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低体温を起こすホルモンは?

看護師国家試験 第110回 午後 第13問 / 必修問題 / 徴候と疾患

国試問題にチャレンジ

110回 午後 第13問

体温低下を引き起こすのはどれか。

  1. 1.カテコラミンの分泌亢進
  2. 2.甲状腺ホルモンの分泌低下
  3. 3.副甲状腺ホルモン<PTH>の分泌低下
  4. 4.副腎皮質刺激ホルモン<ACTH>の分泌亢進

対話形式の解説

博士 博士

今日は内分泌と体温の関係じゃ。どのホルモンが低下すると体温が下がるかわかるか?

サクラ サクラ

代謝を司る甲状腺ホルモンでしょうか。

博士 博士

正解じゃ。甲状腺ホルモンは全身の細胞で代謝と熱産生を高めるからの。

サクラ サクラ

低下するとどんな症状が出ますか。

博士 博士

低体温のほかに寒がり、徐脈、便秘、体重増加、無気力などじゃ。

サクラ サクラ

橋本病の症状と重なりますね。

博士 博士

その通り。慢性甲状腺炎は女性に多く、倦怠感で見逃されやすいのじゃ。

サクラ サクラ

カテコラミンが増えるとどうなりますか。

博士 博士

交感神経が興奮して心拍数・血圧・代謝が上がる。発汗や動悸が出て体温もむしろ上がる方向じゃ。

サクラ サクラ

ACTHの亢進は?

博士 博士

コルチゾールが増えクッシング症候群となる。満月様顔貌や中心性肥満、高血糖が特徴じゃ。

サクラ サクラ

PTHは体温とは無関係なのですね。

博士 博士

そうじゃ。PTHはカルシウム代謝に関わり、低下すると低Ca血症でテタニーを起こすのじゃ。

サクラ サクラ

粘液水腫性昏睡という重症化もあると聞きます。

博士 博士

35℃を切る低体温に意識障害を伴う致死的な病態じゃ。冬場の高齢女性に多いから注意じゃな。

POINT

甲状腺ホルモン低下は基礎代謝を下げ低体温を招きます。カテコラミン亢進やACTH亢進はむしろ代謝や血圧を上げる方向に働き、PTHは体温に関与しません。重症化した粘液水腫性昏睡は致死率が高く、早期の加温とホルモン補充が重要です。ホルモンごとの作用を体系的に理解しましょう。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:体温低下を引き起こすのはどれか。

解説:正解は2の甲状腺ホルモンの分泌低下です。甲状腺ホルモンは基礎代謝を高める作用をもつため、低下すると産熱が減り低体温となります。

選択肢考察

  1. × 1.  カテコラミンの分泌亢進

    アドレナリンなどのカテコラミンは心拍数増加・血管収縮・代謝亢進を引き起こし、褐色脂肪組織を介した産熱も促進するため、むしろ体温は上昇傾向となります。

  2. 2.  甲状腺ホルモンの分泌低下

    甲状腺ホルモン(T3・T4)は細胞のミトコンドリア代謝を刺激し熱を産生します。低下すると基礎代謝率が下がり、低体温・寒がり・徐脈・体重増加などの橋本病様症状が現れます。

  3. × 3.  副甲状腺ホルモン<PTH>の分泌低下

    PTH低下は血中カルシウム濃度を下げ、テタニーや手足のしびれ・痙攣を招きますが、体温に直接的な影響はありません。

  4. × 4.  副腎皮質刺激ホルモン<ACTH>の分泌亢進

    ACTH亢進はコルチゾール分泌を増やしクッシング症候群様の満月様顔貌・中心性肥満・高血圧・高血糖を来しますが、体温低下の直接原因ではありません。

粘液水腫性昏睡は甲状腺機能低下症が重篤化した病態で、35℃未満の低体温・意識障害・低血糖を呈し致死率が高い緊急疾患です。高齢女性の冬季発症が多く、加温とレボチロキシン投与が必要です。

各ホルモンの作用と欠乏・過剰時の症状を整理できているかを確認する問題です。