内分泌疾患と低体温の関係を学ぼう
看護師国家試験 第104回 午後 第13問 / 必修問題 / 徴候と疾患
国試問題にチャレンジ
低体温が起こるのはどれか。
- 1.尿崩症(diabetes insipidus)
- 2.褐色細胞腫(pheochromocytoma)
- 3.甲状腺機能低下症(hypothyroidism)
- 4.Cushing〈クッシング〉症候群(Cushing syndrome)
対話形式の解説
博士
低体温を起こす内分泌疾患はどれかのう。
サクラ
甲状腺機能低下症だと思います。
博士
正解じゃ。代謝が落ちて産熱が減るからのう。
サクラ
橋本病が代表例でしたよね。
博士
その通り。自己抗体で甲状腺組織が破壊されるのじゃ。
サクラ
褐色細胞腫はどうですか。
博士
カテコールアミン過剰で代謝亢進、むしろ高体温じゃ。
サクラ
尿崩症は脱水が主なのですね。
博士
そうじゃ。低張多尿で口渇が強いのが特徴じゃ。
サクラ
クッシング症候群の症状は何でしょう。
博士
中心性肥満、満月様顔貌、皮膚線条、高血圧などじゃ。
サクラ
甲状腺機能低下症の重症型はありますか。
博士
粘液水腫昏睡といって低体温と意識障害を伴う緊急事態じゃ。
サクラ
看護で気を付ける点は。
博士
保温と緩徐な甲状腺ホルモン補充、呼吸状態の観察じゃよ。
POINT
甲状腺機能低下症では基礎代謝が下がり、産熱低下から低体温が生じます。橋本病が代表で、徐脈・浮腫・便秘なども特徴的です。褐色細胞腫やクッシング症候群は逆に代謝亢進や高血圧を示し、尿崩症は脱水が主体です。粘液水腫昏睡は致命的なため早期発見と保温・補充療法が重要です。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:低体温が起こるのはどれか。
解説:正解は 3 です。甲状腺ホルモンは基礎代謝を維持する作用があり、その分泌低下により産熱が減少して低体温が生じます。
選択肢考察
-
× 1. 尿崩症(diabetes insipidus)
尿崩症はバソプレシン作用不足による多尿・口渇・脱水が主症状であり、体温には大きな影響を及ぼしません。
-
× 2. 褐色細胞腫(pheochromocytoma)
副腎髄質腫瘍によりカテコールアミンが過剰分泌され、高血圧・動悸・発汗・代謝亢進を呈するため、むしろ体温は上昇傾向です。
-
○ 3. 甲状腺機能低下症(hypothyroidism)
T3・T4の不足で代謝が低下し、低体温・徐脈・浮腫(粘液水腫)・易疲労・便秘・体重増加など全身機能低下の症状が現れます。
-
× 4. Cushing〈クッシング〉症候群(Cushing syndrome)
コルチゾール過剰により中心性肥満・満月様顔貌・高血圧・耐糖能異常などが出現しますが、低体温は典型症状ではありません。
甲状腺機能低下症の代表は橋本病(慢性甲状腺炎)で、抗TPO抗体・抗Tg抗体が陽性となります。重症化した粘液水腫昏睡では低体温・呼吸抑制・意識障害をきたし救命処置が必要です。
内分泌疾患と体温変化の関連を整理し、代謝低下=低体温というメカニズムを理解する問題です。
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