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しびれはどこに出る?感覚障害の分布で原因を見抜く

看護師国家試験 第107回 午前 第13問 / 必修問題 / 徴候と疾患

国試問題にチャレンジ

107回 午前 第13問

関節や神経叢の周辺に限局して起こる感覚障害の原因はどれか。

  1. 1.脊髄障害
  2. 2.物理的圧迫
  3. 3.脳血管障害
  4. 4.糖尿病( diabetes mellitus )の合併症

対話形式の解説

博士 博士

今日は感覚障害の話じゃ。しびれや感覚低下がどこに出るかで、原因の場所がわかるんじゃよ。

サクラ サクラ

しびれって、どこでも同じじゃないんですか?

博士 博士

いやいや、分布が何より大事じゃ。たとえば寝違えて手がしびれたことはあるかの?

サクラ サクラ

あります!腕を下にして寝てしまって、起きたら手が痺れてました。

博士 博士

それは橈骨神経や尺骨神経が圧迫されてしびれた例じゃ。末梢神経が骨や筋で押されると、その神経の支配領域だけにしびれが出る。これが「限局性」の感覚障害じゃ。

サクラ サクラ

じゃあ手根管症候群もそうですか?

博士 博士

その通り。手首の手根管で正中神経が圧迫され、母指・示指・中指のしびれが出る。神経叢や関節周辺で起こる限局性障害の代表例じゃ。

サクラ サクラ

脊髄障害だとどうなるんですか?

博士 博士

脊髄が傷つくと、そのレベルから下位すべてに感覚障害が出る。胸髄T10なら臍から下が全部じゃ。範囲が広い。

サクラ サクラ

脳血管障害ではどうですか?

博士 博士

脳梗塞や脳出血なら、反対側の半身全体に感覚障害と麻痺が出る。つまり広範囲じゃな。

サクラ サクラ

糖尿病のしびれはよく聞きますが…

博士 博士

あれは多発神経障害じゃ。手袋と靴下を履いた部分のように、両手両足の末端に左右対称に出るのが特徴。「glove and stocking型」と呼ばれるんじゃ。

サクラ サクラ

分布が全然違うんですね!

博士 博士

そう。限局性=末梢神経圧迫、分節性=神経根、手袋靴下型=多発神経障害、半身性=中枢性、と4つ覚えておくんじゃ。

サクラ サクラ

問題を見直すと、「関節や神経叢の周辺に限局」だから物理的圧迫で確定ですね。

博士 博士

そのとおり。分布のパターンさえ掴めば迷わんぞ。

POINT

感覚障害の分布は、原因部位を推定するうえで最も重要な情報である。関節や神経叢周辺に限局するしびれは末梢神経の物理的圧迫(手根管症候群、腓骨神経麻痺、胸郭出口症候群など)によるものが多い。脊髄障害は分節性、脳血管障害は半身性、糖尿病性神経障害は手袋靴下型と、分布パターンから原因を絞り込む習慣をつけると臨床でも国試でも強くなれる。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:関節や神経叢の周辺に限局して起こる感覚障害の原因はどれか。

解説:正解は 2 です。関節や神経叢(腕神経叢・腰仙神経叢など)の周辺で限局した感覚障害が生じる場合、その多くは末梢神経が骨・筋肉・腫瘤・ギプスなどの物理的な圧迫を受けることによる。代表例には、手根管症候群(正中神経圧迫)、肘部管症候群(尺骨神経圧迫)、腓骨神経麻痺(下肢外側の圧迫)、胸郭出口症候群(腕神経叢圧迫)がある。圧迫された神経の支配領域に限局して、しびれや感覚低下、運動障害が現れる。

選択肢考察

  1. × 1.  脊髄障害

    脊髄障害では障害されたレベルから下位の両側または半側(ブラウン・セカール症候群など)に感覚障害が及び、広範囲・分節性の症状となる。限局的ではない。

  2. 2.  物理的圧迫

    正解。末梢神経の走行に沿って関節や神経叢部位で圧迫を受けると、その神経支配領域に限局した感覚障害が現れる。手根管症候群や腓骨神経麻痺が典型例。

  3. × 3.  脳血管障害

    脳梗塞や脳出血では、障害された大脳半球の対側の片麻痺や半側感覚障害など、広範囲の感覚・運動障害が生じる。関節周囲のみに限局することはない。

  4. × 4.  糖尿病( diabetes mellitus )の合併症

    糖尿病性多発神経障害では、手袋・靴下型(glove and stocking)に左右対称性・遠位優位のしびれや感覚低下が現れる。限局性ではなく、全身性に分布する。

感覚障害の分布パターンを整理すると診断に直結する。①限局性(1本の神経支配)→ 末梢神経の圧迫・外傷。②分節性(デルマトーム)→ 神経根障害・脊髄障害。③手袋靴下型 → 糖尿病・アルコール性など多発神経障害。④半身性 → 脳血管障害など中枢性。分布を問診・診察で確認することが重要。

感覚障害の分布パターンと原因部位の対応を問う問題。「限局性=末梢神経の物理的圧迫」と結びつけられるかがカギ。