薬はチラミン含有食品(チーズ・赤ワイン)を避けるなど、服薬指導の場面で具体例を押さえておくとよいでしょう。抗菌薬と牛乳、テオフィリンとカフェイン、抗ヒスタミン薬とアルコールも定番の組合せです。

代表的な経口薬と食品・嗜好品との相互作用を問う問題で、薬効増強・減弱・吸収阻害のパターンを薬理機序と結び付けて理解できているかがポイントです。