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高血圧と脳出血の関係

看護師国家試験 第113回 午後 第15問 / 必修問題 / 徴候と疾患

国試問題にチャレンジ

113回 午後 第15問

高血圧が原因で起こりやすいのはどれか。

  1. 1.脳出血(cerebral hemorrhage)
  2. 2.脳塞栓症(cerebral embolism)
  3. 3.脳動静脈奇形(cerebral arteriovenous malformation)
  4. 4.急性硬膜下血腫(acute subdural hematoma)

対話形式の解説

博士 博士

今回は高血圧が原因で起こりやすい疾患じゃ。まず脳卒中の分類を整理しようか。

サクラ サクラ

はい、虚血性の脳梗塞と出血性の脳出血・くも膜下出血がありますね。

博士 博士

そのとおり。脳梗塞はさらにラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症に分けられる。

サクラ サクラ

高血圧が一番関係するのはどれでしょう。

博士 博士

脳出血とラクナ梗塞じゃな。特に高血圧性脳出血は被殻・視床・小脳・橋などに起こる。

サクラ サクラ

では正解は脳出血ですね。

博士 博士

そのとおり。穿通枝に慢性の圧負荷がかかり、微小動脈瘤が破綻して出血するのが典型的な機序じゃ。

サクラ サクラ

脳塞栓症はどうでしょうか。

博士 博士

これは心房細動などで左房内にできた血栓が飛ぶのが主な原因。高血圧より不整脈や弁膜症が関与する。

サクラ サクラ

脳動静脈奇形は先天性ですよね。

博士 博士

そうじゃ。胎生期の血管形成異常で、思春期以降に破裂して脳出血やくも膜下出血を起こすことがある。

サクラ サクラ

急性硬膜下血腫は外傷ですね。

博士 博士

そのとおり。交通事故や転倒で架橋静脈が損傷して生じる。高血圧とは別の病態じゃ。

サクラ サクラ

高血圧管理がいかに重要か分かります。

博士 博士

うむ。ガイドラインでは収縮期血圧130未満を目標に降圧することが脳出血予防の要じゃ。

サクラ サクラ

腎硬化症や大動脈解離も高血圧が関係しますね。

博士 博士

そうじゃ。全身の血管障害を起こすサイレントキラーじゃから、早期発見と継続治療が欠かせん。

POINT

高血圧は脳内の穿通枝に慢性的な圧負荷をかけ、血管変性と微小動脈瘤の破綻を通じて脳出血を起こします。脳塞栓症は心房細動などの不整脈、脳動静脈奇形は先天性の血管形成異常、急性硬膜下血腫は頭部外傷が主因であり、いずれも高血圧が最大の原因ではありません。高血圧性脳出血は被殻・視床などに好発し、日本の脳卒中予防の中心は高血圧管理です。降圧目標を意識した継続治療が、脳出血のみならず心腎血管イベント全般の予防につながります。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:高血圧が原因で起こりやすいのはどれか。

解説:正解は 1 です。持続する高血圧は脳の穿通枝などの細い動脈に慢性的な圧負荷をかけ、血管壁の壊死や微小動脈瘤形成をきたして破綻しやすくします。その結果、被殻・視床・小脳・橋などに脳出血が生じやすくなり、実際、日本の脳出血罹患に対する高血圧の寄与はきわめて大きいとされています。

選択肢考察

  1. 1.  脳出血(cerebral hemorrhage)

    高血圧は脳内小動脈の変性を進行させ、被殻出血や視床出血など典型的な高血圧性脳出血の最大の危険因子です。

  2. × 2.  脳塞栓症(cerebral embolism)

    心房細動などで生じた心内血栓が脳動脈に飛んで閉塞する病態で、高血圧より不整脈や弁膜症が主な原因です。

  3. × 3.  脳動静脈奇形(cerebral arteriovenous malformation)

    胎生期の血管形成異常による先天性疾患で、高血圧とは発症機序が異なります。ただし破裂による出血リスクはあります。

  4. × 4.  急性硬膜下血腫(acute subdural hematoma)

    頭部外傷による架橋静脈などの損傷で生じるもので、高血圧が直接の原因になることはほとんどありません。

高血圧が関連する合併症は脳血管疾患(脳出血・ラクナ梗塞など)のほか、虚血性心疾患、心不全、左室肥大、大動脈解離、腎硬化症、眼底出血など多岐にわたります。脳卒中治療ガイドラインでは高血圧管理が脳出血予防の要とされ、収縮期血圧<130mmHgを目標に降圧治療が推奨されています。

高血圧が最大の危険因子となる脳血管疾患を選ぶ必修問題で、脳卒中の病型ごとの原因を区別する力が問われます。