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ビタミン欠乏と腱反射

看護師国家試験 第113回 午前 第19問 / 必修問題 / 徴候と疾患

国試問題にチャレンジ

113回 午前 第19問

膝蓋腱反射の低下で疑われる病態はどれか。

  1. 1.脚気(beriberi)
  2. 2.壊血病(scurvy)
  3. 3.くる病(rickets)
  4. 4.夜盲症(night blindness)

対話形式の解説

博士 博士

今日は膝蓋腱反射の低下から考える病態を整理するぞ。反射弓は分かるかの。

サクラ サクラ

腱を叩く刺激が求心性神経を通り、脊髄でシナプスを介して遠心性神経から筋収縮を起こす流れです。

博士 博士

その通り。膝蓋腱反射はL2〜L4の大腿神経を介する。この経路のどこかが障害されれば低下するのじゃ。

サクラ サクラ

ビタミン欠乏で起こる疾患にどれが当てはまりますか。

博士 博士

脚気じゃ。ビタミンB1の欠乏で末梢神経障害と心不全を起こす。

サクラ サクラ

脚気の症状はほかにどんなものがありますか。

博士 博士

下肢のしびれ、筋力低下、倦怠感、湿性脚気では心不全症状が加わる。

サクラ サクラ

壊血病はどうでしょう。

博士 博士

ビタミンC欠乏でコラーゲンが作れず、歯肉出血や皮下出血、創傷治癒遅延が主症状じゃ。腱反射の低下は典型ではない。

サクラ サクラ

くる病は骨ですね。

博士 博士

ビタミンD欠乏で骨の石灰化が障害される。O脚や肋骨の数珠状変形が特徴で、小児に多い。

サクラ サクラ

夜盲症はビタミンAですか。

博士 博士

そうじゃ、網膜の桿体細胞が働きにくくなって暗所で見えにくくなる。神経反射の低下は起こらん。

サクラ サクラ

脚気はどんな人に多いのですか。

博士 博士

偏った食事、アルコール多飲、長期の高カロリー輸液など。ウェルニッケ脳症との関連も大事じゃぞ。

サクラ サクラ

反射が亢進する場合は何を疑いますか。

博士 博士

上位運動ニューロン障害、つまり脳梗塞や脊髄損傷などじゃ。低下と亢進を区別するのが大切じゃ。

サクラ サクラ

栄養アセスメントの重要性を感じました。

博士 博士

看護の現場でも観察の視点を持つのじゃぞ。

POINT

膝蓋腱反射の低下はL2〜L4の大腿神経を含む末梢反射弓の障害を示唆し、代表的な原因がビタミンB1欠乏による脚気です。脚気では末梢神経障害による腱反射低下・下肢のしびれ・筋力低下に加え、湿性脚気では心不全症状が出現します。壊血病(ビタミンC)、くる病(ビタミンD)、夜盲症(ビタミンA)はそれぞれ別の主症状を呈し、腱反射低下は特徴ではありません。反射亢進は上位運動ニューロン障害を疑うため、反射所見を栄養状態や神経学的評価と合わせて読み解く視点が重要です。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:膝蓋腱反射の低下で疑われる病態はどれか。

解説:正解は1の脚気です。脚気はビタミンB1(チアミン)欠乏により末梢神経障害と心不全を来す疾患で、大腿四頭筋を支配する末梢神経の障害により膝蓋腱反射が低下・消失します。

選択肢考察

  1. 1.  脚気(beriberi)

    脚気はビタミンB1欠乏で生じる疾患で、末梢神経障害による腱反射減弱・下肢のしびれ・筋力低下、心不全症状(湿性脚気)をきたします。膝蓋腱反射の低下は代表的身体所見です。

  2. × 2.  壊血病(scurvy)

    壊血病はビタミンC欠乏によりコラーゲン合成が障害される疾患で、歯肉出血・皮下出血・創傷治癒遅延が主症状です。末梢神経障害は主症状ではなく腱反射の低下は特徴ではありません。

  3. × 3.  くる病(rickets)

    くる病はビタミンD欠乏により骨の石灰化障害を来す小児の疾患で、O脚・X脚・肋骨数珠などの骨変形が特徴です。腱反射の低下は主症状ではありません。

  4. × 4.  夜盲症(night blindness)

    夜盲症はビタミンA欠乏などで暗所視力が低下する疾患で、網膜の桿体細胞機能障害が原因です。末梢神経や筋・腱反射には影響しません。

膝蓋腱反射はL2〜L4の大腿神経を介した伸張反射で、反射弓のいずれかが障害されると低下します。脚気以外にも糖尿病性末梢神経障害、ギラン・バレー症候群、腰部脊柱管狭窄症などで低下します。逆に亢進する場合は上位運動ニューロン障害(脳梗塞・脊髄損傷など)を疑います。ビタミンB1欠乏はアルコール多飲、偏食、長期高カロリー輸液で生じ、ウェルニッケ脳症と関連するため栄養評価が重要です。

ビタミン欠乏症の主症状を区別できるかを問う問題です。B1欠乏→脚気→末梢神経障害→腱反射低下という流れを押さえ、他のビタミン欠乏症(C・D・A)の主症状と区別することが重要です。