うつ病の中核症状を押さえよう
看護師国家試験 第107回 午後 第13問 / 必修問題 / 徴候と疾患
国試問題にチャレンジ
典型的なうつ病( depression )の症状はどれか。
- 1.幻聴
- 2.感情失禁
- 3.理由のない爽快感
- 4.興味と喜びの喪失
対話形式の解説
博士
今日はうつ病の典型症状を整理するのじゃ
サクラ
はい、選択肢の症状を一つずつ吟味すれば良さそうですね
博士
まず幻聴はどうじゃ
サクラ
幻聴は統合失調症で有名な症状です。うつ病の典型ではないですよね
博士
その通りじゃ。次に感情失禁はどうじゃ
サクラ
わずかな刺激で泣き笑いが止められない症状ですよね。脳血管性認知症で見ますね
博士
うむ。うつ病とは異なる症状じゃな。理由のない爽快感はどうじゃ
サクラ
それは双極性障害の躁状態ですね。うつとは逆の気分状態です
博士
さよう。ではうつ病の中核症状は何じゃ
サクラ
ICD-10では抑うつ気分、興味と喜びの喪失、易疲労性の3つと習いました
博士
素晴らしい。選択肢の『興味と喜びの喪失』がまさにそれじゃ
サクラ
アンヘドニアと呼ばれるんですよね
博士
その通りじゃ。DSM-5でも抑うつ気分か興味喪失のどちらかが必須項目となっておる
サクラ
2週間以上続くことも診断基準でしたね
博士
よく覚えておるな。自殺念慮への配慮も忘れてはならんのじゃ
POINT
うつ病の中核症状は抑うつ気分、興味と喜びの喪失、易疲労性の3つで、ICD-10・DSM-5いずれでも診断の根幹です。本問の正解『興味と喜びの喪失』はアンヘドニアとも呼ばれ、以前楽しめた活動への関心を失う症状です。幻聴は統合失調症、感情失禁は脳血管性認知症、理由なき爽快感は躁状態を想起させる分かりやすい対比選択肢でした。うつ病患者では自殺念慮の有無を必ず確認し、安全確保が看護の第一目標になります。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:典型的なうつ病( depression )の症状はどれか。
解説:正解は 4 です。うつ病の中核症状はICD-10でもDSM-5でも『抑うつ気分』『興味と喜びの喪失』『易疲労性(意欲低下)』とされ、これらが診断の根幹となります。選択肢では『興味と喜びの喪失』が該当し、従来楽しめていた趣味や活動に関心がなくなるアンヘドニアと呼ばれる症状です。
選択肢考察
-
× 1. 幻聴
実際には聞こえない声が聞こえる幻覚症状で、統合失調症の中核症状として典型的です。うつ病では通常みられず、重症の精神病性うつ病で随伴することはあるものの典型症状ではありません。
-
× 2. 感情失禁
些細な刺激で泣いたり笑ったりを制御できなくなる感情調節障害で、脳血管性認知症や仮性球麻痺でみられる症状です。うつ病の典型症状ではありません。
-
× 3. 理由のない爽快感
双極性障害の躁状態や軽躁状態でみられる高揚感で、多弁・誇大・睡眠欲求の減少を伴います。うつ病は逆に気分が沈む疾患であり、該当しません。
-
○ 4. 興味と喜びの喪失
以前は楽しめていた活動への関心を失うアンヘドニアと呼ばれる症状で、抑うつ気分と並ぶ中核症状です。ICD-10・DSM-5のいずれでも必須項目に位置付けられています。
DSM-5の大うつ病性障害では『抑うつ気分』または『興味・喜びの喪失』のいずれか1つを含む計5項目以上が2週間以上続くことが診断基準です。食欲・睡眠・精神運動・疲労感・無価値感・思考力低下・自殺念慮も併せて評価します。
うつ病の典型症状は抑うつ気分・興味と喜びの喪失・易疲労性。幻聴は統合失調症、爽快感は躁状態を想起させる。
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