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肝臓のSOSはALTでキャッチ!検査値の対応関係を整理しよう

看護師国家試験 第107回 午前 第15問 / 必修問題 / 徴候と疾患

国試問題にチャレンジ

107回 午前 第15問

肝障害の指標となる血液生化学検査の項目はどれか。

  1. 1.CRP
  2. 2.尿素窒素
  3. 3.アミラーゼ
  4. 4.ALT< GPT >

対話形式の解説

博士 博士

今日は肝障害の指標となる検査項目について学ぶぞ。よく健康診断でAST・ALTという文字を見たことはあるかの?

サクラ サクラ

はい、GOTとGPTとも書いてありました。

博士 博士

そうじゃ。特にALT(GPT)は肝細胞の中に多く存在する酵素で、肝細胞が壊れると血中に漏れ出てくる。

サクラ サクラ

つまりALTが高い=肝臓がダメージを受けてるサインなんですね。

博士 博士

その通り。基準値はおよそ5〜40 IU/L。ウイルス性肝炎、脂肪肝、薬剤性肝障害、アルコール性肝障害などで上昇するんじゃ。

サクラ サクラ

ASTとの違いは何ですか?

博士 博士

ASTは肝以外にも心筋・骨格筋・赤血球に含まれるから、心筋梗塞や溶血でも上昇する。だからALTのほうが肝特異性が高いんじゃ。

サクラ サクラ

AST>ALTとALT>ASTで意味が違うとも聞きました。

博士 博士

よく知っておるな。AST優位はアルコール性肝障害や肝硬変、ALT優位はウイルス性肝炎や脂肪肝、という傾向がある。国試でも出やすいポイントじゃ。

サクラ サクラ

他の選択肢の意味も確認したいです。

博士 博士

CRPは炎症のマーカー、BUNは腎機能、アミラーゼは膵臓と唾液腺。それぞれ臓器が違う。対応表で覚えるのが鉄則じゃ。

サクラ サクラ

じゃあ肝臓のほかの指標もあるんですか?

博士 博士

もちろんじゃ。胆道系ならALPとγ-GTP、合成能ならアルブミンとPTが重要じゃ。肝硬変ではアルブミン低下とPT延長で合成能低下を評価する。

サクラ サクラ

黄疸のビリルビンも肝臓の指標ですよね?

博士 博士

そう。総ビリルビンが2 mg/dLを超えると臨床的に黄疸が見えてくる。直接型優位なら胆道閉塞、間接型優位なら溶血や体質性を疑うんじゃ。

サクラ サクラ

たくさんありますが、役割で分類すると覚えやすいですね。

博士 博士

まとめると、肝細胞障害=AST・ALT、胆道系=ALP・γ-GTP・ビリルビン、合成能=アルブミン・PTじゃ。この3本柱で肝臓は評価するんじゃよ。

サクラ サクラ

ALTはまさに肝臓のSOS信号ですね!

POINT

ALT(GPT)は肝細胞に特異性の高い酵素で、肝障害のスクリーニングに最も用いられる検査項目である。CRPは炎症、BUNは腎機能、アミラーゼは膵臓・唾液腺と、検査項目は臓器ごとに対応している。肝機能評価では、肝細胞障害(AST・ALT)・胆道系(ALP・γ-GTP・ビリルビン)・合成能(アルブミン・PT)の3カテゴリーに分けて理解すると、臨床的にも国試対策としても強力な武器になる。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:肝障害の指標となる血液生化学検査の項目はどれか。

解説:正解は 4 です。ALT(GPT:グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ)は肝細胞に特異的に多く存在する酵素で、肝細胞が障害を受けて壊れると血中に漏出し、値が上昇する。基準値は約5〜40 IU/L(施設により5〜45程度)。ウイルス性肝炎、脂肪肝、アルコール性肝障害、薬剤性肝障害などで上昇する。AST(GOT)とセットで評価されるが、ASTは肝以外に心筋・骨格筋・赤血球にも含まれるため、ALTのほうが肝特異性が高い。

選択肢考察

  1. × 1.  CRP

    CRP(C反応性蛋白)は炎症や組織壊死のマーカー。細菌感染、膠原病、悪性腫瘍などで上昇するが、肝機能を直接反映するものではない。

  2. × 2.  尿素窒素

    尿素窒素(BUN)は腎機能の指標であり、基準値は8〜20 mg/dL程度。腎不全、脱水、消化管出血などで上昇する。

  3. × 3.  アミラーゼ

    アミラーゼは膵臓と唾液腺から分泌される消化酵素で、急性膵炎、膵癌、耳下腺炎などで上昇する。肝障害の指標ではない。

  4. 4.  ALT< GPT >

    正解。肝細胞の障害で血中に漏出し上昇する肝特異性の高い酵素。基準値は5〜40 IU/L程度で、肝炎・脂肪肝・薬剤性肝障害などの早期発見に用いられる。

肝機能検査の主要項目:①肝細胞障害のマーカー=AST・ALT・LDH。②胆道系のマーカー=ALP、γ-GTP、総ビリルビン。③肝合成能のマーカー=アルブミン、PT(プロトロンビン時間)、コリンエステラーゼ。④慢性肝炎・肝硬変の線維化マーカー=ヒアルロン酸、Ⅳ型コラーゲンなど。AST>ALTはアルコール性肝障害や肝硬変、ALT>ASTはウイルス性肝炎や脂肪肝で見られやすいパターン。

肝障害の指標となる血液検査項目を問う基本問題。CRP・BUN・アミラーゼとの使い分けを整理できているかがポイント。