妊娠初期の感染と先天性風疹症候群
看護師国家試験 第110回 午後 第6問 / 必修問題 / 徴候と疾患
国試問題にチャレンジ
妊娠初期の感染で児に難聴が生じる可能性が高いのはどれか。
- 1.水痘( varicella )
- 2.風疹( rubella )
- 3.麻疹( measles )
- 4.流行性耳下腺炎( mumps )
対話形式の解説
博士
今日は母子感染について学ぶぞ。妊娠初期に感染すると児の難聴の原因となる疾患は何か分かるかのう?
アユム
風疹でしょうか?CRSという言葉を聞いたことがあります。
博士
その通り、よく知っておるのう。CRSは先天性風疹症候群のことじゃ。
アユム
三大症状は何でしたっけ?
博士
難聴、白内障、先天性心疾患の三つじゃ。中でも難聴が最も高頻度じゃのう。
アユム
妊娠のどの時期が危険なんですか?
博士
妊娠初期ほどリスクが高く、1〜12週では50〜90%に及ぶとされておるぞ。
アユム
すごく高い確率ですね。予防方法はありますか?
博士
妊娠前のMRワクチン接種が最重要じゃ。妊娠中は生ワクチンを打てんからのう。
アユム
周囲の人の接種も大事ですよね。
博士
その通り、夫や家族への接種も推奨されておる。社会全体で妊婦を守るのじゃ。
アユム
水痘はどうなんですか?
博士
先天性水痘症候群はあるが、主症状は四肢低形成や皮膚瘢痕じゃ。難聴は典型症状ではないぞ。
アユム
麻疹やムンプスは?
博士
流産リスクはあるが先天奇形の報告は少ないのじゃ。ただし児が出生後にムンプスにかかると難聴の原因になることはあるぞ。
POINT
妊娠初期の風疹感染では先天性風疹症候群を引き起こし、難聴が最も頻度の高い症状です。選択肢2が正解となります。妊娠前のMRワクチン接種が最重要の予防策であり、妊婦周囲の家族の接種も推奨されます。看護師として妊娠希望女性や家族への啓発を通じ、CRSの発生予防に貢献する役割があります。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:妊娠初期の感染で児に難聴が生じる可能性が高いのはどれか。
解説:正解は2の風疹です。妊娠初期に風疹に感染すると胎児に先天性風疹症候群(CRS)が生じ、三大症状として難聴、白内障、先天性心疾患が出現します。特に妊娠20週までの感染でリスクが高まります。
選択肢考察
-
× 1. 水痘( varicella )
妊娠中の水痘感染では先天性水痘症候群のリスクがあり、四肢低形成、皮膚瘢痕、眼病変、神経学的異常などを生じますが、難聴は典型症状ではありません。
-
○ 2. 風疹( rubella )
妊娠初期の風疹感染で先天性風疹症候群を引き起こし、難聴・白内障・心疾患を三大症状とします。特に難聴は発症頻度が最も高い症状です。
-
× 3. 麻疹( measles )
妊娠中の麻疹感染は流産・早産のリスクを高めますが、胎児に先天奇形を引き起こすことは一般的ではありません。
-
× 4. 流行性耳下腺炎( mumps )
妊娠中のムンプス感染は早期では流産リスクを高めますが、先天奇形や難聴を直接引き起こすことは証明されていません。ただし出生後の感染では難聴の原因となります。
先天性風疹症候群(CRS)は、妊娠初期ほど発症率が高く、妊娠1〜12週で約50〜90%、13〜16週で約15〜30%と報告されています。予防には妊娠前のMRワクチン(麻疹風疹混合)接種が重要です。妊娠中は生ワクチンを接種できないため、妊娠希望者への事前接種と妊婦の周囲(夫・家族)への接種が推奨されます。
先天性風疹症候群の三大症状(難聴・白内障・心疾患)と発症リスクの高い時期を理解しているかが問われています。母子感染に関する基本知識です。
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